「昭和維新の歌」その解釈と鑑賞
昭和維新の歌(五番)
古(ふる)びし死骸(むくろ)乗(の)り越(こ)えて 雲漂揺(くもひょうよう)の身(み)は一(ひと)つ
国(くに)を憂(うれ)いて立(た)つからは 丈夫(ますらお)の歌(うた)なからめや
文 法
古び(動・上一・用) し(助動・過去・体) 死骸(名) 乗り越え(複動・ヤ下二・用) て(接助詞)
雲(名) 漂揺(形動・語幹) の(格助詞) 身(名) は(助詞) 一つ(名)
国(名) を(助詞) 憂い(動・ハ下二・用) て(助詞) 立つ(動・タ四・終) から(接助詞) は(係助詞)
丈夫(名) の(助詞) 歌(名) なから(形・ク・未) め(助動・推量・已) や(係助詞・反語)
※ 活用形は文語文法による。尚、主要な助詞には「種類」を付した。
語 句
古びし死骸
古びた死骸というのは、人間の死骸を指しているのではなく、形骸化し機能を失った社会機構、腐敗した世の中、打破し一新しなければならない対象すべてと解釈したい。
漂揺の
ただよいゆれる。ただよい動く。形容動詞の語幹プラス格助詞「の」で連体修飾語になり、感動を強める。
憂える
よくないことになるのではないかと心配する。心を痛める。また、嘆き悲しむ。
丈夫
《「じょうぶ」とも。中国の周の制度で1丈(約2メートル)を男子の身長としたところから》りっぱな男。ますらお。
なからめや
なから(形容詞「なし」の未然形)プラス(助動詞「む」推量の已然形)に係助詞「や」が接続することによって、反語の意を表す。「〜ないはずはない」「〜ないだろうか、いやある」。
解 釈
この腐敗した世の中を打破し一新しようとする一介の我が身は、あたかも悠然と漂い動く雲のように、何
事にもとらわれない純粋な境地にある。我々が国を憂いて立ち上がるからには、我々の雄姿を讃える歌が
ないことがあろうか(我らの心意気こそがまさに詩そのものなのである)。
鑑 賞
一番、二番、三番の歌詞はおおむね世情分析である。世相は世の中に失望して自殺者が増え、公序良俗は乱れている。役人は高慢、財閥は富を貪るだけで国を憂える気持ちなどさらさらない。能天気に人々は浮かれているが、こんなことで果たして国の行く末は大丈夫なのであろうか‥‥。まさに憂国の嘆きである。それに対して四番、五番は決起を前にして憂国の志士が勇壮な決意を表している部分である。青年の純粋で気高い志を、悠然と漂う真白い雲に重ね合わせ、もはや俗世に迷いなどあるはずもない。泰然自若と構えた心境には、すでに余裕すら感じられる。決起に向けた精神の揚棄、浄化された魂の境地がそこにはある。 つづく
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「皇国護りよ」の四番は「友と歌ひて文ひもとくも剱とらずばなかせむ」と同じように決意を表明しています。止むにやまれぬ大和魂の発露でしょう。
2007/12/3(月) 午後 6:07 [ hiromichit1013 ]
三上卓氏はその歌が念頭にあったのでしょうか。「皇国の護りよ」をますます鑑賞して見たいと思いました。
2007/12/3(月) 午後 7:22
傑作に○!
2007/12/9(日) 午後 2:59 [ 太郎ともも ]
bieさん、ここにも「一言」お願いしたかったです。傑作を頂戴していながら、スミマセン!
2007/12/9(日) 午後 5:04
つまらぬことを書かないほうがいいと思いまして。
突っ込めるすきなしと思いました。
2007/12/9(日) 午後 5:32 [ 太郎ともも ]