白野慎也のフィリピン・サリサリ・トーク

『旅の指さし会話帳』の著者、白野慎也がフィリピンの庶民生活への理解の深まる情報をお届けします。コメント大歓迎。投票もよろしく。

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 バレンタイデーが近づいてくると、いつも私はあの年のバレンタインを思い出さずにはいられない。そう、1994年、私がはじめて1年通しでマニラで一人暮らしした年のバレンタインデーだ。その時はまだ、若かった。今写真を見てもまだ、10代の面影すら漂う男の子だった。恋愛も体験ボランティアも好調。私は4人の女性といつでも本当の恋人の段階に入っていける状況だった。

 行動は臆病でも、心はパロパロの私ゆえ、また、女性の長所を見出す達人であるがゆえ(ただ惚れっぽいだけとも言われているが)、4人のうち誰かを選ばなければならないのだが、選べない。バレンタインは迫る。私は良心の痛みを振り切って、4人の「お気に入り」の女性たちみんなにバレンタインのカードを贈り、一番自分のことを思ってくれている人、一番熱いものを感じさせてくれる人を選ぶことにした。

 月並みな、歯が浮く言葉の連続のようなフレーズを連発した『バレンタインカード』用のメッセージを1つ作り、同じ内容で、名前だけを変えて、4枚のカードを書き上げ、住所を書いた封筒とカードを入れ間違えないように慎重に封をして、郵便局で投函した。

 そして、数日、最初の反響があった。4人のうちの1人だ。
殺気立った表情で、私のひとり暮らしのアパートを訪ねてきた彼女は、早口で言った。
「私の名前でカードをもらったんだけど、中身は他の女の子宛だったわ。そのコ私の友だちで、見せてもらったら、私宛のカードが、そのコの封筒の中に入ってたわ。あなたってそういう人だったのね」
 そして、私がカードを送ったもう一人の女の子がそこにニョキっと登場。私はびっくり仰天。
「Sinungaling!(スィヌガーリン:うそつき)」
「Taksil!(タクシル:裏切り者(浮気者)」
 2人に次々と罵倒の言葉を浴びせられ、呆然と立ち尽くす私に突然パチーンとピンタが・・・

「Ayaw ko na sa iyo. Ayaw ko na sa iyo.(アヨーコ ナ サ イヨ。アヨーコ ナ サ イヨ。:あんたなんか嫌いよ。あんたなんか嫌いよ)」
と二人は口々に言いながら足早に立ち去っていった。そしてそれがその2人との本当の最後になってしまった。

 悪いことはそれだけではなかった。2人の封筒とカードを間違えたと言うことは、残る2人も・・・
 予感は見事的中! ものの見事に、4人の封筒に全部間違えて他の女性宛のカードを入れて贈っていたのだった。四兎を追うもの1兎を得ずでは無いが、自業自得とは言え、パロパロは心だけであってもいけないのだと深く反省した出来事だった。もっとも一人を選ぶための方策で、四つ股をかけようなんて夢にも思わなかったが・・・今となっては、ある意味華やぎのある思いで深いバレンタインだった。変な恨みを買って命を落とさなかっただけでよかったと思っている。そして今がある?!(まだ生きている)。 

 さあ、今年はまじめにたった一人の本命の彼女にカードを送って2人の記念日をかねたセレモニーは完結だ。

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*写真:フィリピンで販売されているバレンタインデー用のカード
みなさんもバレンタインの準備はよろしいですか? チョコレートだけではダメですよ!!

 先日、ブログで描いたとおり、私の彼女は、現在フィリピンにいて、台湾での1年契約の就労に備えて待機中の大学新卒である。バレンタインデーは、当然離れ離れなのだが、たまたまフィリピンに帰国する友だちGさんがいて、その友だちが是非貴方の彼女にあってみたいということで、一足早いバレンタイデーの贈り物などを託すことにした。

 私は本当に贈り物のセンスは無いので、予算を行ってGさんにおまかせした。5,000円の予算の中で、チョコレートたっぷり、彼女からリクエストのあったSWATCHなど、かなりボリューム感のある品物をそろえてくれた辺りは、さすがに贈り物することになれたフィリピーナの才能に脱帽。花は、フィリピンでバラの花を用意して渡してくれるとのことで至れり尽くせりだ。それから彼女からリクエストのあったかわいい水着と最近の私の写真も一緒にして、Gさんにもって行ってもらった。
 
 私がクイズにも出題した『メッセージカード』を用意し忘れたことを告げると、
「それが一番大事なのよ。ちゃんと郵便で出しときなさい」
と、お目玉を食らってしまった。一番肝心なカードはこれから書かなければ・・・

 Gさんの出発は先々週、演劇集団の講演旅行でフィリピン各地を回る途中でのメッセンジャー役を買って出てくれた。そしてよくやくGさんから電話があり、彼女に一式プレゼントを受け取ったということだった。水着が花柄模様のついた、ブルーのビキニであることにちょっと戸惑っていたようだが、さっと試着してすぐ気に入ってくれたようだった。そう、彼女からはブルーの地味なワンピースの水着をリクエストされていたのだ。しかし、あるスポーツショップのセール品でなかなかかわいいビキニのセット¥999というのを見つけ、「これなら彼女に似合うだろう」、「これを彼女に着てほしい」と思い、ちょっとスケベ心を出し、また予算をちょっとケチってしまったのだ。そんな私の思いを知ってか知らずか、バレンタインプレゼントをお起きに気に入ってくれたのだが、案の定、気に食わないことがあったようで、不満気に言った。
「あなたのカードが入ってないんだけど、なくなっちゃったのかしら。それともはじめからはいってないのかしら?」

 やはり、多少プレゼントがボリュームがあっても肝心な一番大事なものが欠けていれば満足してもらえないのは当然なんだなあ、と思った。
 私は苦し紛れに
「1月じゃいくらなんでもちょっと早すぎると思ってカードだけ別に出そうと思ってたんだ」
なんてうそをついてしまった。これくらいのうそは、方便として通常全然問題なく許されるはずなのだが、今日はやけに胸が痛んだのは、やはり彼女があまりに純粋な恋ひとつ知らない田舎の娘だからかもしれない。

 何の實の言っても、フィリピンに荷物を出すのは、お土産を買いに行くことから始まって、手紙を書いたり、梱包したり、重さを量ったり、意外と面倒なものだ。バレンタインのお勤めは終わったつもりでいたが、彼女からのリクエストもあったことだし、頑張って熱い思いをカードにつづらなければ・・・・

 みなさんのバレンタイン作戦の進行・実施状況はいかがなものでろうか? 面倒くさがらずにそれなりに気持ちと手間をかけて『心とメッセージの贈り物』をすれば、必ず贈った以上の幸せが帰ってくるだろう。ともかく、私を含めてめんどくさがり屋・筆不精のみなさんも、未来の幸せのために日と頑張りしてほしい。

 クリスマス・シーズンは来年1月6日まで続きます。みなさんの中には、配偶者や恋人の姪っ子さんや甥っ子さんの名づけの親、ninong(ニーノン:名づけの父親)、ninang(ニーナン:名づけの母親)になっている方も多いと多いと思います。

 ここで、名づけの親についてちょっと確認しておきましょう。貧しいフィリピン人社会による、相互扶助的な考え方と、カトリシズムによる名づけの親という発想の融合したところにフィリピンの名づけの親と言う考え方がでてくるのだと思います。多くの家庭では、本当の親だけでは子供の面倒は見切れないので、親以外にも子供の後見役が必要だという発想が生まれてくるのは、フィリピン式の恩(utang na loob)の意識とあいまって至って自然なことだと思いますね。

 では実際の名づけの親の役目を振り返ってみましょう。本当は結構たくさんあります。
 一言で言うなら、名づけの子供(inaanak:イナアナック)の成長の各過程においての、スポンサー役、アドバイザー役が役目です。具体的には、洗礼式の立会いから、子供の誕生日やクリスマスにプレゼントをあげること、進学や就職におけるアドバイスや就学期における学費などの経済支援、さらには時に花嫁・花婿探しまでする、という非常に重く、また多くの役目があるのです。ついでながら、名づけの子(INAANAK)と自分の実の子供の関係は、kinakapatid(キナカパティッドゥ)と言い、やはり本当の兄弟のように親密な関係を保つように求められます。

 しかし、実際にはほとんどのニーノンやニーナンは、これらの役目のほとんどをまめにこなしているわけではありません。何もしていない名ばかりのニーノン、ニーナンもたくさんいます。こうした、名ばかり組みが、唯一名づけの子供たちとつながりを持つのがクリスマス・プレゼントです。誕生日プレゼントより大事なこのクリスマス・プレゼントがもっとも子供たちにとって重要だと言えるかもしれません。クリスマス・プレゼントは12月16日から翌年の1月6日までのクリスマス・シーズンにしなくてはならない慣例のようになっています。クリスマス・プレゼントを贈り続けている限りは、最低限のニーノン・ニーナンの役割は果たせていることになります。

 かくいう私も何度となく、ニーノンを頼まれてOKしたのですが、様々な理由でその親子とコニュニケーションがなくなってしまったので、役割を果たしたくても果たせません。そもそも洗礼式にも出ていませんから、多分正式にはニーノンになっていないはずなのですが・・・

 といっても、119人の子供の名づけの親になっている私の友人の話をかつてしましたが、彼が、完璧に名づけの親の役割を果たしているとはとても思えません。今度話す機会があったら、どんな風にしているのか、是非聞いてみようと思います。クリスマス・プレゼントの1点のみで役割を果たしているのか、はたまた何もしていないのか? 

 ところでみなさんのニーノン・ニーナンぶりはいかがでしょうか? 最低限のお役目は果たせているでしょうか?

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 先日話題にした、テスの招待で、随分前のことになりますが、CDショップOdysseyのクリスマス・パーティに参加することができました。ショップマネージャーの簡単なあいさつと乾杯の音頭で乾杯したあと、バイキング形式の食事、パンシット(ビーフン)・フルーツサラダ・サンドウィッチ・カレカレ・レチョンマノック・バゴスの詰め物・ブタの煮物・ご飯など、結構豪華な食事が並んだテーブルにみんなかじりついて食べるは食べる。

 そして料理やトリンクが少なくなってきたところで、スタッフの表彰式のスタート。さすがに何かにつけて人をほめる国フィリピン。『最優秀お客様サービス賞』、『ベスト・デモンストレーション賞』、『最優秀商品知識賞』など、表彰につぐ表彰、新人以外ショップスタッフ15人の全員が何らかの賞をもらいました。親友のテスは、『トップセールス賞』を見事受賞しました。

 テスは確かにしっかりした商品知識があって、いいタイミングで
「これはどう、これはどう」
と薦めてくれます。私も彼女のセールスには相当貢献しているので、『トップ・セールス賞』の受賞はとてもうれしかったんです。

 宴たけなわとなりましたところで・・・お開きではなく、有名人ゲストが出てくるのもフィリピンならでは。DAMのカラオケにも入っている曲『Problemang puso』などのヒットで、当時人気のあったJude Mickael(ジュードゥ・マイケル)がゲストで同ヒット曲ほか2曲を、カラオケながら生で歌って場を盛り上げてくれました。これもCDショップならではクリスマス・パーティのスパイスですね。会社の規模や業種によってスパイスもいろいろあるんだろうなと思いました。

 1年の労をねぎらう表彰、飛び入りの有名人ゲスト、普段なかなか口にできない豪華な食事、日本で行われるフィリピン人向けのイベントにも共通するエッセンス。そんなフィリピンの職場のクリスマス・パーティを体験できたいい経験でした。持つべきものは友。ありがとうテス。また、誘ってね。

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*写真は本文中のテスたちの職場"Odyssey(オデッセイ)"の入り口脇で、著者撮影。一番右は私本人。私を除いてみんなhold up(ホールダップ:強盗)の被害にあった経験あり。制服の違いは派遣元の会社の違いのため。

 「最低!! 今日、バスに乗ってるとき、強盗の一味に、買ったばっかりのカメラつきの携帯盗まれちゃッた」
 第一声から、音楽CDショップで知り合った旧友テスはやりどころのない怒りを僕にぶつけてきた。
テスのお姉さんは日本人と結婚して日本に住んでおり、そのお姉さんからつい先日電話をもらったばかりだったのだ。
 ちょっとご無沙汰していたので、ちょっとご機嫌伺いのつもりで、お店の方に電話してみたら、こんな具合である。
 彼女は、有名レコードメーカーの社員で、Odyssey(オデッセイ)というこれまた有名な音楽CDショップで働いている。ショップでの販売・在庫管理が彼女の仕事だ。私がフィリピンに始めて住み始めた1993年からの付き合いで、最も古いフィリピン人の友だちの1人だ。

 テスはさらにまくし立てた。
 「仕事が終わって、いつものバスに乗ると、10人くらいの男たちが乗り込んできて、『ホールドアップだ。騒ぐな。おとなしく金目のものを出せば、危害は加えない。今から俺たちの仲間が席を回るから、金・時計・さいふ・アクセサリー・携帯電話など金目のものは何でも差し出せ。仲間の持ってる袋の中に入れるんだ。変な気を起こすと命をもらうぞ』といってピストルとナイフをちらつかせながら言うもんだから、私って本当に私ついてない、と思って泣けてきちゃったわよ。だって強盗に遭うの2回目なのよ。少しでも被害を減らそうと思って、大きな額のお札はハイヒールの中にさっと移し変えて、携帯を恥ずかしいんだけど、パンティの中に入れて、それなり精一杯努力したんだけどね。だってカメラつきの携帯は14,000ペソ(約3万円)もしたんだから・・・・」
 そこで、テスは悔し涙がこみ上げてきたらしく、声を詰まらせ一瞬絶句。それにしても、14,000ペソ(約3万円)とは大変な大金。彼女の月給が9,000ペソであるとつい先日聞いたばかりだった。携帯ひとつが月給以上もするなんて何たる物価のアンバランス!! 

 そして私は尋ねた。
「それで、額の大きなお札と、買ったばかりの携帯は何を逃れたの?」

テスは、こらえていたものが押さえきれなくなって泣き出した。私は電話越しに彼女の涙が収まるのを数分待たざるを得なかった。電話代がもったいないなんて、彼女の気持ちを思うととっても言えない。

 ようやく涙が収まって、彼女が事件の顛末を話し始めた。
「結局、ハイヒールの中のお札は靴を脱がされて取られちゃうし、パンティの中に入れた携帯も簡単なボディチェックをされてすぐ見つかって取られちゃうし、『お前は怪しい』なんて言われて、IDの入ったハンドバッグも全部、持ち物は一切合財取られちゃったのよ・・・」

 また、彼女が泣き出した。そして涙が収まると彼女は自分なりの分析を始めた。
「そう、毎年どんなに眠くても、必ず12月16日から24日まで毎日、simbang gabi(シムバン・ガビ)には行ってたんだけど、今日は仕事で疲れてて行かなかったの。だから、罰を受けたたんだわ。明日からは絶対に行かなくちゃ」

 彼女の祈りの内容はわかっている。例年の『今年こそは彼氏ができますように』だけでなく、明日のミサからは『もう強盗に遭いませんように』というお祈りも加わるはずである。
 新人深い彼女に素敵な彼氏と平和な日常と人並みの幸せが訪れるように祈るばかりだ。

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