上山信一の『見えないものを見よう』

未来は誰にもわからない。しかし洞察を深めれば、現実が変えられるかもしれない

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(前回からのつづき)

上山信一特別顧問に聞く④             2017117

 

双方向・対等の人事交流を

   役員は庁内外から公募制に

 

プロパーを登用するというのが改革の定石だった。この原則は今も正しいが、柔軟に考えないと不都合も出る。また適材適所であればOBだからといって排除すべきではない。

役員の数も問題だ。仕事の範囲が広いのに役員数が少なすぎる団体がある。たとえば本来(業務の範囲が広くて)本当は、4人は必要なところに行革のあおりで2人しかいない。さらに2人とも都庁OBとなって結局、民間出身者が登用されず新しい発想が取り入れられないといった現象である。

 前回の都政改革本部会議で私は、監理団体の役員人事の独立行政法人の理事長は全て公募制だ。ここでいう公募は民間からだけでなく庁内からも募るでは公募制の導入や要職への若手の都庁幹部候補生の出向を提案した。国。他県OBでもいい。

大阪府市では外郭団体や区長、本庁の部長ポストを公募にし、民間企業や他県、中央官庁の元幹部が採用されている。東京ならたくさんの方が手を挙げられると思う。例えば、横浜市の元局長なども採用したらどうか。

現実には民間人にとって官庁組織はわかりにくいし給与水準の限界もある。結果的に多くのポストは都庁OBが務めるだろう。また、適任者がいない場合は無理に公募人材の中から選ぶ必要はない。しかし、それでもいったんは手を挙げてもらうことで意欲と責任意識を確認すべきだろう。

 

グループ経営の鍵

監理団体の職員の確保についてはどうか。これまで都庁は、監理団体の定員を細かく管理し過ぎてきたきらいがある。今後は各団体に経営プランを描いてもらったうえで、それに沿った職員採用なら任せるなど経営の自主性を引き出したほうがいい。

都庁は監理団体に大量に職員を派遣している。他県等に比べて異常に高い比率だ。これはプロパー職員の採用や業務の民間への再委託で減らすべきだ。それをやったうえで、戦略的な重要ポストには若手の幹部候補生を出向させる。とにかく都庁から団体に職員を安易に出さない。団体の事務作業で手が足りないなら民間企業にアウトソーシングすればいい。

一方、監理団体への戦略出向は都庁の幹部候補生の人材育成に好影響を与えるだろう。都の職員数は昔に比べ全体に余裕がない。その結果、若い頃から本庁で事務仕事ばかりしている職員が多い。

しかし、例えば都庁の30代の若手が具体プロジェクトで各団体に出向し、民間出身の団体職員と一緒に仕事をすると現場の実態にも精通するし、人脈もできる。監理団体に出向して成果を挙げた幹部が本庁の局長へ昇任するといった人事慣行があってもいい。

逆に、団体のプロパー職員の幹部候補生も本庁に出向させる。政府はJICAの幹部候補を外務省に出向させ、本庁の政策立案に参加させている。それで政策の質も高まる。

都庁でも例えば歴史文化財団の現場で叩き上げてきたプロパー職員は現場を良く知っている、その知識を武器に本庁の局で仕事をし、あわせて国や議会との仕事なども学んだらいいと思う。人材交流は双方向で対等がいい。これがグループ経営の成功の鍵だ。

個々の監理団体の状況に合わせ、改革の必要性も手法、スピードは異なる。だが10年先を見据えたとき、今の監理団体の約4割は使命や戦略自体を抜本的に見直す必要があるだろう。その際には、団体だけではなく局の戦略の見直しも必要な場合が多い。見直し自体は2〜3年で出来ると思う。

しかし各団体が民間に伍してやっていけるだけの競争力や実質を伴うには5年くらいかかるだろう。2020年になれば五輪対応が終わり、都庁全体に人員の余裕も出てくる。その時期を見据え、今から改革の道筋を考えるべきだろう。


続きです
上山信一特別顧問に聞く③             20171031
 
他流試合でスキル磨け
   株式会社は外貨獲得し還元
 
4に一部の株式会社では公益財団法人と内容が変わらないという問題がある。
監理団体の中には水道・下水道局のパートナー企業である東京水道サービス(TSS)やPUC 、東京都下水道サービス(TGS)、また東京臨海ホールディングスなど、株式会社が多々ある。
このうち東京スタジアムは武蔵野の森総合スポーツプラザ(調布市)の指定管理者となるなど、事業を広げている。しかし、TSSやPUC、TGSなどは局の仕事の受託以外には技術の外販を少しやる程度で、企業としてみての成長戦略が見られない。
株式会社は本来、リスクをとって「増収増益」を目指すための経営形態だ。下水や水道の分野は国際展開や広域化、IT技術の応用のほか民営化など事業拡大のチャンスに恵まれている。ところがこれら各社は都庁からの受託業務に安住している。
他自治体の仕事を受注するなど“外貨”獲得による収益を都民に還元すべきだろう。
ちなみに大阪市の場合、下水の監理団体が他自治体向けのエンジニアリングサービスや施設の運営受託の仕事を開拓中だ。「他流試合」をやると職員のスキルが磨かれるし、業務量の変動調整にも役立つ。また将来はコンセッション(公共施設等運営権)の受け皿事業体になっていくという展望も開ける。もっと積極的な戦略を考えてもいいのではないか。
 
情報公開と透明性
これまでに主に戦略的な課題をあげたが、もう一つ非常に深刻な問題がある。各団体の情報公開だ。今は、一部を除くとパンフレットを見ても何をやっている団体か分かりにくい。業務報告書の内容も透明性が低い。
例えば東京都住宅供給公社(JKK東京)は住宅不動産など資産を約2兆円も保有している。ところが業務の説明資料には「住宅管理事業」としか書いておらず、まるで町場の賃貸管理会社と変わらない体裁だ。わざと隠す意図があるとは思えないが、実態に全くそぐわず、不透明だ。さらにいうと不動産は団体が保有するが再開発や運用は局と相談してやっていて、経営の責任主体もはっきりしない。
なお水道や下水の監理団体(株式会社)では、機材を供給するメーカーや納入業者の団体が出資している。設立当時は誰も問題視せず、実際これまで支障はなかったようだ。しかし、今の基準に照らせば都民から都庁と特定業者との癒着の象徴と指摘されても弁明しにくい。コンプライアンス上、適正といいきれるのか。極めて疑問である。
 
横並び意識を捨てよ
今後は各団体と局が個々に経営戦略を見直すことになるが、大事なことは国や他の自治体との横並び意識を捨てることだろう。都庁は業務量が多く、本庁の各部署だけではなかなか業務が処理できない。多くの大企業が子会社を設立し、戦略的に活用するのと同じく、都庁もしっかりとした監理団体を持つ必要がある。
しかし、国の天下り是正や特殊法人改革の影響もあり、全国的に「外郭団体=天下り=悪」というイメージが流布されすぎた。国でも自治体でも外郭団体はひたすら整理と統廃合の対象とされてきた。だが中央省庁の場合は、分権改革も同時に進んだので外郭団体の仕事が地方自治体に移管され、結果的に困らなかった。多くの自治体は人口縮減や税収減を背景に事務事業を整理し、それとセットで外郭団体を整理・廃止してきた。都庁も石原都知事の時代に同じような行革をやった。
だが近年、東京都は人口が増え、急速な高齢化がはじまり、同時に子育て支援の仕事が増えるなど業務が輻輳してきている。都会では極端な人手不足の時代であり、特に首都圏では医療、介護などの専門職人材が足りない。加えて2020大会に向けた準備でますます人手が足りない。そんな中で都庁は、国や他の自治体との横並びの発想で監理団体に対して抑制的なスタンスでいてよいのだろうか。民間企業に業務を委託するといっても優秀な専門人材を安定的に確保できるとは限らない。競争原理を働かせ、民間企業に任せる部分を増やす一方で都政を安定的に担う人材集団、実務のパートナーとして監理団体も積極的に鍛え、育てるべきだろう。
トヨタなど巨大企業は系列子会社と系列外のベンチャーなどを併用し、競わせている。前者だけでは革新が起きないし、後者だけでは安定供給に不安がある。民間委託の推進と監理団体の育成は決して矛盾せず、両方同時に進めるべきだ。  (つづく)
 
東京都の外郭団体改革。前回のつづきです
上山信一特別顧問に聞く②             20171027
 
成長が縮小か 選択肢は二つ
   組織再編が必要な団体も
 
2の問題は、特命随意契約や非公募型の指定管理者への「安住」だ。
例えば公園、臨海エリアの開発、駐車場など。これらを担う都の監理団体は経営規模も大きく、本来ならば専門ノウハウを活かして特色ある施設運営や集客戦略などが提案できるはずだ。
東京の恵まれた立地の大規模公園なら集客イベントやテナント誘致などダイナミックなパークマネジメントができるだろう。しかし今の東京都公園協会の公園管理は小規模の地方の民間の指定管理者とあまり変わらない。それでいて監理団体の特命随意契約(非公募)になっているのはおかしい。やる業務が民間と変わらないなら競争入札とすべきだ。
ちなみに都庁は、都立日比谷公園(千代田区)について将来像と再整備の在り方を議論する「グランドデザイン検討会」を始めた。大阪市では民間企業から大規模公園の改革案を公募し、丸ごと管理運営を任せている。都の大規模公園についても民間提案を公募するとともに、公園協会の存在意義や位置づけはゼロベースで見直すべきだ。
東京都道路整備保全公社の駐車場管理業務も民間に委ねられる仕事だろう。駐車場は、タイムズなど全国で手広く事業を展開する専門事業者がたくさんいる。他の自治体でも民間譲渡や指定管理で民間に委ねている。今の公社が大きな無駄遣いをしているとは思わないが、公益性を理由に優先的に手掛ける理由は乏しい。
東京臨海ホールディングスは債務処理の過程で作られた持ち株会社だという事情は理解した。しかし、臨海エリア全体の価値を上げる仕事ができていない。民間デベロッパーなら、地域ブランド戦略、羽田アクセスなどの交通対策、企業誘致などを手広くやるはずだ。しかし、ホールディングスは傘下企業の雑務の管理が中心でしかなく、株式会社のありかたとしてもおかしい。港湾局側の意識喚起と合わせて問題提起したい。
都は、施設の規模の大きさや防災上の都合、オリンピック準備などの理由からいくつかの仕事や施設の維持管理を特定の監理団体に特命随意契約で独占させている。各団体が民間にないノウハウや卓越した経営品質を誇るのなら許されるかもしれない。しかし今回のヒアリングではどちらかというと逆の印象を得た。基本的に民間との競争に晒すべきだろう。そこで勝ち抜けないなら規模の見直しもやむなしだし、生き残りたいなら各団体は専門人材を民間から雇い、積極投資をして卓越した能力を実証する必要がある。その意味で各監理団体には、今後は成長か縮小の2つの選択肢しかないと思う。
 
○組織発展の目標
3の問題は、過去の行革でいろいろな団体を統合したため性格の違う多様な事業の受け皿になってしまい、全体の目標が見えにくくなる現象だ。石原都政時代に「天下り見直し」「予算の効率化」「本庁の人減らし」のかけ声のもとで、ミッションが異なる団体が統合された。たとえば東京都農林水産振興財団は農業の研究や花粉対策、緑化などを所管しているが、(元々の農業・ 畜産・林業の試験場に)いろいろな事業を吸収した。環境公社も廃棄物処理施設の維持管理と環境科学研究所の仕事を同じ組織で担う。性質がかなり異なる仕事を同一の組織で経営する合理性があるかどうか、ものによっては再編が必要だろう。  (つづく)
 

以下は、都政新報のインタビューに答えたものです。


上山信一特別顧問に聞く①             20171024

 

都政改革本部

潜在能力生かす成長戦略を

監理団体経営改革で方向性

 

都政改革本部が9月、都の監理団体の在り方の見直しに向けた中間報告をまとめた。各団体と所管各局へのヒアリングを行い、「実力を備えた団体が多く、経営状況も概ね健全」と評価しつつも、「戦略性は全体的に乏しい」と指摘した。所管各局、総務、財務局は年度内を目途に、「官・民・団(監理団体)」の役割分担を見直すとともに、各団体も2020年以降を見据えた経営戦略を策定する予定だ。上山信一特別顧問に改革の方向性などを聞いた。 (編集部)

 

 

都政改革本部では、人手不足の時代に都庁の仕事を担う重要なパートナーとして監理団体を積極的に位置付ける方針を打ち出している。一方で民間企業に任せられる業務は監理団体ではなく、民間企業に競争入札で委ねるべきだ。今回ヒアリングではこうした観点から各団体の現状を点検した。ヒアリングの結果、全体に共通する特徴が4つわかった。

 

○宝の持ち腐れ

1の問題は宝の持ち腐れ、あるいは組織としての発達不全だ。

都の監理団体の中には他府県にない技術とノウハウを蓄積しているものがある。例えば、文化、観光、スポーツ分野の各団体は、本庁の政策・企画を分担できる可能性をもっている。しかし、団体側も本庁側もそうした意識は薄く、与えられた仕事を粛々とこなすだけで終わっている。

東京都歴史文化財団はプロパー人材の層が厚く、文化戦略についての知見を蓄積している。地方の自治体の同種の団体ではホール、美術館、博物館のうち1〜2館だけを指定管理者として受託する場合が多いが、同財団は美術館や博物館のほか、「江戸東京たてもの園」(小金井市)など様々なタイプの館を管理している。

来館者も多いので、工夫を凝らした企画展が開催しやすい。そのため他の類似団体に比べ、学芸員らがスキルを磨く機会が多い。もともと東京は人材が集まりやすく、施設も充実している。優秀な職員を採用し、育て、維持できてきたと思われる。

加えて過去には東京都写真美術館(目黒区)の館長に福原義春さん(資生堂名誉会長)が就任するなど、施設運営に民間の経営手腕が導入された経緯もある。

東京では他の文化施設との競争も激しい。国も東京国立近代美術館や国立西洋美術館、東京国立博物館を独法化し、気の利いた企画を展開し、企業とも連携する。こうした刺激もあって、同財団は文化政策まで作れるポテンシャル(潜在能力)を育んできた。

東京都中小企業振興公社も力を付けている団体だ。中小企業を支援する団体は他府県も持っているが、同公社は規模と業務内容で抜きんでており、バンコクにも現地事務所を開設している。東京観光財団もオリンピック・パラリンピックの対応で仕事が増え、民間出身のプロパー職員が頑張っている。

これらの監理団体は、いわゆる業務の受託を超え、専門分野での都庁の政策・企画の立案を担う可能性をもっている。いまどきの新規施策は本庁の会議室ではなく、現場の実務の中から見えてくる。その意味でこれらの団体は業務の委託先というよりも地方独立行政法人的な存在としてもっと権限をゆだねるべきだろう。

ちなみに地方独立行政法人は、いわゆる外郭団体を独立行政法人化したものではない。むしろ本庁の政策・企画の仕事を現場の執行現場に近いところで担う。文化、観光、スポーツなどでは現場に精通するこれら監理団体が政策・企画の立案を担った方がいい。 (つづく)

 

 

 お天気のせいもあってなんだか盛り上がらない総選挙だ。しかし今回の総選挙はあのへたれの(モリカケすらろくに追及できなかった)民進党がついに解体され、健全な野党勢力形成のきっかけになるという意義があると思う。功労者は枝野さん、前原さん、小池さん、そして松井さんだろう。なんだかんだ言ったってリスクをとって小さくてもアンチ自民の政党を旗揚げする政治家を私は尊敬する。
 それにしても民主党(民進党)の解体は遅すぎた。我が国は不良債権の処理に時間がかかり過ぎる国だが、”政治的不良債権”の処理でも時間がかかり過ぎた。あれだけの失政をしでかした民主党が名前を変えただけで居座り続け、安保法制でも経済でも外交でも”霞が関安倍連合政権”に対するオルターナティブを打ち出せなったのは、まことに残念だった。それがようやく、すっきりしそうだ(ちなみに私は政党間の健全な緊張関係の欠如を問題視。安倍さんの政策のすべてに反対するわけではない)。
 それにつけても良かったのは小池さんの排除の論理と枝野さんの登場である。小池さんの排除の論理発言は、選挙戦術的には失敗だったといわれる。確かにそうかもしれない。だが安全保障のような大事な政策をうやむやにした野党第一党ができ、政権を取ってしまっていたらもっと大変なことになっていただろう。言い方が上から目線だとか、排除される人たちが可哀そうといった情緒論は横に置き、コトの本質をみれば、あそこで排除の論理がでてきたのは、むしろ誠実な政治姿勢というべきではないか。

 それに対して誠実に対応した枝野さんも立派だし、前原さんも素晴らしい。国有地の契約経過すら隠し続ける政権与党のスタンスに比べれば、政治姿勢をはっきりさせ、国民に嘘はつかないという彼らの姿勢は、立派ではないか。
 〇小池都政の業績
 小池さんは、急に批判され始めた。一部にみられる人格攻撃はよくないが、政治姿勢への激しい批判自体は私はある意味、当然の展開だし健全だと思う。なぜなら希望の党を作った時点で、彼女は現政権へのパワフルな挑戦者となった。ご自身が総理になるか否かはさておき、自治体の長たる知事から国政上の挑戦勢力(政敵)となった。ならば、既得権益勢力から敵視され、誹謗中傷されるのは当然だろう。メディアも厳しくチェックする。 
 たまたま私は橋下さんとも長く仕事をしてきたが、例の慰安婦発言の時もそうだった。メディアも与党も手のひらを返したように厳しい橋下バッシングを行った。だが橋下さんはそれに耐え、鍛えられ、政治家としてさらに大きく成長していった。
 今回の小池さんもおなじことだろう。民主主義国家のマスコミは権力に対し、理不尽であり、容赦ない。マスコミが手のひらを返すように小池バッシングをしたのは、(個人的には残念な展開だったが)大きな意味では健全な反応といえるのではないか(もっとも、政治評論家や長老の発言を見ていると女性総理誕生の可能性への反発、男の嫉妬、女性へ偏見のようなものも混じっているような気がするが、それも通過儀礼として飲み込んだだうえで・・)。
 ところで小池さんは、マスコミがいうようなメディア使い、魔法使い(サリー)なのか?確かに話は上手だ。しかし、もとキャスターだから当たり前である。機を見るに敏?それが何か?いったい悪いことなのだろうか。どんと構えた、はくさいのような政治家を好む向きがおられるはわかるが、いまどき、わが国の政治家は機敏でなければ困る。世界は邪悪にできている。ふつうの日本人のようなお人よしでは世界と渡り合えない。機敏な女性政治家が増えるのは日本にとって良いことではないか?あの「排除の論理」も実は政治的誠実さ、プロの矜持の表れであり、そもそも批判すべき発言か大いに疑問である。

 こうしてみると今起きている事の本質は、小池さんのことが好きか嫌いか、でしかない気がする。要はステキと感じるか、イヤな感じと思うか。
 こうした情緒的要素をさておき、小池都政の評価を客観的にやってみるとどうなるか。
 私は極めて高い点数をつけていいと思う。
 そもそも都政は大混乱にあった。過去2人の知事が続けて辞めた。しかも政治とカネの問題がらみで、任期を全うせずにやめた。そして真偽はさておき、都議会与党(当時)のドンにまつわる疑惑報道が相次いだ。五輪の建設費の膨張問題、豊洲市場へのの5800億円にも上る投資への疑惑など、都庁は疑惑のデパートだった。
 小池さんはこうした疑惑を解明したいと選挙公約で宣言し、実際に就任後、大車輪の働きでこの2大問題の解明に取り組んだ。
 その結果、豊洲の地下には汚染水がたまっているという驚きの実態が判明し、安全問題が露呈。ぎりぎりセーフのところで開場延期が決まった。もし、小池さんが知事でなかったらたいへんな事態に陥っていただろう。開場後に問題が露呈するという大混乱が未然に防げてしみじみよかったと思う。
 オリンピックの会場見直しも同様だ。調べてみたら国際水泳連盟の会長ですら座席数が多すぎるという杜撰なプールの建設計画を見直した。IOCですら「高すぎる、何かおかしい」と明言するほどの豪華施設がどんどん建設されようとしていた。
 それに待ったをかけ、見直しをさせるのは並大抵の仕事ではなかった。なにせ2020年夏という期限が切られている。国際競技団体との折衝も必要だ。調査チームは「このままだと3兆円越えすらあり得る」という調査結果を世界に発信した。知事と調査チームはギリギリのタイミングだったがIOCと直談判し、国際世論にもリスクを訴えかけた。そして、ついに総費用の抜本見直しにこぎつけたのは知事就任後、わずか3か月後のことだった。
 こうした見直しの動きを都民は支持、、都議選では都民ファーストが圧勝した。こうした経緯を思い出すにつけ、「表層的な小池人気の崩壊」だの「話がうまいだけ」だのと批判するのは愚かな見方に過ぎるとわかるはずだ。
 要は、小池さんが知事に就任していなければ都政は、ますますの大混乱に陥っていた。豊洲市場は機能停止し、当然、五輪の準備も遅れたはずだ。そうした危機を短期間にうちに封じ込め、課題を白日のもとに晒した小池氏の業績は大きい。たぶん、ジャンヌダルクのような役割を果たしたといってよい。
 もちろん、こうした急な見直しの経過に疑問符をつける人たちもいる。しかし、多くは見直しの過程で既得権益を失った人々である。あるいは単に改革ということの実務的意味がわからない批評家、そして改革であれ何であれ、深く物事を考えたくない、毎日平和に暮らしたいだけの一部の議員や職員である。
 真の改革に波乱はつきものである。波乱万丈、いろいろなことが起きるし、失敗もある。だが、その担い手を批判するのはよくない。そこには進歩は生まれない。
 だから私はいいたい。前原さんも枝野さんも小池さんも松井さんもみんなえらい。現状維持を脱し、失敗してもいいからリスクをとった彼らを私はリスペクトしたいと思う。

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上山信一
上山信一
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