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アメリカ人ジャーナリスト夫婦が日本ロケを行って制作した「RACHI」が、アメリカの片田舎ユタ州で開催されたスラム映画祭で公開され、監督賞などを受賞。日本のテレビなど、マスコミでも取り上げられてちょっとした話題になっている。
映画のテーマはタイトルを見て一目瞭然。北朝鮮によって拉致された、横田めぐみさんの足跡、愛娘の奪還に向けて民間人として涙ぐましい努力を続ける、横田めぐみさんのご両親の苦悩に満ちた戦いの日々を追いかけたドキュメンタリーものだ。
この一件を見て、私には強くかんじたことがある。第一に、アメリカ人の国境を越えたヒューマニズムの強さだ。直接には自国のことではない拉致の問題を人道問題として、また自分の問題として取り上げたことに対する視野の広さ・国境を越えたヒューマニズムに対してまず賛辞を送りたい。
その一方で、こうした映画が日本人によって作られなかったことが非常に残念だ。やはり、問題意識を持った同胞である日本人に作ってほしかった。拉致問題は多くの日本人にとっては充分同情に値することではあっても、しょせん他人事でしかないように思えてしかたない。アメリカなら、直接の被害者家族でない一般市民も含めて、自国の市民の人権・主権・威信が踏みにじられたことに対する怒りのでもなどの直接行動が次々に起こって、政府も重い腰を動かさざるを得ないのではないか? もっともアメリカ政府は、自国の市民の人権・主権・威信が踏みにじられたことに対しては、一般市民の圧力がなくても迅速に行動を起こすに違いないが・・・私はここでもアメリカに負けた、と小さからざる敗北感を感じた。
この拉致問題に対して、私は、日本政府の無策は今さら言うまでもないが、日本国民の人権意識に低さ、国の威信が踏みにじられたことへのプライドのなさ、政治的行動力のなさ、そして同邦への意外な冷たさを痛切に感じて、残念でならないのだ。
ちなみにわれわれの隣人、南西部のイスラム世界をのぞくフィリピンでは、やはり道徳教育の中で、国を愛し、国家や国旗をいとおしむ教育が、軍国主義につながるような形でなく、ごくごく自然な形で行われている。その効果もあってか、ほとんどのフィリピン人が、隣人への無償の愛情、愛国心をごくごく自然に身につけている。また、フィリピン人の同郷意識・同郷者同士の助け合い精神の強さもよく知られている。(もっともこの同郷意識は、時に他地域の出身者との対立を生むことにもなるのだが)
教育者の中にも『愛国心教育は悪』のような意見を公然と言う人もいるが、国民が祖国を愛してどこが悪いのか? 押し付けの『愛国教育』は好ましくないかもしれない。しかし『国を愛する』というきっかけを作る『気付きの機会』としての最低限の愛国教育は必要だと私は思う。国民が国家を愛し、同胞を愛するのはきわめて当然の感情だと思うのだが・・・
国家・国旗の扱い、国を愛する思いは、サッカーなどスポーツの国際試合を通じて高まってきたと思うが、もっと深い意味で、われわれ日本人は、国家愛、同胞への愛、そして日本人としてのプライド、そしてそれらが踏みにじられた時の表現・政治的行動力を持たなければいけないと思うのだが、みなさんはどう思われるだろうか?
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