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大きな活字でご覧になるにはこちらをクリックしてください。 拉致問題:大事なことを忘れていないか? 拉致問題に関してその解決を望むのは、国民として誰もが異論のないところであろう。横田めぐみさんはかわいそう、有本恵子さんはかわいそう、大韓航空機爆破犯人の金賢姫を教育したリ・ウネこと田口八重子さんの消息はどうなっているのだろうか。他にも沢山の拉致被害者がいるというが、早く解放されればいい、と誰もが思っているに違いない。 ではなぜ、これほどまでに拉致問題解決を国民が望んでいるというのに、この問題が解決に向けていっこうに前に進まないのであろうか。北朝鮮に誠意がないから?北朝鮮に圧力をかけているから?北朝鮮の言い分を聞かないから?‥‥。そうではない。実は我が国には、国民をはじめ政府に「覚悟」がないからなのである。 拉致問題解決の慎重派はこう言う。「北朝鮮に対する対応、すなわち経済制裁は慎重にやるべきである。なぜなら単独でやっても効果がない。わが国が経済圧力を強めたからといって抜け道はいくらでもある。第一、日朝貿易よりはるかに中・朝貿易、韓・朝貿易の方が盛んであり、北にとっては痛くも痒くもない。むしろ他国と足並みを揃え、6者協議に悪影響を及ぼしてはならない。核問題解決があって、初めて拉致問題も進展するというものだ。それに、もし北が暴発でもしたらどうするのか‥‥」と。 馬鹿も休み休み言えといいたい。日本が北に対する経済制裁をやめたからといって、北が拉致被害者を返すとでも思っているのか。北朝鮮は経済制裁があろうとなかろうと、絶対に拉致被害者を返すつもりなどない。6者協議で足並みを揃えたからといって、それによって拉致問題が解決するとでも思っているのか。むしろ、よりこの問題解決が遠のき、うやむやにされるばかりである。北朝鮮が暴発?アホか。それで損をするのは北朝鮮である。そんな馬鹿なことは絶対、絶対、絶対、狡猾な北朝鮮がするわけがない。 要するにこれらの意見は、日本を腑抜けにさせ北朝鮮の金正日政権を延命させたい連中が言っている、たわごとに過ぎないのである。彼らは「たった400人の拉致被害者のために経済制裁を強化して、もし北を暴発させ日本で400万人もの犠牲者が出たらどうするのか?」「より沢山の日本人の生命と財産を守ることの方が先決である」という、もっともらしい屁理屈を並べ立てているに過ぎないのである。 かつて北朝鮮の日朝貿易による収益は、例えばアサリなどの海産物による貿易収入は41億円、スーツなどによる繊維製品は37億円。いずれもこうした収入は北鮮人民軍の手の中にあった。アサリなどの魚介類は、北朝鮮の子供たちの労働によって得られるものである。それを分捕って日本へ輸出し、それを日本人が喜んで食べていたのかと思うと、とても慙愧に耐えない。経済制裁の目的は、北朝鮮のGDP(国内総生産)をいかに減少させるかなのではなく、北の権力中枢においていかに「内輪もめ」を起こせるかという問題なのである。それによって金正日政権の崩壊を早めること‥‥。 北朝鮮の惨状はあらためていうまでもないが、寒さで壊死(えし)した足を引きずって道端で物乞いする少年たち‥‥。餓死して道端に放置されたまま、道行く人に見向きもされない民間人‥‥。脱北して捕まり、強制収容所で拷問を受けながら労働する未来を閉ざされた人たちの絶望は、かつてのユダヤ人が蒙った運命と同じである。また、女たちは収容所内で看守に強姦され、妊娠したら馬になって一列に数珠つながりに並ばされ、その女たちの背中に看守たちが次々に飛び乗って、女たちの腹を棍棒で叩いて流産させる‥‥。まさに地獄図、非人道が極まっている。 そんな国のこの悲惨な現状を放置していていいのか。独裁政権の延命に手を貸していいのか。拉致問題解決を口先だけで唱えながら、もっともらしい屁理屈を言っている連中は、実は拉致問題のみならず、こうした人権問題を真剣に考えようとしない、つまり似非平和論者、偽善者たちなのである。 アメリカ映画に『ブラックホーク・ダウン』という映画があった。これはソマリアの内戦に、国連平和維持軍として政治介入をしたアメリカ軍が、戦闘ヘリ・ブラックホークを民兵に撃墜され、その搭乗員をレンジャー部隊が救出に向かう作戦を描いたものであった。また、『プライベート・ライアン』という映画は、すでに3人が死亡した4人兄弟の末の弟を戦地から連れ戻す作戦を実行するため、仲間に犠牲を出しながらも、最前線の敵陣深く潜入する部隊を描いた作品であった。 たった数人の同胞を救うために、数量的にはそれ以上の犠牲を出す「覚悟」。民間人ならなおさら同胞の救出に犠牲も厭わぬ国家の構えなくしては、共同体としての信頼性が崩壊してしまう。そこには国家の名誉・威信・尊厳・共同体の信頼といった国民の生命と財産を超える価値が提示されているのである。 つまりわが国は、その「価値」を自覚し、真にその「覚悟」がない以上、拉致問題解決は望めないのである。ノドンやテポドンを打たれようが、その「覚悟」と「決意」がない以上、この問題は決して解決しないということなのである。 6者協議がどうであれ他国がどうであれ、この拉致問題はわが国と北朝鮮との「差しの勝負」なのである。妙な屁理屈をつけて拉致問題を先延ばしにするのではなく、ここは度胸を据えて果敢に勝負しなければならない。それが拉致問題解決のみならず、北朝鮮人民を救うことにもなるのである。 安倍首相にはその「覚悟」と「決意」を期待した。しかし現状ではそれはとうてい望めない。この問題ははっきりいって、時間との勝負なのである。いたずらに時間をかければ北朝鮮を利するのみならず、わが国はますます不利益を被るのである。一刻も早い政界再編を望む以外に術はないのであろうか‥‥。歯がゆくて仕方がない。 |
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2007年08月27日
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