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中国政府(共産党)は、「今回の事件で引き起こされる結果」という表現をつかっているが、誰が引き起こすのであろう。共産党が引き起こすのであれば、自分たちで処理できなければいけないので、共産党でない事だけはあきらかである。中国の社会構造から考えられるのは、中国人民か解放軍である。 今回起こった反日デモは、都市部ではなく、地方、特に反日感情の強い四川省に多発している。さらに、それらのデモは、共産党が裏で糸を引いているという話もあったが、共産党の自作自演で有った可能性は高いように感じられる。そう考えると、「今回の事件で問題を引き起こす」のは解放軍である可能性が高いのではないだろうか。 解放軍の事情というのは、なかなか表に出ないので大変わかりにくいのであるが、改革開放政策が進む中でも、海賊版のDVDを製造しているのは、解放軍であるとうような話もあった。本来、共産党と人民解放軍は、同じ組織のはずであるが、解放軍を作り上げた長老たちがいなくなり、世代交代がすすむと別々の組織に変質しているのは間違いない。それは、清朝末期李鴻章が作り上げた北洋軍が軍閥化していく様子を想像させる。 尖閣諸島問題で日中両国が緊張している時期の10月15日から18日に、中共十七届五中全会が行われ、習近平氏が中央軍事委員会副主席となった。会議の前には、「党内部の情報では、習氏が軍事委員会副主席の就任の可能性はない。」と見られていたのにである。それまで、中央軍事委(主席は胡錦濤国家主席)の副主席は軍人2人で、陸軍出身の郭伯雄副主席が筆頭副主席だった。そこへ、筆頭副主席として習近平氏を割り込ませたのは、胡錦濤国家主席一人では、解放軍を制御できない事態に陥りつつあった事が十分に考えられる。 10月3日イザに「中国政府が今年初めから、沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を台湾やチベットなどと同列の「国家の核心的利益」として位置づけたとの観測が強まっている。」とのニュースが流れた。このニュースに、戦争になるかもしれないと背筋が寒くなった。 中国が「核心利益」と言う場合、それは、国家の最も基礎的な問題であるという認識を示し、絶対に譲歩できないという条件が付く。百度では、このように説明されている。 第一,基礎制度の維持と国家安全。 第二,国家主権と領土完成。 例えば台湾問題。 第三,経済社会の維持と継続的安定発展。 最近、よく共産党関係者が「'046;土完整(領土完成)」という言葉を使うが、これまでの台湾、チベット、新疆ウイグル自治区に加えて、南シナ海や尖閣諸島が含まれているという事を意味するようになっているようである。 中国はこうした変化を無理矢理歴史問題にすり替えて、批判をかわそうとするが、実際のところ中国は今のどから手が出るほど石油がほしいという事情をだれも報道しない。2008年私がまだ中国にいる頃、大きな政策の転換が行われた輸出主導の政策から内需拡大の政策に転換されたのである。なぜそのような大きな政策転換が必要であったのか。輸出で国内の原材料が海外に流出し、国内の物価が急速に上がり始めたからである。それまでの中国は、食料やエネルギーはすべて国内でまかなわれ、自給率は100%に近かった。しかし、国内の経済が発展してくると、だんだんと物が不足し始める。輸出どころか輸入しないと物資が足りなくなり始めたのである。それは、中国の致命傷がだんだんと大きくなりつつあることを意味する。 これまでの中国経済は、人件費の安さ、物価の安さで、輸出を伸ばし発展してきた。いまだにそれ以外の経済的な優位性というのは、考えられない。日本と比べると労働賃金が10分の1というのは、日本が如何に技術で対抗しようとしても対抗できるわけがない。これまでの台湾人の経営者たちや国内の中国人経営者たちは、生産機械に投資をほとんどしなかった。高い機械を買ってリスクを持つより、人を雇う方が安上がりで、いつでも解雇できるという柔軟性があったからである。まだまだ、中国の人件費や物価は、日本と比べると安いので、すぐに変化が現れるわけではないであろうが、中国が物資やエネルギーを輸入し始めれば急激な物価上昇はさけられないであろう。 この記事が、中国にとって、どれだけ重大な事かは、青森県エネルギー問題懇談会のホームページをみていただければ、すぐに察しがつくはずである。石炭で、車や飛行機は動かない。 これまでの中国は、国内の安い石炭やわずかな石油でやりくりしていたが、車社会に変貌すると一気に石油の需要が伸び出し、輸入しなければやっていけない状況がもうすぐそこまで来ているのである。まして解放軍は、石油なしでは演習もままならない事態に陥るであろう。 日本では、尖閣諸島の問題で船長を釈放した事を非難する人が多いが、私は良かったと思っている。今は耐える時期ではなかろうか。今中国経済は一番強い時期であると私には思えるからである。今後、中国がこのまま簡単に衰退するとも思えないが、現在より中国が経済的に発展していくかどうかは、大いに疑問である。中国が石油や物資を輸入し始めれば、世界の物価も上昇を始めるであろうし、日本のように物価が元々高い国より、中国のような物価が異常に安かった国家の方が、その打撃は大きいであろう。物価の上昇を受け入れるためには、中国人民の給与を引き上げなければならない。しかし、人口の多い中国にとってそれは大変リスクがある。一人毎月100元(1000円程度)引き上げたとしても全体で、毎月1300億元必要になるのである。もう数十年すれば、老齢化の問題でも中国は、日本を追い抜きトップに躍り出る。 日本がアメリカやロシア、中国と対当に話をすべきであるという人の声を聞く度、日清、日露戦争もこうやって突き進んで戦争になったんだろうなと不安に感じる。日本は小国ではない、大国である。それは、経済力、人口を世界と比較しても間違いない。しかし、アメリカ、中国、ロシアが超大国であるという事実を忘れてはならないであろう。徳川家康が、信長や秀吉に逆らわず最後に政権をとったのは、決して偶然ではなかったと思う。一億総玉砕などという勇ましい話で、突き進んでほしくはない。 |
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何度か中国人と議論しましたが、かみ合わない事ばかりでした。普通の中国人は共産党のフィルターを通した情報しかありませんし、インターネットの情報も信頼できるとは言えません。では日本のマスコミは真実を伝えているかと言えば、これも大いに疑問です。中国に媚びる必要はないと思いますが、熱くならないことが重要だと思います。日本の反中デモには危惧を感じています。
2010/11/14(日) 午後 9:58 [ SHANSHAN ]
私は、日本企業が今後中国に対するカントリーリスクをどう考えていくのか、気になります。
2010/11/14(日) 午後 10:45