上山信一の『見えないものを見よう』

未来は誰にもわからない。しかし洞察を深めれば、現実が変えられるかもしれない

日記

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地方鉄道を残そう

以下は朝日新聞のインタビュー取材に応じた取材記事の転載です。2018525
         
 菜の花畑や一面の雪景色のなか、ひたむきに走る地方鉄道の風景は旅情を誘います。しかし、およそ4分の3は赤字で、維持や存続が危ぶまれています。高校生や高齢者に欠かせない「地域の足」にとどまらず、もっと生かしていく手はあるのでしょうか。
■《なぜ》クルマ社会、維持費も重荷に 上山信一さん(慶応義塾大学教授)
 うまくいっている鉄道は、日本を含めたアジアの人口密集地域を走る通勤・通学列車や、貨物に特化した米国など、世界でも限られます。多くの路線が存続を危ぶまれる苦境にあります。
 理由は言うまでもなく、モータリゼーションの深化です。特にわが国は自動車工業を基幹産業に育てるため、国家が隅々にまで道路網を広げました。いまも高速道路の全国への拡張が続きます。
 自動運転の技術が整えば、乗用車で、行きたい時に行きたい場所に自由に行けるようになり、乗る人はますます減ります。運転士の人件費や維持費などがかかる鉄道は持続可能でなくなる。ただでさえ人口減で乗客が減る地方鉄道は、やっていけません。
 ただ、鉄道は全国ネットです。どんなローカル駅も東京、大阪、名古屋など国や経済の中心となる駅だけでなく、地域の都市部の駅とつながっているという安心感がある。地方に住む人にとって、安心がもたらす誇りや心の落ち着きは、都会に住む人の想像を超えたかけがえのなさがあります。
     *
 中山間地や離島などと都市部を結ぶドクターカーや医療船は、看護師や保健師が乗って地域のお年寄りたちの健康を見て回ります。鉄道のネットワークがもたらす安心感と相通ずるものがある。
 問題は、安定的に維持していくために、相当な規模のお金がかかることです。このまま、滅びるのを見ていていいのか。失うものが数多くあるのではないか。懸念します。鉄道のある安心感が、高齢化、人口減が急速に進む地域に欠かせないものと考えれば、維持する工夫がいります。
 自治体や公営企業などが鉄路や駅舎などを保有し、それを民間会社や第三セクターが借り受けるなどして運営する上下分離の導入もよいでしょう。
 鉄道を福祉や教育の補助手段として、公的な支援が考えられてもいい。そうだとすれば、年金、医療と同じく、鉄道を維持するお金の一部は福祉ととらえ、広く国民全体が担うべきです。
 しかし、それだけでは赤字の穴埋めでしかないので、いずれ行き詰まる。地域住民の足、という以外の利用、お金の稼ぎ方が重要です。
 たとえば、旅行会社やホテルグループなどの参入を促すのはどうでしょう。観光地や景勝地をめぐる旅行のために、地方鉄道の運行の権利を売ったり、貸したりする。その収入で事業全体を活性化させるのです。
     *
 乗れるだけでわくわくする変な列車も走らせる。地元の足にとどまらず、アジアや欧米の人にも広く開くのです。そうした変身で、鉄道は生き返ります。
 ドル箱路線の山手線東海道新幹線などを持たず、赤字ローカル線を抱えるJR北海道JR四国など3島会社のハンディは、分割当初からわかっていました。経営安定基金で支えようとしたのですが、低金利で運用益が減ったことも、苦境を激しくしました。
 一方で、JR東海は新幹線の収益でリニア中央新幹線を建設中です。現行の新幹線車両は運行できず、東海地震などの災害時の代替にはならない、むだな投資です。本当は中央新幹線として現行車両を走らせれば良いのです。
 リニアの建設費は、ドル箱を持たないJR北海道JR四国など、いわゆる3島会社の経営支援に注がれるべきです。
 国鉄の分割・民営化の負の側面に注目した「第2次国鉄改革」が必要です。国民全体の資産である新幹線網のインフラを、きちんと国民の手に取り戻して利用料を取り、利益はJR北海道などに流すなどの抜本策が欠かせません。
 (聞き手・編集委員 駒野剛)
うえやましんいち 1957年生まれ。運輸省、マッキンゼー日本支社を経て現職。国土交通省政策評価会座長、大阪府市特別顧問などを兼ねる。
 国が消費税の税収を地方に配分する方法を変えてしまったことが問題視されている。だが役所の資料は複雑な説明でよくわからない。そこでもうすこし身近にわかりやすい説明を試みてみたい。

 消費税8%のうち6.3%は国へ、1.7%は地方に配分される。だが、その際に都会に
は少なめに、地方には多めに配分される。この比率が今般、さらに地方に手厚く変え
られることになった。その決定を巡って東京都や大阪府は国に抗議をしている。何
が起きているのか?

●14%と12%の差で年間1000億円

 都民が1万円のものを買うと消費税が800円かかる。このうち630円は国が、170円は
自治体が使う制度になっている。
 
 ある渋谷区民が地元スーパーで1万円使ったとする。すると本来は、渋谷区に
85円、東京都に85円が配分され、保育所や道路補修などの予算に使われるはずだ。
しかし、実際には170円ではなく23円(都と区の合計)しか、配分されない。消費税は、余裕のある都会が地方を支援する仕組みになっているからである。

  さて、ここからが本題である。今回、国は東京に配分するお金をさらに3円下げて20円にすると決めた。今まででも自治体の取り分の全体の約14%弱しか東京に配分
されていなかった。それがさらに約12%に下がる。

 「国にとられるのは1万円のお買い物をしたときの3円。配分比率にしてたった2ポイント弱の違いではないか」と思われるかもしれない。しかし、こうして東京全体で国に奪われるお金は年間で1000億円、都民一人あたり7270円にもなる。

 国が困っている地方を助けるのは当然である。そのために所得税、法人税
など国の税金の仕組みは都会の税収で地方を助け、お金持ちが多めに税金を払う仕組
みになっている。

 しかし、一方では都会にますます人が集まり、自治体としては消防救急隊、警察、
病院、公園など大きな設備が必要である。そこで消費税については地産地消、つまり
地元で使われたお金の一定割合をその土地に戻す考え方をとってきた。また、「一部
は地元に戻ってくる」という合意のもと、国民は消費税の8%への増税を認めたわけ
である。

 ところが今回の国の決定は、本来は国が負担すべき費用(地方を支援する財源)を
いきなり都民に押し付ける、という構図である。 そもそも国は税収が大幅に増えて
いるにもかかわらず予算の見直しや行政改革ができていない。今回、都から国が収奪
する1000億円は、本来は国の税収の増加分や行政改革で捻出できたはずのものなので
ある。つまり、国は自らの財源捻出の手当てをせずに都民に負担だけを押し付けて
るといえるのではないか。

●国による都の税金収奪は都民一人当たり5万円を超える

 東京都はこの10年で約1兆円分(年間約1000億円分)の事業の見直し(予算削減)
をしてきた。都民一人当たりの借金残高もこの20年間で55万円から38万円へと約3割
減った。一方で国の借金は国民一人当たりで233万円から697万円と約3倍にも増えて
いる。国は自らの経営努力を怠り、自らの負担分を東京都に負担させてきた。正直者
が馬鹿を見る構図ではないか。

 実は国による都民の税の収奪は、今回が初めてではない。これまでにも法人地方税
の一部が国に吸い上げられてきた。この額は都民一人当たりで年間4万7140円にもなる。
これに今回の7270円を加えると年間5万4410円に上る。

 このような国のやり方は憲法の地方自治の理念に反するものではないか。これは一見、都会と地方の格差是正のように見える。だが、そうではない。格差是正はかまわないが、財源捻出の方法は都会からの収奪であってはならない。

 まず国が自らの無駄を点検し捻出の余地がないかどうか考えるべきだ。そのうえでどうしても捻出できないときは都会が支援することもありえるだろう。しかしその場合、都会側が検討、判断すべきだ。国が都市部の自治体の意向も聞かずに勝手に配分基準を変えるのはいささか乱暴に見える。
 いずれにしても21世紀は都市の時代。国が都市の税を勝手に収奪するというやり方には賛成できかねる。
5月12日の「行政経営フォーラム第61回例会」のご案内です。申し込みフォームと詳細プログラム付きです。
【テーマ】「行政改革の最前線―事実と数字とITを手がかりに」
​【日時】 5月12日(土)10:30〜17:00
【場所】慶応義塾大学三田キャンパス 西校舎524教室 (JR田町駅から徒歩10分)
【会費】会員 1000円(遠隔地から自費で来たら0円、家族割二人目から半額)
    非会員 3千円(ただし、26歳以下の学生と大学院生は500円)
【参加申し込み】
以下のサイトからお願いします。席数に限りがありますので、お早目にどうぞ。
【時程】
改めて5月12日の「行政経営フォーラム第61回例会」のご案内です。申し込みフォームと詳細プログラム付きです。
【テーマ】「行政改革の最前線―事実と数字とITを手がかりに」
​【日時】 5月12日(土)10:30〜17:00
【場所】慶応義塾大学三田キャンパス 南校舎445教室 (JR田町駅から徒歩10分)
キャンパスマップ「6」番の建物です
【会費】会員 1000円(遠隔地から自費で来たら0円、家族割二人目から半額)
    非会員 3千円(ただし、26歳以下の学生と大学院生は500円)
【参加申し込み】
以下のサイトからお願いします。席数に限りがありますので、お早目にどうぞ。
【時程】
1.午前
10:30〜11:15 ポストNPMの行政改革−東京都の「2020改革プラン」について考える (上山 信一)
東京都はこの4月深刻な人手不足、税収不足、資産有効活用などの新たな着眼に立った行政改革計画を策定。その背景と狙いについて解説します。
(上山信一慶応大学教授。 旧運輸省、マッキンゼー等を経て現職。東京都、大阪府市、愛知県、新潟市等の改革に携わる)
11:20〜12:05 「生活者起点の課題設定」×「新型ICT活用」による政策改革
「新たな技術の活用」は政策改革をドライブさせていく上で重要なツールです。また,行政が「新たな技術の活用」を進めるためには,企業との連携が欠かせません。「新型ICT活用」による新潟市の政策改革の取組みについて紹介します。
(新潟市役所政策改革本部事務局 田口信雄)
2.昼食&東西南北会 12:05〜13:20
​新規参加者歓迎をかねて
テーマ、企画募集中です。あればサロンに是非。​
3.午後
特集①行政評価の現状評価と今後
13:20〜13:50 行政評価の現状分析 (NTTデータ経営研究所小島卓弥)
三重県への事務事業評価導入から20年以上が経過しました。
今後の活用方策を考えていただくためにも、改めて、行政評価の現状を整理させていただきます。
14:00〜14:30 EBPM(エビデンスに基づく政策形成)の実現に向けて
(国立国会図書館田辺智子)
昨今、EBPMに注目が集まっていますが、誤解や過大な期待もあるようです。
EBPMの源流となっているEBM(エビデンスに基づく医療)やプログラム評価の経緯、なぜ"データ"や"ファクト"ではなく"エビデンス"に着目しているのか等を紹介し、EBPMの定着や実現のための方策を考えます。
特集②ふくしま復興と私たちの役割について
14:45〜15:45
ふくしま例会グループは、東日本大震災で、全村避難となった福島県大熊町の
職員や避難所に避難されている方々と6年連続で交流を深めてきました。
避難所では、お茶やお菓子を食べたり、歌やゲームをしたり楽しいひと時を
過ごしながら、いろいろな話を伺ってきました。また、石田副町長をはじめとする職員の皆さんや大熊町を受け入れた会津若松の商工業関係者とも忌憚の無い意見交換をしてきました。今回の企画では、復興の陣頭指揮を執る石田副町長をお招きして、復興にかける思いや問題点などを伺うとともに、私たちが全村帰宅困難区域となっている大熊町を訪問した際の貴重なVTRを紹介します。
さらに、これまでの参加者からの体験談等も報告し、これから先、どのような
活動をして行くことが良いのか、会場の皆さんとも一緒に考えたいと思います。東日本大震災から早7年。ふくしま例会として6回にわたり、交流させていただいた大熊町の石田副町長をお招きして、復興の現状を伺うとともに、ふくしま例会の総括を行います
(石田仁 福島県大熊町災害対策本部生活環境課長等を経て、2015年から大熊町副町長)
特集③データヘルス最新状況
16:00〜16:30 野口 緑
実践データヘルス計画―市町村の健康寿命を延ばす
心筋梗塞死亡率の減少、1人当たり医療費の伸びの抑制効果を確認できるに至ったヘルスアップ戦略の展開を中心に保健行政運営の在り方について考えます。
(野口緑 1986年尼崎市入庁、2009年市民サービス室課長、2015年市民協働局部長。2013年より大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学招へい准教授、2017年より現職。)
16:30〜17:00 清水英子(東京大学)
日本の医療情報データの実態とデータヘルス計画
わが国における医療データの集積は世界の中でも遅れを取っており、活用範囲も限定的となっています。一方でデータを活用した予防や医療経済の改善に向けた動き(データヘルス)は盛んになってきています。日本のこうした実態を理解し、あるべき姿を探ります。
(清水央子 MS(統計学)、MMA(医療政策学)、PhD(医学博士)
医療情報データの利活用について研究、幅広く啓発・教育活動に携わる。現在東京大学大学院薬学系研究科特任准教授。人生の集大成として《医療》、《統計》、《ビジネス》を融合して日本の医療に一石を投じるべく奮闘中)
​懇親会(会員のみ参加可、17:30から)​。
上野の都立美術館。入り口の開催案内(以下写真)は不親切というか、もしかしたら意地悪。来館者の知りたいことに即答しようとする姿勢がありません。ぱっと見ると「今日うちに来たあなたは間違ってる。明日出直して来なさい」と言わんばかりの冷たく大きな赤字表示。めげずに目を凝らすと「無料」という謎の極小文字を発見。「もしかしてこれは何かを開催中?」と思って行ってみたらピンポン。しかし「無料」と書く前に「開催中」と書かなきゃ全くわからない。
もしかしたら常連さんや関係者以外の一般都民とか家族連れが来られないよう努力されている・・というのは意地悪すぎる見方かもしれないが、不思議すぎる?
 しかしあれが客除けや意地悪じゃなくて「精一杯がんばった結果です」なんて言われたら今度は、サービス施設の管理運営能力がとてつもなく弱いということでどっちにしたって重症。
 館内はあちこちポスター貼りまくり。おまけに一部はしわしわや折り目やらで汚い。建物は立派だが雰囲気がまるで役所の出先事務所でおよそ美術館にいる気がしない。そもそも収蔵品をほとんど持たず、プロの作品は企画展でしか展示しない施設は「ギャラリー」「アートセンター」に名前を変えるべきという疑問もあります。根っ子から見直せないならしばらく民間のギャラリー事業者に任せた方がいいのではないでしょうか。
(注)以下の写真は、昨日の都政改革本部会議で発表したもの(報告書全体はhttp://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/kaigi15/05_30nendonotorikumi/02-2_kizuitakoto.pdf 東京体育館の課題も説明してあるので見ていただきたい)
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上山信一
上山信一
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