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写真1番目:2004年最後の来日、カビテ州の自宅で何もせず待機するエイターテイナー 「死にたい」とポツンと行った一言が気になります。2006年3月 白野慎也 撮影)
写真2番目:それでも来日を夢見るファーストタイマー予備軍 マニラ市のあるプロモーションにて。2005年4月、白野慎也撮影)
写真3・4番目:ウェイトレスがキュートなユニフォームに身を包み、お立ち台で踊って、ビリヤードのお相手もする、援交カフェ。ただしウェイトレスのお持ち帰りはできません。ここにも日本帰り組みがいます。有名なL〇カフェすぐ近く。マニラ市にて白の慎也撮影。2005年5月
みなさんこんにちは。なかなかWEB連載「消えたフィリピーナ」がアップにならないですね。もう第一話分の原稿は2月に提出しているのですが・・・私も少々やきもきしながら毎日情報センターのホームページをチェックしています。いよいよ遅くとも来週の月曜日くらいにはアップになるようですのでご興味のある方、ぜひご覧になってください。
今日も取材の裏話をひとつご紹介します。私は、1989年、一人のエンターテイナーとの偶然の出会いから、フィリピンパブにはまり、そしてそこからフィリピン語・映画・音楽・庶民の生活・・・とフィリピン全般に興味の対象が広がり、気がついたらそれが仕事になっていました。ですから、フィリピンパブは今の私にとっての原点であり、それがまさに風前の灯になったように思える現在、半ば自分の原点を探るように気持ちもあって、かつて私たちフィリピンパブファンに憩いといやしを与えてくれたエンターテイナーたちが、再来日できず、今現地でどうやって新しい人生を模索しているのか、現場で取材してみたくなり、いても立ってもいられずにマニラに飛んだわけです。
私は始め、元エンターテイナーの彼女たちが、なすすべなく、半ば路頭に迷っているような姿を予想していましたが、なんとしても生きていかなければならない彼女たちは、私の予想よりもはるかにたくましく、そしてしたたかでした。
私がインタビューした「日本に戻りたいけど、戻れない」エンターテイナーたちの半数が、いまだに日本人の彼氏がいると答え、やはりちょうど半数が日本人のお客さんや恋人から定期的に仕送りを受けていたのです。
その仕送りの平均額が、月3万円(14,000ペソ)ペソでした。みなさんはこの額を同受け止められるでしょうか? 現在フィリピンでは物価は激しく上昇していますが、給料の水準はほとんどまったく上がっておらず、生活は苦しくなる一方です。話がそれましたが、大の大人が必死に働いても1月10000ペソ(22,000円)稼ぐことは決して楽ではないのです。
仕送りを受けている元エンターテイナーたちは、労せずして、大の大人が必死にナっても稼げないだけの額を毎月仕送りしてもらっている現状は少し驚きだったと同時に、改めて彼女たちのたくましさ、したたかさを再認識したしだいです。彼女たちのほとんどが、どうしようもなく悲惨な状況に置かれているわけでは必ずしもなさそうだ、ということです。
また、印象に残っているのは、日本人の彼氏のいるエンターテイナーたちは、今後の自分たちの身の振り方について彼氏からいろいろアドバイスを受けていて、彼氏からの経済的支援とアドバイスで日系企業での就職が有利になるようにフィリピンで日本語学校に言って勉強していたり、看護学生だった女性は、学費を彼氏に出してもらって復学して、真っ白なユニホームに身を包んで看護学生に戻ったり、これまた日本人の彼氏の指導とお金で6ヶ月で終了する看護士過程の勉強をさせてもらったり、エンターテイナーとして再来日する道を残しながらも、それがだめだった時の保険として人生のほかの選択肢をしっかり確保しているという事実がわかったことは、今回の取材の最大の誤算であり、発見だったかもしれません。
もちろん、私がたまたまであったわずか100人ほどのエンターテイナーがそうであっただけであって、何十万人といる元エンターテイナーのほとんどの暮らし実はどうしようもなく悲惨なのかもしれません。
しかし、人生を求めての初めての取材旅行は、やはりそれなり心に大きな爪あとを残す私にとっても思い出深い物となりました。
最も印象に残っているのは、
「私、どうにもならないわ。あなたのメイドにして」
といってポロット涙を流した、ジャパニーズカラオケに勤めている女性。自室にポツンと置かれた日本行き用のピンクのスーツケースが、日本への断ち切れぬ思いを何よりも饒舌に語っているように思いました。何でこのコがだめなんだ。その時とこみ上げてきたやるせない思いや無力感は今でも鮮烈に胸に刻まれています。彼女は十分に頑張っています。そんな彼女にこれ以上頑張れなんていえません。ただ、一生懸命努力する彼女に幸運をと祈るばかりです。
もうすぐビザが出そうだといっていた娘もおり、インタビューに応じてくれた彼女たちの現在が気になるこのころです。
それにしても、「消えたフィリピーナ」早くアップしないかなあ。でもいざ連載が始まると、まだ一話もインタビュー内容を原稿にしていないので、急ピッチで記憶が新鮮なうちに原稿に落ちしていかなければ・・・どうやらエナジー・ドリンクの出番が増えそうな私の7月です。
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