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今日正午ごろ、テレビ・ニュース用にフィリピン語のヴィデオを観て日本語に訳していくといういわゆる『映像翻訳』の仕事の依頼があった。
「今すぐ、六本木のスタジオに来て、仕事にかかってほしい・・・」
というものだった。
このようにテレビ関係の翻訳の仕事は、本当に急なものが多く、アルバイトとしては美味しいのだが、スケジュールの関係でお断りするものが多い。
今回の翻訳素材は、どうやら仙台の誘拐事件の犯人の日比夫婦のフィリピン人妻の家庭や近所の人たちを現地で取材したものらしかった。
ここで、私が翻訳の依頼を受けた素材をちょっと振り返ってみると、2006年5月、『元日本兵発見情報に関するインタビュービデオ』、つい先月の『フィリピンでの日本人殺害事件関係者のインタビュー』、そして今回の『誘拐事件の共犯、フィリピン人妻の人物像、現地取材篇』となる。
一見して明らかなのだが、いずれも事件、ショッキングなもの、しかもほとんどが、犯罪モノばかりなのである。日本のマスコミが抱くフィリピン像がここに端的に見えるような気がする。
報道されるニュースがこんなものばかりで、しかもフィリピン関連のニュースはめったにないから、ニュースを受け取る一般の日本人のフィリピンに対するイメージも当然悪くなる。
よく言われることだが、フィリピンは観光地としてはタイやバリに負けないくらいの資源を持っているはずだが、観光客数ではタイヤバリにはかなわない。そのひとつの理由に『治安が悪い』というイメージがある。これは特に空港や公共の乗り物(タクシー)やフィリピン人一般市民、フィリピン政府を挙げての努力が必要であることも間違いない。
その点、セブはあえてフィリピンのイメージを切り離したPRを行って日本人観光客を伸ばしている。セブ島は、バリ島のような独立した島というイメージで観光地としてのステータスを向上させているのだ。あえてフィリピンというイメージを抱かせないで観光客を伸ばしているということでは、私は手放しでは喜べないのだ。
マスコミと戦ってフィリピンのイメージアップのために頑張るだけの力はないが、何とか『素顔のフィリピンの良さ』を一人でも多くの日本人に知らせるため更なる努力をして行かなければと改めて思った、今回の翻訳依頼『事件』だった。
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