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先日、しばらくぶりに日比カップルの子供の誕生パーティーに呼ばれて参加した。スバゲティー、パンシットゥ、カレカレ、シニガン・ナ・ヒーポン、フルーツ・サラダ、フライド・チキン、ムンゴ、ビーフカルデレータ、などなど、祝いの食卓は、豪華で華やいだ、お馴染みのフィリピン料理で彩られていて、見ているだけでも楽しかったが、下のほうでもしばらくぶりにフィリピン料理を満喫した。
誕生日はいいが・・・私はまた、このファミリーの、普段の食生活が気になって、当の小学校5年生になる誕生日の男の子本人に話を聞いてみた。
「今日は、たくさん種類があって豪華な食事だね。いつも1日3回食事してるの? ママはいつもちゃんとおいしいご飯作ってくれる?・・・」
など、矢継ぎ早に質問した。
「ママは朝寝坊することが多いから、そんな時はパンだけ食べて学校にいくか、時間がないと何にも食べないで学校いくこともあるよ。でも朝何にも食べないと、お昼にお腹がすいてるから、学校の給食がいつもよりおいしく感じるんだ」
それはよかった、なんていってられない。子供に朝食を食べさせないで学校に送り出すのは問題だ・・・などと考えながら、さらに聞いてみた。
「土曜日とか、日曜日とか学校のない日はママはどんなものを作ってくれるの? やっぱりフィリピン料理とか、カレーとか、ハンバーグとか?」
「作ってくれる時もあるけど、ままは面倒くさがりやだから、カップラーメンとか、できあがってて温めるだけで食べられるカレーとか、そんなのが多いよ。この前の日曜日は1日3回、カップヌードルのシーフード味で、僕もう飽きちゃったよ。でもママがあれ大好きで。パパの方が仕事が忙しくない時なんか、よく作ってくれたりするよ」
「ああ、そうなんだ。いいおとうさんだねえ」
おやおや、ひどいおかあさんだなあ、こんな食生活じゃ、子供たちの健康を心配だなあ、と思いながらもそんなことは言えないので苦し紛れにお父さんをほめたわけだ。
そんな気持ちを知ってか知らずか、その男の子は話を続けた。
「お父さんは怖いけど、いろいろ勉強教えてくれるんだ。っていうか無理やり教えられてるっていう感じだけど。ママが『ドアをオープンして』とか『子供に悪いのことばは教えないで』とか変な日本語を使うと教えてあげてるよ。それから、僕は国語と算数が苦手なんだけど、宿題が分からないと、ママも算数がぜんぜんできないから、パパが帰ってくるまで待ってて、パパに教わるんだ。パパは遅く帰って来てもちゃんと教えてくれるよ。ママには内緒なんだけど、ママは足し算も引き算もよく間違えるし、そうだよ、掛け算も割り算もダメかなあ・・・でもパパが僕たちが9時に寝る前に帰ってこない時は、わからないところはやらないんだ。しかたないもんね」
話をしているところに、小学校2年になる次女が
「お兄ちゃん、お誕生日おめでとう」
と言いながら、男の子に後ろから抱きついてきた。
「やめろよ」
と言いながら、男の子は女の子を振り払って、頭をポンと叩いた。かなり強く叩いて、いい音がしたので、女の子が泣き出すかなあ、と思って見ていたら次女の女の子は、顔をしかめて
「お兄ちゃん、痛いよう。痛いくしないで」
と変な日本語を使っている。
「こらこら、お兄ちゃんの誕生日なんだからけんかするんじゃないよ。それから正しい日本語は『痛いくしないで』じゃなくて、『痛くしないで』だよ」
とお父さんが登場がてら、子供たちをしかって、次女に日本語指導している。
「ご飯召し上がってますか?」
と、一見してまじめなサラリーマン風のお父さんは、来客への心遣いも忘れない。
「それにしても豪華でバラエティに富んだ料理ですねえ。楽しませていただいてますよ。奥様は、今日はお料理の準備で大変だったでしょうねえ」
と、ちょっとフィリピン人奥さんを持ち上げた。帰ってきた日本人夫の答えは意外な(予想通りの)ものだった。
「うちのやつは料理はほとんどできないから、フィリピン人の友だちが朝からいろいろ料理を持って来てくれたり、手伝ってくれたんですよ。私も今日は会社を休んで、手伝いでした。料理は毎日のようにやってますし、もともと好きだからぜんぜん苦にならないんですけどね」
「それはご苦労様でした」
心から出てきた言葉を私が口にすると、その旦那さんと私は顔を見合わせて苦笑し合った。
「食事も準備だけじゃなくて、お子さんの勉強の面倒も見て、お仕事以外にもお忙しいですねえ」
同情交じりの言葉が思わず私の口から出てしまった。
そのいかにも人のよさそうな日本人の旦那さんは、また苦笑しながら
「本当に大変だと思うこともありますねえ。でも今はその大変を楽しんでますよ」
『大変を楽しむ』という境地。そこに達するまでにはそれなりにきっと本当に大変な道のりだったのだろう。
食事だって、フィリピン人の奥さんに任せきりなら、毎朝朝食抜き、毎食シーフードヌードルになってしまうかもしれない。子供が成人病になるか、栄養失調になる日も遠くない。また、次女のように日本語もかなり壊れた日本語が染み付いてしまうかもしれない。
フィリピン妻を持った場合、日比ファミリーでは、食生活でも、算数・国語を始め、子供の教育でも、日本人のお父さんの果たす役割は重大だなあ、ということも否が応にも再認識させられたあるパーティの1日だった。
私自身、自分の問題として結婚を考えているこのごろ、その思いはより切実だった。
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はじめまして。私も比の妻がいるのですが、まったく同じです。 まだ、「大変を楽しむ」境地には達しておらず、毎日怒っていて、「おこりんぼパパ」と呼ばれています。 とても文章が読みやすく、目に浮かびます。これからも楽しみにしています。
2006/2/4(土) 午前 9:53 [ おこりんぼ ]
食に関しては後進国ですね。朝食抜いたりpandesalかじって終わりとか。客人やパーティー以外では一汁一菜ってことも多いのでは。そのくせ間食が多いときてる!日本の定食や弁当が多種盛り合わせなのに驚きますね。我家では健康維持のため、もっぱら食当は私です。記憶力や頭良いと思うのにおしなべて算数が苦手。暗算なんて誤算だらけです!
2006/2/4(土) 午前 11:22 [ BabyShun ]
おこりんぼさん、はじめまして。コメントありがとうございます。私は今日一日外出で、朝一番の朦朧とした頭で、書いたものなので、どんなものかと思いましたが、楽しんでいただけて幸いです。これからもちょくちょくご訪問下さい。
2006/2/4(土) 午後 10:45 [ jessie ]
baby shunさん、やはりそうでしたか? 私もbaby shunさんの几帳面なご性格ゆえ、食事当番はご自身でなさっているとほぼ確信しておりました。算数もものすごく苦手ですよね。物凄い高学歴で弁も立つ人たちが、なんで・・・と言うくらい計算ができませんね。でも時々家計をフィリピン人の奥さんに任せているご家族もあるみたいです。ちなみのその奥様は、数字をお金に置き換えると、急に計算間違いが減ると言うから不思議というか、納得と言うか、何とも言えませんね。
2006/2/4(土) 午後 10:50 [ jessie ]
おこりんぼさん、それからもうひとつ。私がフィリピンで1人で、ボランティアをしながら暮らした経験から言わせていただくと、もうフィリピン人との暮らしは、約束破り、ハプニングの連続で、プランニング力よりも、トラブルが起きた時にどう対処するかの方が、大事だと思いました。だから、私は『短気は損気』、『頭にきたら、意識して笑う』を心がけて、心の健康を何とか保ってきました。
2006/2/4(土) 午後 10:54 [ jessie ]
おはようございます。以前に離婚直後のピーナに、同じような傾向を見て意見した事があります。一食につき千円渡し、「好きな食べ物買ってきなさい」なんてやってるものですから、おいらが「君は今辛いだろうけど、いつかはまた、幸せが来るだろう。でも子供はその時が一生を左右する事になるかもしれない」と。それからは徐々に食事を作り出し、今はきちっと三食作って食べさせてあげてるみたいですけど・・・。
2006/2/5(日) 午前 7:51 [ しんたろう ]
なるほど、そうですか? 子供のためにいいアドバイスをされたんですね。『子供に好きなものを食べなさい』なんていうことやっていたら危険ですよね。毎日アイスクリームだけとか、カップヌードルだけとか、考えただけでぞっとしますね。そして『離婚』という現実もまた多くの日本人が認識していない社会問題ですね。いつかここでも取り上げてみたいですね。ありがとうございました。
2006/2/5(日) 午前 8:09 [ jessie ]
昨日、日比カップルの第1子洗礼式に行って来ました。牧師以外はフィリピン人ばかり150人ほど。久し振りに大勢のフィリピン人と遭遇したって感じです。この地区はフィリピン人健在なんですね。当然ミサも英語とタガログ語でなぜか洗礼式だけ日本語でした。子供の名前は日本名でクリスチャン・ネームだけフィリピン。微笑ましい一幕でした。
2006/2/6(月) 午前 8:03 [ BabyShun ]
両親兄弟とも来日しておりお母様が朝から作ったフィリピン料理三昧のパーティー。そこで少し驚いたのは旦那様は日本語だけしか話さないんですね。タガログどころか英語も話さない。奥様以外には何を言ってるのか解らないのですがお構いなしに「ここ日本だから」って、そしてフィリピン料理って美味しいもんじゃないな!ってスパゲッティしか食べない。それぞれの家族のあり方があるのでしょうが、ちょっぴり淋しくなってしまいました。
2006/2/6(月) 午前 8:10 [ BabyShun ]
baby shunさん、ご参加された洗礼式。日比折衷がおかしくもほほえましくもありますね。でもよくもまあフィリピン人が150人も集まったものですね。日本人との付き合いはほとんどないフィリピン人の方々なのでしょうか?
2006/2/6(月) 午前 9:32 [ jessie ]
なるほど、その旦那さん。心が完全に日本の中に埋没してしまっているタイプの方ですね。いろいろなタイプのご夫婦がありますからそれもいいのですが、相手も家族の背景や生い立ちなど、ほとんど意に介さないのは、やはり残念なことだし、この旦那さんは奥さんは愛しているかもしれませんが、フィリピンのことは愛していない感じですね。
2006/2/6(月) 午前 9:38 [ jessie ]
奥さんの育った背景に興味がないと言うのは、夫婦生活のスムーズな運営(?)に支障をきたすかもしれませんね。少なくとも奥様は「うちの旦那は、フィリピンやフィリピン人に興味がない・理解がない」と不満やストレスを溜め込んでいるような気がします。
2006/2/6(月) 午前 9:38 [ jessie ]
その教会は神奈川県F市なのですが、立派なフィリピン・コミュニティーが出来上がっているように感じました。中庭にはKIOSKやテレカ売り等もいて懐かしかったですよ。揚げたてのフィッシュ・ボールが美味しかったです。聖歌隊もフィリピン人だけ。数年前はどこにでもあった光景なんですけれどね・・・。
2006/2/6(月) 午前 9:40 [ BabyShun ]
そうですか? その方々が日本のコミュニティの中にも溶け込んでいるといいのですが。フィリピン人ファミリーはとかく交流範囲がフィリピン人コミュニティーに限られがちで、健全に日本人社会に参加していない場合も多いんですね。日本人の旦那さんの無関心など、日本人側の受け入れようとする努力がもっとあってほしいと思います。身近なことからの国際化ですから。
2006/2/6(月) 午前 9:45 [ jessie ]
確かにそうですね。フィリピンに限らず外国で生活している日本人が現地人と溶け込めずに日本人村を作って閉じこもっているってケースが多々ありますからね。良い意味での連帯感は必要でしょうが。本人の努力も当然ながら受け入れる側の協力体制がないと中々難しいものだと思います。
2006/2/6(月) 午前 9:54 [ BabyShun ]
私も常日頃から、在日のフィリピン人がコミュニティの中で固まってしまって、日本社会に健全に労働力、あるいは社会の仲間として参加できていない現状を強く感じており、行政も含めた日本側の努力は言うまでもなく、フィリピン人側ももう少し日本語の勉強するなどの努力が必要だと思っています。
2006/2/6(月) 午前 10:52 [ jessie ]