白野慎也のフィリピン・サリサリ・トーク

『旅の指さし会話帳』の著者、白野慎也がフィリピンの庶民生活への理解の深まる情報をお届けします。コメント大歓迎。投票もよろしく。

フィリピン人気質

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「ごめんなさいね。私肌が黒くて・・・」「私肌が黒くて、あなた嫌いでしょ?」
 親しいフィリピーナの恋人、知人・友人、場合によっては奥様などに、こんなことを言われた経験はないだろうか?
 私はこの手のメッセージを何度受け取ったか数え切れない。つい先日もフィリピン滞在中にフィリピーナの友人の家を訪問した時に、水浴び場の脇においてある石鹸のパッケージを目にした。
 ご存知の方も多いと思うが、LIKASという銘柄のPapayaの香りのもの。
 気にかかったのはそこに「WHITENING(ホワイトニング)」と表示されていたことだ。
 僕は彼女たちは美白のためにこんなところにまで気を使っているのか、と感激。

「本当に肌が白くなるの?」
 素朴な疑問を彼女にぶつけると
「多分ね。効果あると信じてるわ。本当はわからないけど、何か肌が白くなるためにやってないと落ち着かなくて。肌が黒いと男の子にモテないし・・・」

 なるほど、僕は少し納得した。やはり男性にモテたいがためか! そう言えば、フィリピン人男性も
「彼女肌が白くてきれいだね」
 とよく言ってたっけ。フィリピーナの美白信仰はフィリピン男性の美白信仰の裏返しでもあったというわけか。男女どちらもフィリピン人は白い肌を信仰しているのだ。

 彼女は決してそれほど肌が黒いわけではない。僕から見れば本当に健康的に褐色の肌で、それはフィリピーナが外国人に対して誇っていいものだと思っている。そんな肌を白くすることに腐心することよりも彼女たちの生成りのよさに磨きをかけてほしいと思う。
 ただ、褐色の肌ゆえの美白への憧れ、このないものねだりは改まりそうもない。
 

 ラブソングを歌って求愛するハラーナの儀式は、大分すたれてしまったが、それでもフィリピン人の心を揺さぶるために歌はとても有効な武器であることに変わりわない。

 彼女とラブラブの方なら、電話口で
「何でもいいから歌を歌って」
などというお願いをされた経験をお持ちの方も多いと思う。
 
 私も、たびたび歴代の彼女たちからそんなお願いをされたことがある。
 また、パブの女性と相思相愛になって浮気疑惑をかけられ、口をきいてくれなくなったりした時も、彼女のお店に行って、他のテーブルについた彼女を見つめながら、Nandito ako.(僕ならここにいるよ)、Hindi magbabago(心変わりなんてしない)、Minsan lang kitang iibigin(ずっと君を愛してる)など、次から次へと歌い続けていたら、彼女はひとみを潤ませながら、お客さんをホッポリ出して

Patawarin mo ako. Mahal na mahal kita.
パタワーリン モ アコ。マハル ナ マハル キタ
私を許して。あなたを心から愛してるわ

 という具合であっさり仲直りできてしまっただけでなく、いっそう絆が深まったこともある。

 また、マニラ在住中、行きつけのジャパニーズ・カラオケにしばらくぶりで行ったら、懐かしいあの娘レナがいた。その娘は、私が指名する女の子ではなかったのだが、しばしばテーブルでお相手してもらった。陽気な女の子だった。僕の指名コはもういなくなっていた。
「レナを指名しないわけにはいかないな」
と思っていたとき、いきなりホイットニー・ヒューストンのSaveing all my loveが、聴こえて来た。

 歌っているのは、あのレナだった。「歌はダメ」、といっていた彼女。一時も僕から目をそらさず、じっと見つめたままの力一杯の熱唱だった。ひどい音痴。でも彼女の『気持ち』がギンギン伝わってきた。グッと来た。
 歌い終えた彼女は、僕のテーブルにやってきて、
「あなたのためよ。ずっと待ってたんだから。ほんとへたくそでごめんね」
「いいんだ。いいんだ。心にしみたなあ」
僕は本心からいった。このときほど『歌は心で歌うもの』と思ったことはない。

 仲直りの歌、媚薬のような歌、求愛の歌、聞き手の心を溶かす歌、歌のパワーはすごい。相手がセンチメンタルなフィリピン人ならなおさらのこと、愛を進展させたい時、仲直りの手段として、その他、自分をアピールしたい時、なおさら歌のパワーは強力だ。

 みなさんご存知のフィリピンのクーデター事件、首謀者の逮捕など、大筋では一応収束の方向に向かっているのではないかと希望的観測を抱いている。私が1990年頃からフィリピンをウォッチングしてきてクーデタ未遂、うわさ、計画の発覚は毎年あった。未遂や計画の発覚では首謀者の逮捕などの処置は取られるのだが、ほとぼりが冷めると、当たり前のように前職復帰やあるいはより以上の地位に復活してくるのが通例だ。今回逮捕された首謀者たちの扱いも多分しかりだと私は思っている。私は血なまぐさい解決、たとえば首謀者の処刑などはまったく望まないが、国家転覆という事態の収拾に際してもフィリピンというのは白黒をはっきりさせない国なのだなと常日頃から思っている。

 ガラッと変って恋愛に目を転じても、あるカップルの一方が新恋人を見つけて、モトカレやモトカノが恋人としてはお払い箱にされてしまう場面もよく見てきた。しかし、その際にも、元恋人たちは完全にコミュニケーションを立ってしまうケースの方が少なかった。

 日本人の恋人同士なら、新しい恋人ができたら、少なくとも
「これからは友だちで・・・」
などと当たり前のように言うことはないと思う。一度は完全にコミュニケーションが途絶えるはずだ。

 しかし、フィリピンでは、
「Magkaibigan na lang tayo:マグカービーガン ナ ラン ターヨ:単にお友だちでいましょ」
という言葉で言い表されるように、恋人格下げ友人ということで、恋人同士でなくなっても友達同士のコミュニケーションは続く場合も多いのだ。
 そして、また何かの拍子で分かれたはずの恋人が、復縁、ふたたび恋人同士になるというのもよく見てきた。

 政治的事件、恋人格下げ友だち待遇など、はっきりとけじめをつけないのは、後々に遺恨を残さないためのフィリピン人の人間関係コントロールの暮らしの知恵なのかな、などとも思っているのだが、本当のところは謎のままだ。引き続きこの答えを探し続けて見たいと思っている。

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*写真上:あるビューっティ・ページェントにて:著者友人提供(ミンダナオ島北サンボアンガ州ダピータン市にて)
写真下:マニラ市にて(2005年5月著者撮影)

 私は大分慣れたが、1993年当時、フィリピンに住み始めてフィリピンパブでしか知らなかった素顔の『普通のフィリピーナ』たちと日々触れ合う中で、おやっということがずいぶんあった。生活習慣の違い、デリカシーの違いである。今日はそのいくつかを紹介したい。

 乗り物でのこと。フィリピンではどんな乗り物であっても一人でも多く座るのは当たり前。ジープなどでも、つめて座ってなければ後から乗り込んできた乗客は、当たり前のようにわずかな隙間をお尻でガンガン押しこくって座ってくる。制服姿がりりしい女子学生やデパートガールもしかりである。私もなれないうちはおやっとその都度思ったものだ。

 また、LRTなどの電車やジープの中で、完全に席がなくて後から乗り込んできた女性客に席を譲っても、99%「ありがとう」と言われることはない。彼女たちは譲ってくれた男性に一瞥もくれることなく当たり前のように座っていく。ちなみに座席をなくした男性乗客は、ジープの場合だと、後部の乗り口のステップに立ったり、捕まり棒にぶら下がったりする。今はマニラなどの都市部では、交通警官の取締りがきびしくなって見られなくなってしまったが、地方ではこうしたぶら下がりのりはまだよくみられる。きわめてフィリピン的な光景と言えるかもしれない。

 また、道を歩いていて、うら若き乙女が「ぺっと」唾を吐く場面を目によく目にすることもある。空気の悪いマニラなどなら無理もないかなとも思うが、当初はいかがなものか、と首をひねったものだった。
 公共の場所にゴミ箱のないせいもあってか、紙くずをどこでもポイ、噛み終えたガムを机の裏や身近な場所にベタッとくっつけてしまう、というのもよく見かける光景だ。

 また、いっしょに食事した時などは、こちらが食事を始める前に連れの女性が先に食べ始めると、こちらが食事を始める前に
「まずーい」
とはっきり口に出す。そんなこと言われたら食べる前から余計に食事がまずくなってしまう。そして一度口に入れたものを人の面前で口から出すとか、くちゃくちゃ食べる時に音を立てるというのもよくあることだ。

 また、身だしなみに関しては、人前でやたらとブラシを出して大きなしぐさで髪を梳かす、メイクをするというのも最初のうちは気にかかった。今の日本の若い女性なら当たり前のようにやっていることだが、私は子供の頃、よく両親から、『女性が人前で化粧をするのはたしなみにかけることで、水商売の女性しかそんなことはしない』といわれて育ってきたので特に気になったのかもしれない。
 何か、フィリピーナの悪いことばかりをあげつらっているようだが、そういうことではない。私が1人の日本人男性として、一般のフィリピン人社会に張り込んだ時、フィリピーナに対して感じた違和感を列挙しているだけであって、彼女たちを誹謗・中傷しているわけではないので、くれぐれも誤解無きように願いたい。

 また、かわいいと思ったのは、フィリピンの女性たちが、唇、あご、ほほの産毛をそらずに残していること。なぜかと聞いたら『産毛はセクシー』なのだそうだ。未だになぜ『産毛かセクシー』なのかは分からないが、彼女たちなりのこだわりを感じる。

 その他、これが女性に限らないが、友人や勤め先の同僚で困ってしまうのは、他人のものや事務所の備品を無断で借用し、時には持って帰ってしまうことがよくあるということだ。私もマニラのボランティア事務所に通っていた時に、しょっちゅう日本から持ってきていたボールペンがなくなるのでイライラしていた。何かの拍子で転がり落ちてなくなっているのかと思っていたら、ある日、私のテーブルから同僚のマイラが黙って、私のボールペンを持ち去り使い終わった後も返してくれないので、
「これ返してもらっていい?」
と尋ねたら、なんら悪びれることもなく
「ああ、もういらないから持ってって」
という具合である。

 そのマイラ、事務所の懐中電灯を家に持ち帰り、事務所でもちょっと大騒ぎになったのだが、1ヵ月後彼女は、
「借りてたのを返すわ」
と事務所の騒ぎなどどこ吹く風という感じであっけらかんと事務所に持ち帰ってきた。
 この手の無断拝借は彼女に限ったことではなかった。何の悪気もないのだ。ただ借りているという感覚。困ってしまうのは彼らが忘れっぽいから借りていることも、返すことも忘れてしまうということである。
 
 という具合で、実際いっしょに暮らしたり、いっしょに仕事をしたりすると、国民性がよりはっきり見えてくるものだ。『郷に入らば郷に従え』ということで、私はなるべくフィリピン人のスタイルに合わせるようにした。そうこうしているうちに『あばたもえくぼ』ではないが、フィリピーナ流に慣れてきた自分に気づいた。

 それでも、どうしても耐えられない時もある。そんなときは
「僕たちの国では、こうするんだけどどう思う?」
とか、
「女性が人前で唾を吐くのは見た目もよくないと思うんだけど、どう思う?」
などと、彼女たちを人間として尊重し、プライドを傷つけないように、本人たちを槍玉に挙げたり、非難するのではなく、『文化やデリカシーの違いを話題にする』という方法で、話し合って理解を深めたことがあった。彼女たちの中では自分の行動パターンを改めるケースも多かった。

 この世界には、民族も人種も様々だ。まずその違いを受け止めることが大事だと思う。そしてどうしても相容れないこと、従えないことははっきりNOということも大事だ。しかし、私の基本方針は『現地主義』だ。可能な限り現地の人と同じように行動して地域になじむと意味だ。これは多くの場合、国際化度の低い一般の日本人がなかなかできないことであるが、しっかり認識して改善の努力をすべき点だと常々思っている。どこに行っても日本式を貫くこと、また相手に押し付けるなんてことはこの世界では通用しないのだから。

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*写真上:後姿の修道女(2005年5月著者撮影、本文とはまったく関係ありません)
 写真下:カソリック教会で祈りを捧げる女性(2005年5月著者撮影、本文とはまったく関係ありません)


 友だちのフィリピン人から電話がかかってきた。分からない日本語があって説明してほしい、というものだった。ちょっと話していて彼女のろれつが回ってないことにすぐ気づいた。
「酔っ払ってるんじゃない?」
 と僕が確信を持って尋ねると、
「分かる?」
 彼女は、気まずそうに言った。
 僕は、軽く尋問するように聞いた。
「お酒飲んだんだね?」
 彼女はあっさり
「特別な日だったから・・・」
と認めた。
 彼女はイグレシア・ニ・クリストと言うキリスト教の一派の一応熱心な信者のはずだ。
 お酒は絶対いけないことのなっているはずなのだが・・・しかも、彼女の飲酒、いや彼女だけではない、その友人たちの飲酒も一度や二度ではない。その都度
「特別な状況だから・・・・」
 という言い訳を何度も聞いた。

 困難具合で、フィリピン人の信仰心は堅固な様でいながら、ところどころいい加減だ。
 本来のタブーが至るところで破られている。

 本来、フィリピンでは結婚前の男女の性交渉はいけないことになっているが、その実態は???
 離婚もいけないことになっているのだが実態は???
 女性はみだらに肌をさらしてはいけないはずなのに、美人コンテストのなんと多いこと! しかもその一部には必ずといっていいほど、水着姿の美しさを競うセクションがあるのもよくよく考えれば婦に落ちない気がする。
 修道女が、ボーイフレンドを持つ、喫煙・飲酒するのも日常茶飯事だという話も当の本人たちから何度も『告白』されたことがある。
 ちなみに、私が寄稿しているフィリピン関係の雑誌『パライソ』も女性の水着姿の掲載はメインスポンサーのフィリピン航空の意向で絶対NGであり、VIVA HOT BABESの水着ではないがちょっとセクシーな写真が掲載されただけで、大クレームがついたそうだ。

 本音と建前は、どこの国にもあることなのだろうが、フィリピンもまた、「本当は〜すべきなんだけど実際は・・・」、「本当は〜しちゃいけないんだけど実際は・・・」の実に多い国のひとつのようだ。
 これも情に流されやすいフィリピン人の人間らしさの裏返しかもしれないと思うし、私はこのちょっといい加減なところが好きでもあるのだが・・・

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