★人生の達人★

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この「人生の達人」では、私の半生を自伝としてご紹介しています。ご一読いただくことで、多くの皆様にとって、今の時代を生き抜くヒントや勇気に繋がる「メッセージ」となれば幸いです。バックナンバーは、トップページに置いていますので、ぜひご覧ください。 

ゼネコン絶対絶命―。

日経系のビジネス雑誌では、建築土木業界の凋落をこのようなタイトルで、
特集を組むほどの世相にあった。業界は、未曾有の倒産ラッシュに入った。
誰もが耳にしたような会社がバタバタと消えていった。それも1992年に崩壊した
バブルから抱え込んだ負債が極限まで膨れている状況に多くの会社が追い込まれて
いった結果でもあった。

B課長の親族の紹介で、契約をもらっていたS社。その専務からある打診が入った。
それは、ある有名プロゴルファーと共同設計をしたゴルフ場会員権の購入依頼だった。
私は、反対した。今の状況で、そういった権利を手にするには、あまりにリスキーであるのは、
誰が考えてもわかるものであった。しかし、社長の側近達は、逆の意見を口々に…。

「つきあいもあるからいいんじゃない?」
「いや、今は、キケンな時期です。」
「これから伸ばしたいんでしょ?営業を。」
「かといって、これを購入しなくても切られることはありません!」
「でも、つきあいは大事だよ〜。」
「そんなことはわかっています。私も素人じゃないですよ!」

私の主張は、通らなかった。そして、結論は、1口の購入に至った。

しばらく経ったある日。

「ちょっといいですか?」
「どうしたの?」
「S社なんですが…。」
「S社の会員権は、購入したんだよね?」
「そうですが…。実は、S社に倒産の噂が流れているようなんですよ。」
「今のご時勢ならば、あってもおかしくない話だね。」
「で、現時点で未回収の金額は、どれくらいあるの?」
「えぇ〜っと、、、500万くらいは…。」
「うぅ〜ん、、、一応、最悪の事態の想定は必要かもしれないなぁ〜。」

現場は、動いていた。この会話をしているこの時間もであった。
しかし、この噂が現実となる日がついに。。。

「倒産しました!」
「どこがだ!?」
「例のS社です!」
「そうか…。」
「すいませんでした!」
「いやいや、B課長は、悪くないよ。とにかく、大至急、現場への人員供給は、
 止めてくれ!それと、今日現在までのすべの未回収金を計算して!」
「わかりました。」

経理部の門を叩いた。そして、この事情を経理責任者[社長親族]に説明した。

「で、いくらくらいになりそうなの?」
「はい。まだはっきりとは言えませんが、600万くらいでは無いかと思います。」
「回収は?」
「不可能でしょう。ご存知の通り、これまでも何社か同じようなことがありましたが、
 いいとこ1/100か1/1000くらいでしたよね。まぁ…管財人が入って、あれやこれややって、
 半年後に1万円取れればいいところでしょう。」
「あぁ〜、、、そうね。」
「今は、この回収に走ることより大至急、資金繰りの設計を組みなおしてください。こちらは、
 それによっては、1日でも早く入金してくれるお客さんをあたる準備をしておきます。」
「わかりました。じゃ、このことは、社長にも伝えておくね。」
「お願いします。」

建築土木の世界は、2月・3月は、年度末ということもあって、売り上げが従来の2倍・3倍に膨れ上がる
シーズンでもある。しかし、人件費の支払いは、締めから15日以内であるが、クライアントから
の支払いサイトは、2ヶ月・3ヶ月は、遅れる。ましてや手形となれば半年後ともなる。このズレを
埋める資金繰りは、キャッシュフローの無い会社からすれば、毎年、毎年、至難の業となる。
ただでさえ多忙な時期にこんな事案に遭遇すれば、とてつもない熾烈さを極める。

会社の生きるか?死ぬか?を闘っている時間帯。来る日も来る日も、従来業務だけでなく、
この案件の対応の奔走した。

そこにある一報が入った。

「もしもし…。」
「あ、はいはい。どうしたん?今、仕事中やから短めに…。」

その声の主は、故郷の母親からであった。しかし、どうもその声が暗い。
背筋をスーッと嫌な予感が走った。

「びっくりせんで、聞いて欲しいんよ。」
「何が?」
「あのなぁ、、、Hちゃん(姪)が緊急手術になったんよ。」
「えぇー!!!どういうことなんか!?」
「実は……。」
「はっきり、言わんかぁー!!」

姪が誕生して1年が経とうとしていた。
ちょうど、1歳の誕生日を目前にして、
あの年賀状に写った愛らしい彼女に何が起こっているのか…?
運命の荒波は、激烈な修羅場へと動き始めた。

つづく

バックナンバーは、トップページ並べています。 もしよろしければ、ご覧ください。
この「人生の達人」では、私の半生を自伝としてご紹介しています。
バックナンバーは、下段に置いていますので、ぜひご覧ください。 

★人生の達人をめざして★第24話★

血族〜13年間のエピソード23〜


居酒屋での時間。それは、ごく普通になんの波風も無く、淡々と進んだ。
ほどよく飲んだ後、三人は、店を出た。

「それじゃ、私帰るね。」
「おぉ〜。」
「あ、はい。おやすみなさい。」

白いスーツの女性は、駐車場に止めてあった真っ赤なジャガーに乗り込み、
颯爽とその場を去った。

「じゃ、オレたちも帰るか。」
「………。」
「どうした?」
「彼女とこれからどうするんですか?」
「いや。どうもしないよ。」
「変わらないし、変えないってことですね。」
「ま、そういうことだな。」
「私が次、彼女と会うとしたら…。」
「ん?」
「社長と彼女が綺麗に別れられない時だけです。」
「どういうことだ!?」
「愛人とよろしくやってるから、会社内部で噴出するこの話題について、
 知らん顔することは、私の役目じゃないですよ。」
「……。」
「考えてください!社長に万が一のことが起こったら、どうなるんですか!?
 残った家族と愛人が社長の財産を奪い合う。そこには、会社の経営権を左右
 する資産だって含まれてきます。」
「分かってるよ!」
「そんなことになる前に『別れたいが、別れてくれない。なんとかしてくれ!』
 って時だけが私の出番です。その時は、何がなんでも彼女の存在を消す。
 それだけです。」
「そうか。それがお前の考えか?」
「そうです。ボクのプロフェッショナルとしての意地でもあります。」
「分かったよ。」

愛人を囲う経営者。そんなことは、よくある話である。それが良いか?悪いか?
そんなことを正すつもりは、毛頭無かった。ただ言えるのは、その存在によって、
会社の経費や資産から無用な出費を行うことは、許されない。

会社とは何なのか―。

多くの人は、社長自身を会社そのものと考えてしまう。もっと言えば、その箱の
中に棲む人々を指して、会社と捉える。しかし、私は、そうは思わなかった。

社長が変わっても会社は、会社である。船で言えば、船長が変わっても船は船である。
船長個人と繋がることは、本来の仕事では無い。その船が如何にして、目的地へたどり着くのか?
それぞれの持分で、その場所へ向かう努力こそがあるべき仕事であるはず。

この船というものが、会社に置き換えれば、目に見えない箱であり、「格」となる。
その格とどうコミットメントするのか?どう守り、どう進化させ、どこに向かうのか?
私は、自らの中に棲むプロフェッショナルとしての意地が沸々と湧き上がった。

例の俳優と称する人物の入閣。愛人の存在。それは、私自身が会社経営の負の部分も
はっきりと見て取れる位置に入り込んでいたことから派生したことを感じた。
血族経営の組織の中で...。



年が明けた―。
いよいよ、この年は、新卒高校生の募集が始まる1年でもあった。
これから入ってくるであろう、若い力は、会社にどんな変革を生み出すのか?
私は、この動きに大きな期待をしていた。その準備も含め、年末年始は、
まったく休みが取れなかった。

いつもの業務も終わり、自宅へ。
大量の年賀状がポストに。この年の年賀状の枚数は、驚異的だった。
その数は、、、700枚に及んでいた。1枚、1枚を確認した。仕事関係が圧倒的だったが、
懐かしい顔なども何枚かあったりもした。そこに1枚の年賀状が目に付いた。
妹夫婦からのものであった。なんとも可愛らしい姪の姿が写っていた。

『早く帰ってこないと大きくなっちゃうよ。あんまり大きくないけど。』

それは、妹からのメッセージだった。

『あぁ〜可愛いぃ!よーし、今年は、学生の募集もあるし帰って、抱っこしよう!』

私は、その姿を眺め、明らかに自分と繋がる血を感じ、そんなことを呟いていた。
しかし、それがこれから起きる熾烈な運命を予兆していたとは…。
この時点では、知る由も無かった。

つづく

■序章 第1話:2億円の誘惑

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3140709.html

■第2話:決断はスローモーション〜13年間のエピソード1〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3358487.html

■第3話:天職の落とし穴〜13年間のエピソード2〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3678824.html

■第4話:神戸に消えた3億円〜13年間のエピソード3〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3770491.html

■第5話:All or Nothing〜13年間のエピソード4〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3953827.html

■第6話:この世の果て〜13年間のエピソード5〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4163667.html

■第7話:FINAL COUNT DOWN 12時間〜13年間のエピソード6〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4195608.html

■第8話:ピンチを凌いだ者だけが〜13年間のエピソード7〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4225623.html

■第9話:世界への扉〜13年間のエピソード8〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4487875.html

■第10話:我ニ奇策アリ〜13年間のエピソード9〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4607604.html

■第11話:お台場の公約〜13年間のエピソード10〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4699984.html

■第12話:幻想と現実〜13年間のエピソー11〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4970448.html

■第13話:結束の動機〜13年間のエピソード12〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5195770.html

■第14話:体質改善〜13年間のエピソード13〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5496023.html

■第15話:期待されてこそ〜13年間のエピソード14〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5754433.html

■第16話:月光〜13年間のエピソード15〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/6321978.html

■第17話:師弟再会〜13年間のエピソード16〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/7309340.html

■第18話:品川の乱〜13年間のエピソード17〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/10883170.html

■第19話:あるべき正義〜13年間のエピソード18〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/27266082.html

■第20話:傷つけしモノ〜13年間のエピソード19〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/29589060.html

■21話:来る者は拒まず〜13年間のエピソード20〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/29887477.html

■22話:凱旋〜13年間のエピソード21〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/30107508.html

■23話:関係〜13年間のエピソード22〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/30314347.html
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バックナンバーは、下段に置いていますので、ぜひご覧ください。 

★人生の達人をめざして★第23話★

関係〜13年間のエピソード22〜


事務局を出てグラウンドへ出た。ここからの眺め、実は素晴らしいものだった。。。
あの頃、ここから見える景色がこんなに綺麗だなんて、思ったことが無かった。
小高い丘の上にある母校から北へ視線をやると大分市内から別府、、、その向こうには、
うっすらと由布岳が見える。東京に比べれば遥かに空気が澄んだこのあたりでは、
スーッと視界が広がり、空の果てまで見えそうだ。あの空の…。

私は、借りて来たレンタカーに乗りこんだ。次の夏、ここから新たな戦力募集をすることを
確信しながら。ハンドルは、駅から近くの面接会場となるホテルへと向けられた。

「あ、すいません。」
しっかりした可愛らしい女性の受付の方が出てきた。
「○○の義兄です…。いますか?うちの…?」
「あ、はいぃ!いつもお世話になってます!あの〜私、Y子さん(妹)の後輩なんです。」
「あ、どうもどうも!その節は、いろいろとお世話になりまして。」
「いえいえ…。」
「あ、Nさん(義弟:妹の旦那)2Fにいらっしゃいますので、どうぞ!」
「はい。ありがとうございます。」

妹と義弟は、このホテルで先輩-後輩の間柄であった。簡単に言えば、その後、
社内恋愛から結婚ということになった。数年前に行われた結婚式では、
なぜか新郎新婦が司会を務めるという前代未聞の挙式を上げている。
私の両親は、当然のごとく反対した。しかし、私は、『このホテルで結婚式の司会を
ペアで行っていた二人が結婚するのだから、彼らの世界がある。好きにやれば
いいのではないか』と肯定もした。

「あ、お義兄ちゃん!」
「その”お義兄ちゃん”って、止めんかな?」
「えっ、なんで?」
「だって、オレとKちゃんは、同い年。学年で言えば、オレはひとつ下。
 そんなんで、お義兄(にい)ちゃんって…。」
「だって、Y子(妹)のお兄ちゃんだから、いいんだよ。」
「そっか…(笑)」
「それと〜、、、来年の面接会場、こっちの部屋を使うように準備するからね。」

義弟の準備は、万全だった。
彼は、私より背が高くスラリとした体系。ベッコウのメガネが本人の優しさ、
柔らかさを現わしているようだった。ただ、少し寂しげな陰というか、
線の細さは、感じられた。といのも彼が子供の頃、ご両親は離婚していた。
そして、二人が結婚する直前には、お母さんが急死していた。そのことを
自分の責任ではないかと責めていたようだった。そんな心の傷が滲んでいる…。

いや、、、それは、ただの私的な偏見だったのかもしれなかった。

「うちには、寄って行かないの?」
「いやぁ〜もう仕事が詰まっているんで、東京に戻らないと。」
「じゃぁ、またゆっくり帰ってきてね。」
「そうだね。ありがとう。じゃぁ!」

私は、その足で大分空港へ。
そして、過酷な戦場:東京へと向かった。

― 翌日 東京にて ―

出張が終わり、それなりの成果を上げた。
そのことを含めて、久々に出社した。オフィスのドアを開けると、聞きなれない声があった。
すると、社長が、
「お、ちょっと来てくれ。紹介したい人がいる。」
「あ、はい。」
「こちら、俳優の○○さんだ。オレの同級生。これから、うちの営業を手伝ってもらおうと
 思っている。いやぁー今の業績は、悪いから、こいつの人脈をなんとか利用しない手は、
 無いなって!」
「あ、君がぁ〜。。。Tです。よろしくね!」

妙に軽々しいノリだった。

「あ、はい。こちらこそ…。」
「それと、もう一人紹介したい人がいる。」
「はぁ〜…」
「女性だ…。」
「いよいよオレにも女でも紹介してくれるんですか?」
「いや…。いいから、夕方からあけといてくれ。」
「はい…。わかりました。」

地方をまわっているうちに展開が変わろうとしていた。
そんな予感がした。

夕方になり、社長と待ち合わせをした。
そして、連れられたある居酒屋に入ると、、、。
白いスーツを着た、細身の女性が現れた。

「こちら…。」

それは見覚えのある姿だった。

「あ、わかりますよ。○○さんですよね?」
「あ、はい。」
「一度、何年か前に駅前のパブで…。」
「はいはい。そうです。なんで覚えているんですか?」
「いや、チークを踊れ!って、ワイワイ騒がれて断ったの…あれ、オレです。」
「あぁ〜。」

この夜、用意された時間がなんだったのか?
すでに私の中では、検討が着いていた。
それは…

つづく

■序章 第1話:2億円の誘惑

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■第2話:決断はスローモーション〜13年間のエピソード1〜

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■第3話:天職の落とし穴〜13年間のエピソード2〜

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■第4話:神戸に消えた3億円〜13年間のエピソード3〜

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■第5話:All or Nothing〜13年間のエピソード4〜

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■第6話:この世の果て〜13年間のエピソード5〜

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■第7話:FINAL COUNT DOWN 12時間〜13年間のエピソード6〜

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■第8話:ピンチを凌いだ者だけが〜13年間のエピソード7〜

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■第9話:世界への扉〜13年間のエピソード8〜

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■第10話:我ニ奇策アリ〜13年間のエピソード9〜

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■第11話:お台場の公約〜13年間のエピソード10〜

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■第12話:幻想と現実〜13年間のエピソー11〜

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■第13話:結束の動機〜13年間のエピソード12〜

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■第14話:体質改善〜13年間のエピソード13〜

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■第15話:期待されてこそ〜13年間のエピソード14〜

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■第16話:月光〜13年間のエピソード15〜

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■第17話:師弟再会〜13年間のエピソード16〜

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■第18話:品川の乱〜13年間のエピソード17〜

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■第19話:あるべき正義〜13年間のエピソード18〜

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■第20話:傷つけしモノ〜13年間のエピソード19〜

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■21話:来る者は拒まず〜13年間のエピソード20〜

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■22話:凱旋〜13年間のエピソード21〜

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★人生の達人をめざして★第22話★

凱旋 〜13年間のエピソード21〜


実質有効求人倍率0.5倍―。
世の景気は、これほどかというほどに冷え込んでいた。
建築業界を中心に信じられないような大企業が倒産していった。
多くの企業は、徹底したダウンサイジングを行い、バブル期に積み上げた
負債からなんとか延命を行う…そんな時代であった。

そこで、私が立ち上げた企画とは、若い素材を受け入れることだった。
これから景気が上昇すれば、間違いなく大手企業に優秀な人材は、持っていかれる。
いや、あらゆる人材が掻っ攫われるであろう。今こそ、この時期であるからこそ、
新たなる力へと繋がる若い世代を高校から募集するということであった。

しかし、ただ漠然と募集をかけても集まりはしない。更には、募集そのものさえ、
結果が出ない可能性もある。そうなれば、組織の活性化どころか、完全に分裂が起きる。
そこで仕掛けたのは、常に反対の急先鋒となるA課長の縁故を辿らせることであった。
つまり、トップダウンの指令には、モチベートされ難いが、自主的な作業からは、
モチベートをつくりやすい。自分の感情の入った企画ならば、気持ちが乗る。
そして、もうひとつは、保険として、私自身の出身高校から最低線の募集は、
確保する体制をつくる。

●新卒高校生の募集
○反対派からの感情移入
○最低線の確保 

私は、早速、母校に飛んだ―。

懐かしい街並み。懐かしい母校。
あの頃の苦しかった思い出ばかりが脳裏をよぎる。
12年ぶりの校庭に足を踏み入れた。
事務室に足を向け、事情を説明。在籍した科の陣容を確認した。
学年主任は、当時、私の担任であった先生だった。

「あ、学年主任が科の教室でお待ちしていますので、どうぞ。」
「はい。ありがとうございます。」

長い廊下を抜けて、別館へ。
思わず階段を駆け上がった。心なしか脈拍が上がっていた。
ドアは、ガラリと開いていた。私は、その前に直立し、教室を覗き込んだ。

「お、来たかぁ〜!」

先生は、なんとも言えない笑みを浮かべていた。それもそのはず。
学生時代の私は、学校側から見れば、なんとも手のつけられない問題児でもあったのだから。
まさかこんな場面で再会するとは、思いもしなかっただろう。

「ご無沙汰しております…。」
「まぁ、上がれよ。コーヒーでも入れるよ。」
「はい。ありがとうございます。」
「後輩達を採用してくれるとは、嬉しいなぁ。」
「はい。こんな時代だからこそ、普通とは逆のことをしなければと思うんです。」
「そうか。お前達の居た頃と違って、学校を取り巻く環境は変わったよ。募集なんて、
 なかなか無いんだよな。まぁ、でもこうしてお前が第1号で、帰って来てくれたことは、
 ほんとに嬉しいよ。」
「あ、そうですか。その節は、ご迷惑をおかけしました。」
「いいんだよ…もう。だって、今こうしてお前は、頑張っているじゃないか。」

時間は、すべてを洗い流してくれる。。。そんなことを感じさせてもらえるやりとりだった。

「じゃ、採用科に電話しておくから、バッチリ売り込んでおいてくれ。」
「はい。ありがとうございます。来年、本格的に動き始めたら、またお世話になりますが、
 よろしくお願いします。では、ボクはここで…。」
「そうか。。。」
「失礼します。」
「おぉ、こちらこそよろしくな。」

教室を出た時、先生の声がこぼれてきた。

「あ、○○ですが。今から、オレの大事な卒業生がそっちに行くから…よろしく頼むな。」

先生と私の間には、確執があった。それは、心の中に深く残る、お互いを否定した歴史でも
あった。しかし……私は、階段を駆け降りながら、止めどなく涙があふれてきた。

故郷との繋がり―。
それが、こんな時に蘇ってくるとは…。
ある意味、この帰郷は、距離感のあった人々との深い関係を辿らせることで、
目の前に迫っていた次なる運命の荒波を知らせようとしていたのかもしれない。

つづく

■序章 第1話:2億円の誘惑

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3140709.html

■第2話:決断はスローモーション〜13年間のエピソード1〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3358487.html

■第3話:天職の落とし穴〜13年間のエピソード2〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3678824.html

■第4話:神戸に消えた3億円〜13年間のエピソード3〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3770491.html

■第5話:All or Nothing〜13年間のエピソード4〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3953827.html

■第6話:この世の果て〜13年間のエピソード5〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4163667.html

■第7話:FINAL COUNT DOWN 12時間〜13年間のエピソード6〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4195608.html

■第8話:ピンチを凌いだ者だけが〜13年間のエピソード7〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4225623.html

■第9話:世界への扉〜13年間のエピソード8〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4487875.html

■第10話:我ニ奇策アリ〜13年間のエピソード9〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4607604.html

■第11話:お台場の公約〜13年間のエピソード10〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4699984.html

■第12話:幻想と現実〜13年間のエピソー11〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4970448.html

■第13話:結束の動機〜13年間のエピソード12〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5195770.html

■第14話:体質改善〜13年間のエピソード13〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5496023.html

■第15話:期待されてこそ〜13年間のエピソード14〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5754433.html

■第16話:月光〜13年間のエピソード15〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/6321978.html

■第17話:師弟再会〜13年間のエピソード16〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/7309340.html

■第18話:品川の乱〜13年間のエピソード17〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/10883170.html

■第19話:あるべき正義〜13年間のエピソード18〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/27266082.html

■第20話:傷つけしモノ〜13年間のエピソード19〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/29589060.html

■21話:来る者は拒まず〜13年間のエピソード20〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/29887477.html
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★人生の達人をめざして★第21話★

〜来る者は拒まず 13年間のエピソード20〜


告訴の準備。それだけでとてつも無い時間がかかる。
会社を辞めた彼(被害者)も何度もネをあげた。

「もう、ボクはいいですから、ここらで終わりにしたいです。」

その言葉は、ある意味、事件への怒りを通り越し、
辞めた会社との関わりを閉ざしたい気持ちからでもあったのだろう。刑事は言った。

「もう、これは君だけの問題じゃないんだ。民事事件ならば、被害者が取り下げて
 示談ということもありうるが、これはレッキとした刑事事件なんだから!」

私も彼を説得した。

この事件の舞台となったクライアントとも何度か連絡を取っていた。
ある意味、身代わりになってもらったという意識もあったのだろう。
全面的な協力も得ていたのだが。

数回目の連絡を行った。すると、、、
「あ、担当の者は、昨日、退職致しましたが…。」
「え!?ほんとうですか?」
「えぇ、もう会社には出社しておりません。」
「常務!常務さんは、いらっしゃいますか!?」
「はい。。。では、お繋ぎします。」

「はい。変わりました。この度は、いろいろとご面倒をおかけいたしまして…。」
「常務!どういうことですか!?」
「えぇ?あ、はい…。」

事情は、複雑であった。ただ、その営業マンは、会社が進めるリストラ
だけでなく、諸々のダウンサイジングに不満があって、自ら退職したということだった。
私は、触発された。偶然にもわが社のすぐそばに住まいを構えていたということもあって、
すぐにでも面会したいという伝言をお願いした。

数時間後、その営業マンは、訪れた。

「まぁまぁ、こちらに…。」

応接室に通して、退職の事情・心根の部分を聞き出すことにした。

「どうしたんですかぁ〜!?いきなり退職なんて、びっくりしましたよぉー。」
「あ、すいませんでした。今のあの会社のやり方というか、以前の勢いがあった頃
 からすれば、全然なんです。」
「でも、こんな大不景気にあって、素晴らしい業績の会社だと思いますよ。」
「それはそうなんですが、もうエネルギーを感じないんです。」
「エネルギーって…?もしかして、夢が…。」
「はい。夢が見れないんです!」
「そうですかぁ〜。じゃ、うちでやってみますか?一応、役員会の承認を取る必要はありますが、
 あなたならば、申し分ないと思います。」
「…その言葉を待ってました。あそこを辞めて、どこに行くのかという部分では、御社しかない。
 いや、あなたと夢に向かって進みたいんです!」

今回の事件の根っ子にあるもの。それらを洗いざらい見る中で、去っていく者がいた。
そして、来る者もいた。会社の中に漂うこれまでの風土を払拭するには、彼のような
年齢・キャリアのある人物が私の片腕として、動き回ってくれるのは、渡りに舟であった。
組織へ新しい風を!それは、新しい人材が吹き込ませてくれる。彼らのモチベーションが
イコール、澱んだ会社の空気を入れ替えてくれるはず。

数日後、彼の入社は決まった。役職は、課長職。私に反発していた他の幹部からすれば、
目障りな存在となるであろう。しかしそれは、組織が必要な免疫のような存在に成り得る。
そんな期待と共に新たな企画も投じた。この新たな血の導入という部分を定期的に行うという。。。
大不況の中、今こそ新たな戦力を確保すべきであった。その企画とは…

つづく

■序章 第1話:2億円の誘惑

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3140709.html

■第2話:決断はスローモーション〜13年間のエピソード1〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3358487.html

■第3話:天職の落とし穴〜13年間のエピソード2〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3678824.html

■第4話:神戸に消えた3億円〜13年間のエピソード3〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3770491.html

■第5話:All or Nothing〜13年間のエピソード4〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/3953827.html

■第6話:この世の果て〜13年間のエピソード5〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4163667.html

■第7話:FINAL COUNT DOWN 12時間〜13年間のエピソード6〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4195608.html

■第8話:ピンチを凌いだ者だけが〜13年間のエピソード7〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4225623.html

■第9話:世界への扉〜13年間のエピソード8〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4487875.html

■第10話:我ニ奇策アリ〜13年間のエピソード9〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4607604.html

■第11話:お台場の公約〜13年間のエピソード10〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4699984.html

■第12話:幻想と現実〜13年間のエピソー11〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/4970448.html

■第13話:結束の動機〜13年間のエピソード12〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5195770.html

■第14話:体質改善〜13年間のエピソード13〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5496023.html

■第15話:期待されてこそ〜13年間のエピソード14〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/5754433.html

■第16話:月光〜13年間のエピソード15〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/6321978.html

■第17話:師弟再会〜13年間のエピソード16〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/7309340.html

■第18話:品川の乱〜13年間のエピソード17〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/10883170.html

■第19話:あるべき正義〜13年間のエピソード18〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/27266082.html

■第20話:傷つけしモノ〜13年間のエピソード19〜

http://blogs.yahoo.co.jp/shinnochan1965/29589060.html

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