白野慎也のフィリピン・サリサリ・トーク

『旅の指さし会話帳』の著者、白野慎也がフィリピンの庶民生活への理解の深まる情報をお届けします。コメント大歓迎。投票もよろしく。

フィリピン語文法

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 フィリピン語に彩りを添え、無くてはならないものであるにもかかわらず、分かりにくい言葉はたくさんある。そのひとつの典型が、小辞などと呼ばれる細かいニュアンスを表す言葉で、前回namanを取り上げたことを覚えている方もおられると思う。
 今日もその小辞の代表lang=lamangを取り上げてみよう。
「〜だけ」というのが最も基本的な意味だが、これだけでは足りない。lang=「ダケ」と覚えているフィリピーナが「ジョウダンダケ」なんていう変な日本語をよく口にするのを覚えている方のいるのではないだろうか? その発想はよく分かる。フィリピン語"Joke lang."(ジョーク ラン:ほんの冗談よ)を一つ一つ日本語に置き換えてつなげると、「ジョウダンダケ」ということになるわけである。

 話を元に戻して、フィリピン語をきちんと学ぼうとする人が覚えておくべき基本的意味を一通り抑えておきたい。かの私が愛用する比英辞書にもlang=lamang:onlyとしか説明がでていなかったのは、まったく説明不足でちょっとショック。遺憾です。


1.(ほんの)〜だけ。langのもっとも基本的な意味。

例)Sino ang mahal mo? Ikaw lang. (スィーノ アン マハル モ。イカウ ラン:誰を愛してるの? 君だけだよ)

Anong bibilhin mo? Ito lang.(アノン ビビルヒン モ。イト ラン:何を買うの? これだけだよ)

Joke lang iyon.(ジョーク ラン イヨン:それはほんの冗談よ)

2.限定・特定する用法:まさに、まさしく

例)Sino ang magdadala ng mabigat na maleta. Ikaw na lang.(スィーノ マグダダラ ナン マビガットゥ ナ マレータ:誰が、思いスーツケースを運ぶんだい? お前だよ。)
*このna langは、ほかならぬ〜がという形で限定する用法。上記の例は誰もが嫌がることを人に押し付けるような例だが、何かを自ら進んでやるような場合では"Ako na lang."(私がやるわ/私にして)などの用例も考えられる。

Anong oorderin ninyo? Isang Tapsilog na lang sa akin.(アノン オオルデリン ニニョ。イサン タプシロッグ ナ ラン サ アーキン:ご注文は何になさいますか? 私にはタプシロッグをひとつ頼む)
 このna langでも、langはnaとコンビで使われて「まさしく」という意味を表している。

Dito na lang.(ディート ナ ラン:ここでお願いします)
これは、タクシーやトライシクルで降りる時の定番フレーズ。他のどこでもなく、「しっかりここで」、「まさしくここで」というニュアンスを表している。

3.限定:しっかりと、ぬかりなく
例)Dahan-dahan lang.(ダーハン ダーハン ラン:ゆっくりとね)
この用例では、langは「ゆっくり」という行為を「しっかり、抜かりなく」行うようにというメッセージを発している。

4.ひたすら(ひとつのことに没頭する様子を表す)
例)Kain ka lang ha!(カーイン カ ラン ハ:よく食べてね。余分なこと考えないでひたすら食べてね)
客に食事を振る舞う時に、遠慮しないで食べてもらうようにしばしば使うフレーズだ。

5.〜してはじめて:時を表す副詞といっしょに使ってこういう意味になる。これもフィリピン人がよく誤用する。
例)Ngayon ko lang nalaman ang katotohanan.(ガヨン コ ラン ナラマン カトトハナン:私は今はじめて真実を知った)
ngayon(今)+langで、「今だけ」ではなく、「今はじめて」の意味になる。nalamanはmalaman(知るの完了時制)、katotohananは真実の意味。

Kahapon ko lang napansin ang relasyon nila.(カハーポン コ ラン ナパンスィン アン レラション ニラ:昨日初めて、私は彼らの関係を知った)
kahapon(昨日)+langで、「昨日だけ」ではなく、「昨日初めて」の意味になる。napansinはmapansin(気づく)の完了時制。relasyonは「関係」、狭義では「男女の恋愛関係」を意味する。nilaは「彼らの」

 ざっと、身近で触れてきたはずのlangという言葉を文法・意味からちょっと整理しなおしてみた。みなさんのこの言葉の理解の深まり、さらに小辞と言うニュアンスを表す言葉の大事さに開眼していただければ幸いだ。では次回までさようなら。

閉じる コメント(27)

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そうですね。langの説明なんて、本当にそっけないですよね。実際の会話では本当に大事なスパイスなのに。私も来月お目にかかるのを楽しみにしております。以前のコメントにも書いたのですが、OPMも行きますか?

2006/1/30(月) 午前 1:49 [ jessie ]

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参考までにLamangはLangと同じ意味です。そこで緊急クイズ・カ・ナ・バ?次の文を訳してください。Ang pintong ito ay bubukas lamang sa tamang sakayan at babaan.(ヒント)バスの扉の内側に貼り紙してありました。

2006/1/30(月) 午後 0:55 [ Oragon ]

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「This door will open right at (または only at) a bus stop. このドアはバス停でのみ(バス停に着いたら)開きます。」かな?

2006/1/30(月) 午後 1:32 [ Mint Car ]

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jackieさん、ありがとうございます。もう数時間様子を見てみましょうね。でも、私はこんな表示はみたことがないのですが、今はこんな表示があるんですか?

2006/1/30(月) 午後 1:47 [ jessie ]

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「この扉はバス停で降りる時だけ開きます」かなぁ・・・?よく日本の中古バスを改造したものに自動扉って反対向きに書いてあるの見ますが、これはまだ見たことがありません。

2006/1/30(月) 午後 2:30 [ BabyShun ]

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むむっ、結構いろいろな回答が出るものですね。さすがbaby shunさん、イマジなーション豊かな回答ですね。私はもっとシンプルな回答だと思うのですが・・・もう少し他の方の回答を待ってみましょう。

2006/1/30(月) 午後 2:47 [ jessie ]

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気づいたのは1〜2ヶ月前ですね。後は広告とかも、なかなか勉強になりますよ。これからできるだけ収集しておきます。

2006/1/30(月) 午後 2:48 [ Oragon ]

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こんなところでも日本はフィリピンにすごく貢献してますよ。かなりの確立で改造した日本の中古バスに乗れます。日本語の表示がなくても、フロアシフトのレバーが床の右の方からぐーっと長く出ているのは間違いなく元日本のバスですね。客席の所にある停止ボタンとかもあったりして、つい押したくなります。

2006/1/30(月) 午後 2:55 [ Oragon ]

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向こうのローカルなバスには日本のようなきちんとしたバス停がないことがありますから、どちらかというとバス停ではなく「昇降場所」=乗り降りする時、とした方がいいのかも?

2006/1/30(月) 午後 2:55 [ Mint Car ]

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私、マニラで初台行きのバスを見ましたよ!あー、あれに乗ったら日本までいくのかしらん?とか思って可笑しかった。あの残っている停止ボタンはついつい押したくなってしまいます。(笑)

2006/1/30(月) 午後 2:58 [ Mint Car ]

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jackieさん、そうだったんですか? 最近のフィリピンて表面は便利で整然とした社会という方向に変わって着てるんだなという感じですね。そうですよね。バスは75%は日本から渡ってきたものではないでしょうか? 昨年渡比した時も、今から35年ほど前、わたしが小学生時代に乗っていたバスそのものに乗れる機会がありましたから。ちょっと感激しました。

2006/1/30(月) 午後 3:02 [ jessie ]

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Mint Carさん、そうですよね。私はならないことが分かってるから押してしまいましたよ。なりませんでしたが、懐かしさがこみ上げてきましたね。自分が少年時代に乗った路線そのものだから余計にですね。

2006/1/30(月) 午後 3:05 [ jessie ]

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というわけで私の回答は、「この扉は、所定の乗降場所でのみ開きます」ですが、jakcie教授、いかがでしょうか?

2006/1/30(月) 午後 3:08 [ jessie ]

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皆さん正解です。ポイントはありませんが、知識が増えるということで我慢してください。マニラ市内の渋滞を解消する一環として、バスが所定の乗り降りする場所「sakay(乗る)+an(場所を示す)=Sakayan(サカイヤン=乗車場),babaan(ババアン=降車場)」バス停以外で扉を開けるな。つまり、乗り降りさせるために停めてはならないという交通ルールを守りますよという張り紙なのですが、開きっぱなしということが多いです。でも捕まると罰金が数千ペソということらしく、バス停でしか停まらなくなりました。

2006/1/30(月) 午後 3:37 [ Oragon ]

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『ワンポイント・レッスン』●●行きのバスの乗り場はどこですか?はNasaan ba ang sakayang para ●●?(ナサアン・バ・アン(グ)・サカイヤン(グ)・パラ・●●)

2006/1/30(月) 午後 3:41 [ Oragon ]

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なるほど。フィリピン実生活編よいですね♪バス・ターミナル以外では結構適当に乗降してますよね、実際には。冷房のないバスでは喫煙してる人もいるし。他の車に乗ってるとターミナル周辺のバス渋滞にはうんざりします。日本のようにバス・レーンなんて出来ないのかしらん!

2006/1/30(月) 午後 3:56 [ BabyShun ]

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よかった。正解で。もし間違えたら、私はこのサイトの運営権とフィリピン・カルチャー・ウォッチャーの称号をjackieさんにお譲りしようかと思ってました(笑)。それにしてもマニラの交通規制はきびしくなったと昨年の渡航でも実感しました。バスがバス停で止まるって日本人には当たり前のことなんですが、フィリピンでもそうなって行くんですね。なんかフィリピンらしさがひとつ消えてしまうというのはさびしい気もしますね。

2006/1/30(月) 午後 4:37 [ jessie ]

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jackieさん、ありがとうございました。その他の表現としては、Nasaan ang sakayan ng bus papuntang/papunta sa/patungong/patungo sa 〜?もよく使いますね。busのところの乗り物名を入れ替えれば、「〜行きの船乗り場」、「〜行きのFX乗り場」、「〜いきのトライシクル乗り場」など、さらに応用範囲が広がっていきますね。

2006/1/30(月) 午後 4:44 [ jessie ]

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白野さんの表現が正しいです。私も指差しでその表現を憶え、飛行機のチケットを買うときに「papuntang 〜」と言ったら、「あなたのタガログ語はすばらしい」とほめていただきました。補足ですが、para 〜は英語のfor 〜の言い方の借用ではないかと推測しています。止まるのparaとは違ってアクセントの位置が後ろに来ますので要注意です。

2006/1/30(月) 午後 5:08 [ Oragon ]

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>para 〜は英語のfor 〜の言い方の借用ではないかと推測しています。まさにその通りではないでしょうか? ただ、アクセントはpara(パーラ)で前のpaの音節にあって、伸びる音だと思います。

2006/1/30(月) 午後 5:17 [ jessie ]


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