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大きな活字でご覧になるにはこちらをクリックしてください。 次期主力戦闘機:その課題と使命「日本を守る翼」宙に浮く FX選定先送り 防衛省は26日、来年夏までとしていた航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の選定時期を先送りする方針を固めた。米下院歳出委員会が、FXの有力候補だった最新鋭ステルス戦闘機「F22Aラプター」の輸出禁止継続を決定したことを受けたもの。2013年ごろから退役するF4戦闘機(91機)に代わる後継機の選定は事実上、白紙に戻ったといえる。配備スケジュールの見直しも避けられず、F4の使用延長などのやりくりを迫られる。‐ 以下省略 ‐ (『イザ!』 7/27 )
このF-2戦闘機も、当初予定されていた総調達計画数が141機から94機にまで削減され、今年度を最後に購入は終了するという。アメリカはこの共同開発により、日本の最先端開発部分(炭素繊維複合材の一体成型加工技術やレーダーの素子技術)を占有し、他の部分の失敗を理由に日本を突き放した。「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」「搾れるだけ搾り取ったら、ハイさようなら」という身勝手さである。この共同開発に当初日本で予定されていた開発予算は1650億円。結果はそれを大幅に上回り、3700億円にも及んだ。まさに、踏んだり蹴ったりである。 話を戻そう。アメリカが日本にF-22を売却したくないという背景には、極東の軍事バランスが崩れるという建前の裏に議会に占める民主党勢力の台頭、さらに親中派の台頭がある。日本の防衛に配慮するというよりも、中国の意向に配慮するという本音である。また、日本の機密管理能力に対する懸念といった理由もあるだろう。さらにうがった見方をすれば、6者協議を誘導するための戦略、ひいてはアメリカの世界戦略の一環なのかも知れない。 そこで気がかりなのは、それなら日本で独自の戦闘機の開発を推し進めるべきではないか、という意見である。アメリカが売却を拒んでいる以上、これを逆に好機と捉えて国産戦闘機の開発に本格的に着手すべきではないか、という意見である。確かにそれは正論であり、異議を挟むつもりはない。しかし問題は、現実的に戦闘機を独力で開発できるのかという「技術的な問題」と、その開発に携わる関係者の「組織的体質の問題」である。 戦後、わが国はアメリカの占領政策によって、日本企業による飛行機の運航や製造が禁止されていた時期があった。日本の再軍備を阻むアメリカの政策により、零戦など名機を生んだわが国の航空産業を潰す目的があった。日本の航空技術をアメリカがいかに警戒していたかは、その占領政策でも明らかなのであるが、ようやくその規制が全面的に解除されたのは1957年になってからである。初の国産旅客機YS-11機の開発が計画されたのが、その全面解禁を睨んだ前年、1956年である。1962年に飛行試験が開始され、本格的に量産体制に入ったのは1965年であった。実に敗戦から数えて20年の歳月を要したのである。その後も機体のトラブルが相次ぎ、苦労したのはいうまでもないが、この歳月の遅れは如何ともしがたくハンディキャップとして、わが国の航空産業に大きく、そして長く尾を引いている。したがって、たとえわが国が、部分的に最先端の技術を有していたとしても、トータルとしての航空機を考えた場合、技術的にも時間的にもその前途は険しいものであると予想されるのである。まして技術の粋を集めた戦闘機となれば、なおさらである。 「組織的体質の問題」については、先のF-2共同開発でも明らかなように、開発に携わる官僚や企業の姿勢である。「失敗を失敗と認めようとせずに小細工を重ね、レトリック(修辞)を弄しては言い逃れる“無謬”の日本の官僚。在任中に問題を起こさなければ、それでよしとする“ことなかれ”主義が、問題の根本である」(『中国軍に知られたF2の欠陥』イザ!7/14)という体質である。これは企業の側にもいえることで、隠蔽や先送りといったものの考え方は、両者に共通する。アメリカでは防衛技術の場合「スパイラル理論」が常識となっているという。失敗の原因を見つけだし、改良とテストを繰り返し成功を導き出すというのである。失敗を素直に認めてこそ成功が得られるという謙虚な姿勢がそこにはある。 国防というのは、一時の空白も許されない。待ったなしなのである。アメリカはおそらく紆余曲折はあるにせよ、いずれは日本にF-22を売却するだろう。その売却いかんに関わらず、わが国は一方で国産戦闘機の開発を推進していかなければならない。それにはお金と、時間と、たゆまぬ努力が必要である。それに何よりも、国防に関する真面目で下向き、謙虚な姿勢が大切である。次期主力戦闘機購入におけるアメリカとの果敢な折衝はいうまでもないが、上述二点の問題点の取り組みと克服が急務であるように思う。 |
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2007年07月27日
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