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どっちが正しいの?

どっちが正しいの?

 あの低俗新聞『毎日新聞(毎日jp)』に、「牧太郎の大きな声では言えないが…」という名物コラムがある。8月18日付けの記事に『次郎長を応援する!』と題して、次のような記事が載っていた。

                          前 半 省 略

イメージ 1 ヤクザ映画に登場する丁半ばくちをご存じだろうか。ツボと呼ばれるかごにサイコロを二つ入れて、ツボを振り、出たサイコロの目の合計が丁(偶数)であるか、半(奇数)であるかを予想する。江戸の昔、清水次郎長も国定忠治も丁半ばくちの毎日だった。

 ところが「丁半ばくちは不公平だ」という意見が飛び出した。かつて「文芸春秋」の名編集長で歴史小説家の半藤一利さんが雑誌「遊歩人」最新号で「仁義双六、丁半かけて」と題してこんなことを書いている。

 「丁(偶数)の目が出る場合は1−1、1−3、1−5、2−2、2−4、2−6、3−3、3−5、4−4、4−6、5−5、6−6の12通り。逆に半(奇数)の目は1−2、1−4、1−6、2−3、2−5、3−4、3−6、4−5、5−6の9通り。丁の目は12通り、半の目は9通りで、目の出る確率は4対3なのに、次郎長も、忠治も、英五郎も、仁吉も、それをとくと承知で、丁半勝負は公平と決めてかかって『よござんすね』と勝負していたのであろうか」

 そう言われてみれば……? しかし、そうだろうか。僕の意見を申し上げる。二つのサイコロにAとBと名前をつける。Aが1を出した時、相手Bの目は1であったり2であったり……つまりA1−B1、A1−B2、A1−B3、A1−B4、A1−B5、A1−B6の6通りの組み合わせが可能だ。A2に対しても、同じようにBは6通り。つまりA1〜A6まで相手Bの組み合わせは36通りである。そのうち18は丁、18は半。全事象を考えてみると丁半ともに18/36で同じ50%の確率である。

 半藤先生の説は正しいのか? あの世の次郎長は「冗談は顔だけにしておくんなせぇ。これは確率論のイロハ!」と笑っているかも?
                                    ( 『 毎日新聞 』 2008年8月19日 東京夕刊 )

イメージ 2 実は、この記事を読んで、生来数学(算数)が苦手な私も戸惑った。確かに半藤先生の説にも一理あるし、記者の説にも一理ある。‥‥ん〜、どっちが正解なのだろう。紙を取り出してきて、記者が言うようにA1−B1、A1−B2、A1−B3、A2−B1、A2−B2、A2−B3‥‥A6−B1、A6−B2、A6−B3‥‥A6−B6、と書いてみた。全部で36通り。そのうち偶数の組み合わせに丸をしてみると、確かに半数の18になる。

 よーく目を凝らしてみると、「A1−B2、A2−B1」、「A1−B3、A3−B1」と重複しているところがある。つまり半藤説は、「奇数+偶数」と「偶数+奇数」を一緒にしてしまっているために、こんな説になるのだということが、ようやく解った。数のトリックである。

 さっそく女房にこの記事の問題を出すと

女房 「記者さんの方が正しいんじゃないの?」

私  「何で?」

女房 「だってそれって、中学校で最初に習う‘確率’の話じゃん〜!」

 くそ〜、オレは中学生以下か‥‥。

 不覚であった‥‥。


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