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香港で行われているWTO会議で韓国の農民がデモを起こすというのもおかしな感じがしますが、
確かに韓国の農民にとって食料の自由化は脅威ですが、これは避けれないことでしょう。
と、いうのも韓国は工業製品をドンドン輸出していますが、
いまだ農業のほうは政府に保護されています。
ようするに国の保護政策(助成金や関税)はWTOの定める「自由貿易」に反するわけです。
韓国はいま「Capital abundant(労働力<資本力)」な国として、
Comparative Advantage(競合しても有利な)な工業製品を
「Labor abundant(労働力>資本力)」な国々に輸出しています。
ということはRicardian Trade ModelやHeckscher-Ohlin (H-O) Trade Theoryを下敷きとする
WTOの枠組みでは、韓国は輸出入の均衡が取れていなくてはなりません。
なぜならComparative Advantageを持つ国が、
それぞれ得意な分野の製品をより良く安く市場に提供することこそ自由貿易とWTOの命題だからです。
日本は米や牛肉などの自由をGATTの頃から国内の反対に遭いながらも続けてきています。
それは貿易国として仕方の無いことだと思います。
たしかにそれにより、食料自給率が下がります。
それは日本も経験していることです。
しかし、それによって他国への依存度が上昇すればするほど、
その国は、もし世界から孤立したとき、何も出来なくなるようなシステムとなるのです。
すべての国が他国に依存するような状態になれば、国際間の紛争も起こりにくくなるでしょう。
それこそが自由貿易の真の意味です。
(ただし、アメリカのようにすべてを自分で賄える国との格差は開きますが)
韓国はLabor abundantからCapital abundantにと変貌を遂げています。
これはどのように韓国が国内農業を切り捨てていくか、という試練でもあります。
しかし、今回のデモには韓国政府からの支援があったとの噂も流れています。
もし現在の左派政権が市場開放に反対すれば、韓国は自由貿易から乗り遅れることになります。
自分勝手な政策では、国内の支持は稼げても国際的に孤立するだけです。
<参考ページ>
朝鮮日報「【News Blog】「誰のお金で香港まで遠征?」」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/12/16/20051216000004.html
朝鮮日報「韓国のデモ隊1500人、香港で反WTOデモ 」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/12/14/20051214000017.html
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