北朝鮮問題

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日本の防衛:高物買いの銭失い!

                    性能劣る日本の情報衛星

イメージ 1 98年のテポドン発射を機に、日本政府は4基の情報収集衛星を打ち上げた。米国頼みでない自前の情報収集をという掛け声で約6千億円かけて整備したが、民間企業の衛星にも劣る解像能力のため、今回、ほとんど効果を発揮することはなかったようだ。

 ミサイル発射の前、米民間軍事研究機関グローバルセキュリティーは、デジタルグローブ社が撮影した北朝鮮のミサイル基地の衛星写真を何度も公開した。しかし、この間、日本の情報収集衛星が撮影した写真はl枚も公表されなかった。

 浜田防衛相は「我々の情報収集能力を大っぴらにするのは機微なところがあり、能力をすべて公開するのはなかなか難しい」と説明するが、政府関係者は「衛星情報は今も米国頼りで、日本の衛星はほとんど役にたたなかった」と明かす。

 政府は98年11月に情報収集衛星の導入を閣議決定。03年から順次、打ち上げを始め、07年2月に4基体制が整った。内訳は、デジタルカメラで撮影する光学衛星(分解能1メートル程度)2基と、曇天や夜間でも観測できるレーダー衛星(同3メートル程度)2基。07年3月にレーダー衛星1基が故障したが、4基で運用すれば、1日1回、地球上のどの地点も撮影できるという。

 ただ、日本の情報収集衛星は「宇宙の開発及び利用は平和目的に限る」とした69年の国会決議に従い、解像能力は民間レベルに抑えられた。防衛省が米軍から画像の提供を受けている偵察衛星の分解能は約15センチ、同省が画像を購入している米国の商業衛星でさえ約60センチと、能力面での見劣りは大きい。

米国や韓国の政府当局者は、北朝鮮が3月25日にミサイルを発射台に設置したとメディアに語った。しかし、河村官房長官は記者会見で「各国間の情報交換のルールを破ると、以後の情報を交換できなくなる問題がある」として明言を避けた。

 日本が情報収集衛星で独自に裏付けをとっていれば確認は可能だったろうが、政府関係者によると、日本の衛星の精度は「発射台のわきでロケットの据え付けが進む様子がかろうじてわかった程度」。事前の了解なく米国から得た情報を明かすわけにもいかず、河村氏としては言葉を濁さざるをえなかったとみられる。

 今回のミサイル発射を受け、政府・与党内では再び「安全保障にかかわる独自の情報収集能力を高めるべきだ」との議論が再燃。赤外線センサーでミサイル発射を探知する早期警戒衛星の導入論まで出ている。

 昨年5月に成立した宇宙基本法が宇宙の防衛利用に道を開いたことから、政府は現行の情報収集衛星の後継機で解像能力の向上を検討しているほか、防衛省はすでに、早期警戒衛星の一部である赤外線センサーの研究に着手している。

 だが、早期警戒衛星導入のコストは情報収集衛星をはるかに上回る。防衛省内では今のところ冷静な受け止めが大勢だが、「一気に情報収集衛星の導入が決まった98年のことがある。この先どうなるかは分からない」(幹部)との声もある。
                                          ( 『 朝日新聞 』 朝刊 2009.4.14 )

 本当に、日本の防衛政策(兵器購入)は「安物」ではなく「高物買いの銭失い」である。自分のお金ではなく税金だと思って、無分別に高価で不必要か中途半端なものを買いまくっていやがる。

イメージ 2 自衛隊の装備には、不必要でやたら諸外国と比べて高価なものが多いが、金をドブに捨てた事例を一つご紹介したい。空中警戒管制機(AWACS)輸入がそうである。AWACSとは、上空でレーダーによって敵を発見し、その情報を味方戦闘機に与え、空中戦を指揮・管制する。これをもつことによって、電子情報収集能力と空中戦の指揮・管制能力は格段に向上する。だが、電子装置の固まりであるAWACSは値段が高い。

 1976年、わが国は ミグ25亡命事件 によって、防空体制の欠陥が発覚しAWACSの導入が討議された。しかしそこでAWACSは大げさすぎる、情報収集機能のみで指揮・管制能力を欠く早期警戒機(AEW)のE-2Cで十分だということになった。かくて、E-2Cが12機購入されて、三沢を基地として活動を始めていた。それなのにAWACSも必要だということで、1992年新たにAWACSを導入することに決ったのである。どの国の空軍でも、AWACSとAEWを二重に装備している国はない。AWACSがあれば、AEWは不必要だからである。このように、屋上屋を重ねる結果となったのは、最初の見通しと判断が誤っていたためである。

 4機ほど購入の決ったAWACSの一機当たりの価格は500億円台。米国メーカーがすでに生産を打ち切っていたため、価格は以前の倍近くになった。初期に購入しておけば、安いうえに、E-2Cの無駄はなかったのである。

 今回、この記事にある偵察衛星も然りである。確かに69年の「宇宙の開発及び利用は平和目的に限る」とする足かせの国会決議があったせいかも知れないが、そもそもそれが、わが国を取り巻く軍事的状況認識の甘さなのではないのか。民間衛星にも劣る偵察衛星を買って、そんなものがいったい何になる。何の役に立つと思っていたのか。そんなものが、わが国の防衛上何の役にもたたないことなど、素人にだって分かる。

 明治以来、日本の兵器行政は褒められたものではない。その悪しき伝統を自衛隊は引きずっているのである。誤った「武器輸出三原則」(註1)の解釈。さらに輸入兵器についての選定や導入時期のまずさ。限られた利権を食い物にしようとする政治家や防衛官僚。山田洋行のような利権に群がる悪徳業者たち。そうした連中の介入を容易に許してしまう防衛省の体質と構造。こうした諸々の事情から、否応なく導き出される防衛予算の高騰‥‥。 問題の核心は、やはり政治家の平和ボケ、「防衛」に関する“無知”と“事なかれ主義”にある。

 今回の反省から、将来的なわが国の防衛構想をしっかりと踏まえ、効率よく無駄のない兵器導入を検討・選定してもらいたい。出来れば米国で生産が中止されたF-22(ラプター)の復活・輸入を、死力を尽くして(国交断絶をも視野に入れた強力な圧力をもって)米側に働きかけてもらいたいし、欲をいえば、核武装の検討など、早晩わが国が装備せざるを得ない兵器についても、具体的に検討を進めてもらいたい。

兵器は国民の血税によって賄われているんだぞ!
政治家はそのことを忘れるな!

註 1

武器輸出三原則

 武器輸出三原則は共産圏と国連決議による武器禁輸措置をとられた国、及び紛争地域への武器輸出を禁止したものであり、他の地域への武器輸出は「慎む」とされているため、別に武器輸出そのものを禁止しているわけではない。にも関わらず、我が国の兵器産業は輸出を自粛しているのである。1976年(昭和51年)、ときの三木武夫首相が「武器」の定義に枠をはめた。つまり(1)軍隊が使用するものであって直接戦闘の用に供されるもの 。(2)本来的に、火器等を搭載し、そのもの自体が直接人の殺傷又は武力闘争の手段として物の破壊を目的として行動する護衛艦、戦闘機、戦車のようなもの 、と「武器」の概念をさらに限定したために、一層、国内軍事産業は萎縮することになった。現在も、その呪縛から逃れられないでいるのである。

参 照


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