元・天津駐在員が送るエッセイ

中国と日本、それをつなぐ言語について、一緒に考えましょう。

中国語

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影の告別

人睡到不知道時候的時候


魯迅の「影的告別」の書き出しです。

中国人は、この一文をどのように感じるのでしょう。

私は、大変不思議な感じがします。「時候」という文字は「〜の時」という使い方をしますが、この分は2度並べて使ってあり、不必要な感じもしますが、読む人に混乱を与えると共に、何かなぞめいた印象を受けます。そして更に、人々が眠りについた後の静寂の世界を強調して私たちの脳裏に映し出してくれます。

「人々が眠りに着いて意識がなくなった、その頃」と日本語では訳すとこの感じがでるのでしょうか。
でもちょっと違うんですね。これでは、その静けさの深さが伝わらない。この強烈な印象が表現できていない。

このように、文字である感覚を表現しているようなケースは、その言語独特の言い回し、思想のようなものが大変強烈に反映されており、それを他の言語で表現することは、不可能のように思われます。その文化的な背景の経験が必要な気がします。それは、知識としてではなくです。

このような文に出逢った時、外国語を(私の場合中国語ですが)を理解できる喜びを感じます。
外国語を勉強するというのは、就職に有利であるとか、外国に行ったときに便利であるとか言う実利的な事実以上に、私たちに別の世界を見せてくれるという素晴らしい恩恵があります。



国罵(Guo ma)

外人が知らない中国語とう記事に、 qisensunさんから、国罵という言葉をコメントで教えて頂きました。

辞書には載ってないのですが、百度百科には、載ってましたので、ご紹介します。
中国では、よく耳にする「他ma的」(以後、TMDで表記)ですが、単純に日本語の「てめ〜」「きさまあ〜」などの言葉のように語気を強める働きをしているのだと思っておりましたが、他にもいろいろな意味に使われているようで、かなり意外でした。

もともと、国罵の起源は、《戦国策.趙策》の《秦wei趙之邯鄲》の一文にまでさかのぼるそうです。
※趙は戦国時代に存在した国(紀元前403年 - 紀元前228年)

そこに、「而母婢也!」という言葉が載っている。
現在の意味に訳すと「貴方のお母さんは賤人」「貴方のお母さんは、下等人」という意味になるようです。

日本人がよくいう「おまえの母ちゃん、デベソ!」とう感じでしょうか。


その当時、王室の一員である母親を下等人など罵られる事は、許せない行為です。
しかし、当時の民間では、確かに母親というのは、下等人だったので、この言葉は民間では意味をなしません。
ですので、この言葉が民間で使われるようになった際には、「尓母婢也」が、「尓母X也」に変化します。
※「x」が何を意味するのかわかりません。
その語法も、元々の「Ni ma 是..」が、「Ni ma 的..」に変わります。
この変化と共に、その言葉の威力は強くなってきました。
長い間使われる間に、さらに変化し、最後の名詞の省略、二人称が三人称にかわり、現在の国罵へと変化を遂げたのです。


魯迅先生の文章に「論、TMD」というのがあります。

魯迅先生が、このTMDを国罵と呼びました。


TMDには、こんな意味も有ったようです。
息子がお父さんに料理をさして、こう言います。
這不坏,TMD Ni changchang。(この料理まだ食えるよ。食べなよ。)
お父さんは、答えて曰く
「我不吃,TMD Ni 吃去 ba!」(俺はいいよ。おまえ食べろよ。)
この会話のTMDは、我的親愛的(愛しい人・大切な人)という意味だそうです。
しかしながら、それは、前世紀20ー30年代の事です。


最近は、また、別の意味に使われるようになってきました。
例えば

「這箱子真TMD重」(この箱、めっちゃ重い)
「這題目真TMD難做」(この課題、むっちゃ難しい)
といった場合、
大変、非常にという意味に使われます。
「我TMD不要了」(俺要らない)
「Ni TMD給我滾」(出て行け)
この場合は、古漢文の「之」に当たり、助詞で、主語と述語の間に置き、文の独立性を無くし、その意味はありません。
文字は違いますが、同じような使い方をします。いいかげんな言葉は、いいかげんな意味で説明するしかありません。

また、最近は、新しい書き方が現れてきました。ネット上で見かける「TMD」です。
こんな言葉までが、ローマ字で書かれてネット上にながれ世界に影響を与えるようになるのかもしれません。




奴隷が増える中国

2007年8月16日中国の教育部と国家語言文字工作委員会が「2006年中国語年間新語選定」<原文「2006年漢語新詞語選目」>を発表したそうです。この数年間に中国国内で流行した新しい造語の中から国家が“新語”として選定した合計171個の新語を紹介したものです。

そのかなで特に「奴」(奴隷)という漢字を使った言葉が増えている。


白奴 ホワイトカラーで、何らかの奴隷状態になっている人達。
房奴 ローンの奴隷。
車奴 車のローン、維持費の奴隷。
節奴 春節などの重要な祝日の消費や交際のための金銭的奴隷。
壟奴 臨時工や契約工。頑張って働いてもその賃金は少なく奴隷のように働き続ける。
墓奴 墓地の価格高騰により、墓地購入で苦しむ奴隷。
証奴 所謂、資格マニア。


以前房奴という新聞記事``をご紹介しましたが、社会的に恐ろしいと思えるのが、住宅を購入した人の91.1%が住宅ローンを利用しており、そのうちの31.75%の人が収入の50%以上をローンの返済に充てているそうです。一般的には、ローン返済額が月収の3分の1に相当するのは警戒ラインであるのに、中国では約3割の人の返済額が収入の半分に達するという事実。これから、物価の上昇とともに、金利を引き上げる事になれば、アジア版サブプライムローンが起こるかもしれません。

さらに、自動車ローンも、ローンの残額が1800億元(約2兆7000億円)に達しおり、このうち945億元(約1兆4175億円)の個人向け自動車ローンが回収不能となり、不良債権率は何と50%を超えたそうです。

国営企業が破綻して、市場経済が導入されましたが、その切り札の市場経済も危ないかもしれません。
どうなる事やら....

運命の本

「なんで、中国語を勉強ようとおもったんですか?」

って、以前は聞かれることが、たびたびありました。

私が中国語を勉強しだした頃は、まだ、中国との仕事もそんなに多くなく、そんなときに中国語を勉強しだしたのが、みなさん不思議だったようです。

私が働きだしてからは、不景気の時の中国関連と言われるくらい、不景気でも中国関連だけは、強気な時代だったので、よほど私に経済的な先見の明があると思われた方も多かったのではないかと想像します。

しかし、現実には、そんなに神秘的で、カッコの良い物ではなく、本当は英語を勉強したかったのですが、英語は、競争が激しそうなので、なにか他にないかな〜〜〜っと悩んでいたときに、何故か中国語に
気がいっただけの話で、その時は、なんで中国語を自分が選んだのか、自分でもはっきりと自覚できて
いませんでした。

しかし、中国語を選択するにあたり、全く迷いがなかったのも事実で、中国語を選択してからは、全く英語の事は、気にならなくなりました。それほど、中国語に、私の心のどこかで惹かれる物があったのは、事実です。



最近年を取ってから、気づいたのですが、私は、少しぶっきらぼうな人間のようです。
本人には、あまり自覚がないのですが...

どんなにえらい人でも、先生などと呼ぶのは、きらいなたちで、偉そうな態度の人をみていると、「社会的には偉くて、お金持ちかもしれないけど、私個人がその人に一片の世話になっている訳でもないのだから別に対等でいいだろう」と思ってしまいます。

しかし、吉川幸次郎という京大の先生だけは、なんの躊躇もなく先生付けで呼べるのが自分でも不思議です。その先生という意味は、別に大学の先生という意味ではなく、本当に偉い人という意味で、素直に先生をつける事ができます。



私が中国語を勉強し、就職し、中国に行き始めてから、15年くらいたった時に、実家を整理しなくてはならなくなり、必要のないものを捨てるべく、片付けていた時でした。

吉川幸次郎先生の『論語について』
という文庫本がでてきたのです。
その時、私の脳の中のシナプスが、小さい音を立てて、破裂したような気がしました。

これだ!


その時、私が中国語を無意識に選択した理由をはっきりと自覚できたのです。

その本は、私が中学生の時に、本屋で買って読んだ、薄っぺらい文庫本でした。
その時、中学生の頃の夏の匂いと共に、新しい思想に包まれるかのような新鮮な刺激と
大変大きな衝撃を受けたのを、その時思い出しました。

その時の感動は、6年間私の中に眠り続け、私に中国語を無意識のうちに選択させたのでした。

中国語の方言

盆休みで、帰国しておりましたので、しばらく発信ができておりませんでした。m(_ _)m


中国語の方言は、その土地土地でいろいろな言葉があると書いたことがありましたが、

学術的には、「七大方言」説

というのがあるそうです。

北方方言

東北、華北、西南、江わい地方で、使われ、漢民族の73%が使用

呉方言

上海、せっ江省、江蘇省南部、安き省、江西省、


湘方言

湖南省、広東省、広西チワン族自治区北部、四川省の一部、漢民族の5%程度。
毛沢東は、湖南出身。


イメージ 1方言
江西省中部、北部、湖南省東南部、福建省西北部安き省、及び湖北省の一部

イメージ 2方言
福建省、広東省北部、西南部、南海省、台湾、シンガポール、マレーシアの華僑


客家方言

広東東部から福建西部、江西南部の山岳部

※ 客家(ハッカ)
  唐から宋の頃に華北から中国南部に移住してきた人々の子孫
  華僑の3分の1は、客家人といわれる。また、優秀な人も多く、
  太平天国の洪秀全、辛亥革命の孫文、その婦人の宋慶齢、蒋介石夫人の宋美齢、
  解放軍初代元帥の朱徳、トウ小平、台湾の李登輝も客家人であった。

イメージ 3方言(広東語)
広東省、香港、

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