国策映画とやらを観た
ここ最近、戦時中に作られたいわゆる国策映画というものに嵌っている(嵌っているといっても2作品を観ただけだが)。一つは『上海陸戦隊』(東宝1939年)。もう一つは『ハワイマレー沖海戦』(東宝1941年)。いくらDVD化された映画だとはいえ、なにぶん古い映画なので、映像が少し飛んだり音声が聞き苦しかったりする。だが、こうした映画を映画鑑賞という観点ではなく、歴史的資料として観る分にはなかなか興味深いものがある。今回はそのうちの『上海陸戦隊』の雑感を書いてみたい。
『上海陸戦隊』 昭和14年(1939年) 東宝映画
昭和12年8月、大山大尉殺害事件を発端に日本帝国海軍陸戦隊と中華民国軍の間に戦闘が勃発した。陸戦隊の兵力は中国軍に対して決定的に不足していた。陸軍部隊が上陸するまで彼らは持ちこたえなければならなかった。(wiki)
何よりも驚きなのは、この映画が1937年8月12日に勃発した第二次上海事変の様子を、わずか2年後に映画化している点である。上海の町並みも当時のまま。海軍省後援だけあって、飛行機や戦車、火器なども本物が投入されている(九三式サイドカー、軍用トラック、八九式中戦車、ビッカーズ・クロスレイM-25装甲車、九二式六輪装甲車など-ブログ『かぽんのこだわり道場ミリタリー館』より-)。おそらく、これらの航空機や車輌は、終戦時(1945年)にはほとんど実戦などで破損していたに違いない。それを思うと妙にリアルである。
また銃撃戦においても、実銃に空砲を装填して使用しているせいか、やたらとうるさい。ただでさえ俳優の声が聞き取りにくいというのに、この銃声はそれをさらにかき消すようにリアルである。映画にはストリーがあるが、この映画はむしろセミドキュメンタリー的に作られているので、俳優のセリフなどむしろ二の次で、実戦の臨場感が命なのだろう。
その聞き取りにくいセリフで興味深かった点は、通信兵が命令を受信する際、命令を復唱しながらいちいち「はい、はい」、「はー、はい、はい」と二度三度、返事を繰り返している点である。返事は「はい」と一度言うのがマナーであって「はい、はい」と二度、三度返事を繰り返すのは相手に対して失礼だと躾けられていた(?)私にとって、通信兵のこの対応の仕方に違和感を覚えた。だがよく考えてみれば、当時の通信機の性能や、銃弾飛び交う戦場においてはそうした対応をせざるを得ない、いや、むしろ命令確認のため、必須・必然だったのであろう。命令伝達の授受に間違いがあってはならない。そんなふうに思った。
「永遠の処女」という異名を持つ原節子[註1]が、19歳で出演しているのも興味深い。役柄は日本軍に反抗的な中国娘。ほとんどストリーらしいストリーをもたないこの映画に、あえて反抗的な中国娘の存在を描く必然性はないと思うが、なぜか親切な日本兵に反抗的なシーンが描かれているのである。戦後この映画を「戦意高揚映画」「国策映画」と烙印を押した左翼ジャーナリズムは、唯一この日本兵に反抗的な中国娘の眼を、監督の眼、作品の隠れた真のテーマではないかと勝手な解釈をしていたが、笑わせやがる。中国人の中には偏屈な者が多いと、単に軽く描写しているだけなのに‥‥。左翼人の、善を悪に、悪を善に曲解する典型である。
最後の場面で無数の中国兵が、チャルメラを吹きながら突進して来る場面は恐怖そのものである。朝鮮戦争のときアメリカ兵がチャルメラの音に戦慄したというが、戦争になると中国兵はチャルメラを吹き、ドラを打ち鳴らしながら進撃してくるのである。おそらく現代戦でも中国軍はそうなのであろう。
総勢600名を率い朝貢外交をした小沢一郎。その返礼に昨日笑顔で来日した習近平副主席。その支那高官を迎えるに当たって、畏れ多くも天皇陛下を政治利用した民主党‥‥。この中国軍の侵略と戦う『上海陸戦隊』という映画は、決して過去の歴史を扱った映画ではないのである。機会があれば是非ご覧ください。
[註1]
この映画を監督した熊谷久虎は、原節子の義兄である。今から30年ほど前、私はこの原節子に会いに行ったことがある。原節子は『忠臣蔵』(稲垣浩 監督、1962年)を最後に映画界を引退した。以後、誰も彼女に会ったことがないという、正に神秘のベールに包まれた存在なのである。あの淀川長治氏でさえ、面会を申し込んだが拒否されたという。果たして私は会うことが出来たのか‥‥? そのときの体験談は、地元のミニコミ誌にも書いたし、『キネマ旬報』でも少し触れた。機会があったら、またこちらのブログでも取り上げてみたいと思います。
shiraty5027
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この第二次上海事変は聞いてますが
ある意味歴史と見てもいいのでしょうか
今の政治家で このことを知ってるのは何%いるのでしょうか???
2009/12/16(水) 午前 11:29 [ 道後 ]
水大師さま
おそらく民主党の連中は
誰もこの事実を知らないでしょう。
知っていたら
あんな馬鹿げたことはしない。
国際政治に、まして中ロ朝には「友愛」は通じません。
傑作ありがとうございました。
2009/12/16(水) 午前 11:49
こんばんは。
上海陸戦隊の記事拝見しました。これはまさしく歴史そのものですね。私も実物を見てみたいです。いつもながら5027さんの深い内容の記事に敬意を表します。傑作!
2009/12/16(水) 午後 5:46 [ - ]
siaさま
いつもありがとうございます。
このDVDは多分レンタルショップにあると思います。
是非ご覧になってください。
傑作ありがとうございました。
2009/12/16(水) 午後 8:57
原節子という女優さんは30年前も生きてらしたんですか
スミマセン、、、、もっと早くにとっくに・・・とばかり思っていました。
彫が深く日本人離れしたきれいな方ですよね〜
ポキッ
2009/12/17(木) 午後 1:06
カンナ姐さん
まだ存命だと思いますよ。だって訃報を聞きません。
原節子が映画界を引退した理由の一説に
「ワキガ」の問題があったといいます。
本当かどうか知りませんがwww
傑作ありがとうございました。
2009/12/17(木) 午後 1:35
原節子の後話、期待してます。
小沢が韓国の大学でした講演が許しがたいものです。
shiratyさんにぶった斬って戴くと溜飲が下がるのですが・・・
傑作です。
2009/12/17(木) 午後 2:57 [ 出羽の守 ]
出羽の守さま
国内政治については、書きたいことがいっぱいありますが
やめときますw
理由
・他の有志がたくさん書いておられること。
・分野が広くなりすぎてとりとめがなくなること。
・面倒だから。
理由が三つもあるのですから、勘弁してくださいw
原節子と面会の件、二十数年前に書いたものを
記事にしたいと思います。ただいまよりその準備に入ります。
傑作ありがとうございました。
2009/12/17(木) 午後 4:04
スマップのキムタクってご存知ですか?
デビューしてしばらくキョーレツなワキガだったそうです。
職場の後輩で全国をオッカケしていた子が言ってました。
手術で治したそうです。
2009/12/18(金) 午後 11:06
カンナ姐さん
キムタク?
知ってますよそのくらい フン
そうですか、彼はワキガだったんですか‥‥。
天は二物を与えませんねw
2009/12/18(金) 午後 11:51