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7月31日、19時35分頃、板門店で銃撃戦があった。東部前線北朝鮮軍哨戒所から韓国軍(国連軍)側監視所に向けて2発の銃弾が発射されたとのことである。それに対して、韓国軍側は、6発の銃弾を北側哨戒所へ向けて発射。韓国軍側に死傷者及び負傷者等はなかったとのこと。その後、北側から銃撃がなかったところを見ると、単なる銃の暴発か、それとも若い兵士による英雄主義的跳ねっ返りか。 それはともかく、この事件を知ってまず想ったことは、1996年12月30日に経験した悪夢である。 私は、ご覧の通り北朝鮮に対して大変関心を持っている人間である。その私が、初めて軍事境界線へ見学に行こうとしたのが、1996年12月30日であった。一人で行くのは心細かったので、友人2人に、あらん限りの熱情、熱弁でもって北朝鮮情勢を語り、いまだに存在する唯一の東西冷戦地帯を見学する意義を説いた。あまり関心のないその2人を無理矢理に口説いて、軍事境界線見学ツアーに出発したのが、12月29日。見学予定前日、韓国金浦空港に降り立った。 ようやく念願の板門店に行ける。胸が高鳴り、どうにもその鼓動が抑えきれないとき、われわれを担当していた現地のガイドさんが一言いった。「あの、明日の板門店ツアーですが、残念ですが中止になりました。」 ガ〜ン ガ〜ン ガ〜ン。一瞬何が起こったのか分からなかった。 ガイドさんによると、その年の6月に起こった北朝鮮の潜水艦による韓国侵入事件。そのとき、北の潜水艦は韓国の海岸に座礁して、乗組員26人が韓国内に上陸潜入したのである。北朝鮮の兵士のほとんどが韓国軍によって、銃撃戦の末射殺された。その遺体の返還を12月30日に板門店を通じて行うことに決まった、とのことである。したがって、見学は中止。 板門店ツアー規約によれば「板門店見学は、国連軍の都合により、一方的に中止になることがあります。」だって。よりによって、なぜそれが明日なのか。悲願の見学は目の前にして吹っ飛ぶし、友人には金返せ!と攻められるし(いまだに言われる)‥‥。とにかく悪夢でした。 今回の板門店銃撃事件によって、どれほどのツーリストが板門店見学を前に挫折を味わったことか。そのことを想うと、とても人事ではない気がしました。気の毒で。 さいわい、その後、板門店に3回行っているから、まっ、私としてはいいか‥‥。
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