盗人猛々しいにもほどがある
北朝鮮が7月5日にミサイル発射実験を行い、10月19日に核実験を行った。その間北朝鮮国内では何が行われていたのか。『第10回平壌国際映画祭』(9/13〜23)である。今回の祭典には30余カ国と国際機関の50余の団体が制作した70余編の映画が出品された。最優秀映画賞を受賞したのは、ドイツの反ナチス映画『ナポラ』である。
『ナポラ』とは、National Political Academyの略で、第2次世界大戦当時、ナチスドイツが青年たちを戦争にかりだすために設けた「エリート養成校」のことである。 ボクシングの才能を認められ同校に入学した主人公が、貧乏生活から抜け出し、両親を楽にさせようとその学校に入学した。しかし、人を人とも思わないナチスの幹部たちや、さまざまな出来事を通じてナチスに幻滅し自主退学する。まさに反独裁国家、反全体主義国家をテーマにした作品である。その映画祭に招待されたドイツの映画評論家によると、「北朝鮮は、自国を独裁主義や全体主義国家とみなしていない」とコメントしている。北朝鮮は自国が自由で民主的な国家で、朝鮮を併合していた日本やその同盟国であったドイツは、今でも非民主国家、全体主義国家だとでもいいたいのか。
朝鮮総連の機関紙『朝鮮新報』は10月2日、この映画を取り上げて次のような記事を掲載している。「過去の過ちを反省するどころか、それを覆い隠すために、逆に朝鮮に対する<強硬政策>を推し進める日本と、自らの過ちを反省し現在もそれを推進しているドイツ。将来的にどちらの方に希望があるのか。考えるまでもないことだ。一歩外に出てみると、日本では見えなかったものが見えてくる。」‥‥と。さらに幼稚な分断作戦である。
開いた口が塞がらない。北朝鮮のどの口が言っているのか。盗人猛々しいというのはまさにこの事をいうのだ。歴史の歪曲、捏造を平気で行い、自国の過ちを棚に上げて責任を常に他国に転嫁する。いつもの常套手段であるとはいえ、真面目にそんなふうに考えているのかと思うと、ばかばかしいというか哀れでならない。厚顔無恥。恥を恥とも思わない彼らに、世界の常識は通用しない。
|