終わり悪けりゃすべて悪(あ)し?
昨日(3/22)のTV『たかじんのそこまで言って委員会』。これは関東圏ではやっていない番組で、出演者(パネラー)たちの歯に衣着せない毒舌ぶりが売りものの、政治バラエティ番組である。前半のテーマは「北朝鮮ミサイル発射。その日、一体何が起きると思いますか?」。ゲストは日本初の軍事アナリスト・小川和久。司会は、やしきたかじん、辛坊治郎 (読売テレビ解説委員)。パネラーは、三宅久之、田嶋陽子、桂ざこば、原田眞人、高橋洋一、勝谷誠彦、宮崎哲弥、山口もえ。
小川の話は「なるほど、さすが軍事アナリストだな」と感心する部分と、「なんじゃこいつ」とガッカリする部分と両極端であった。今回はパネラーの小川に対する質問とその答え(重要と思われる部分)をご紹介したい。
北朝鮮は本当にテポドン2を発射すると思うか?
おそらく発射するだろう。北はこれまで言ったことは必ずやってきた有言実行の国(←?)。発射の日程を公表した(4月4日〜8日)ことからも、戦争にならないように周到に実行するだろう。
北は前回テポドン2の発射に失敗しているが?
前回の失敗は、ミサイルに燃料を早く入れたため腐食を起こし、発射後50秒以内に機体がバラバラになった。今回は燃料注入システムが進歩している可能性があり、パキスタンやイランとも弾道ミサイルの研究を進めてきているので、みんなが思うような「バッタもん」ではなく、日本列島を超え8000kmくらいは飛ぶのではないか。もしかしたら軌道投入(人工衛星)もあるかも知れない。
これまで北は国際ルールを無視してミサイルを発射してきたが、今回は一応国際ルールに則って発射しようとしている。その理由は何か?
国際社会に復帰する意思を示しておく狙いがあるのではないか。後継体制の問題等から、米国をはじめ関係国が、自分たちの望む支援をしてくれたなら核開発をやめる。打ち上げるのはあくまで人工衛星で平和利用のため。しかし、求める中身でなければ核の開発は続けるし、弾道ミサイルの開発も続けるという「両にらみ」という側面があるのではないか。
北が人工衛星の発射だと言い通せば、国際社会はそれを認めざるを得ないのではないか?
1998年8月31日、北が打ち上げたと主張する人工衛星ロケット。北は人工衛星を打ち上げたと主張しているが、人工衛星から発信される電波(歌)を誰も聴いた者がなく、それはデタラメだとみんなが分かっている。今回も同様である。
自衛隊や米軍の動きは?
自衛隊は緊急事態対処要領に基づいて、ミサイル防衛に必要な態勢をとっている。米軍はすでにイージス艦3隻を海上に展開し、パトリオット・ミサイルはすでに沖縄に配備済み(2006年9月)。航空総隊司令官(空自NO2:実戦部隊の司令官)が判断して命令すれば、いつでも撃てる態勢になっている。
テポドン迎撃についてよく分からない
テポドンは発射後10分で日本に着弾する。打ち上げてから5〜6分以内に撃墜するか否かの判断をしなければならないが、それがリミットであろう。テポドン2は高度500km〜600kmのところを飛んで行くと思われ、ミサイル防衛(MD)の対象外である。仮にそこでミサイルが空中分解したとしても、大気圏突入でほとんどの破片は燃え尽きてしまう。イージス艦のSM-3はミサイルが高度100kmくらいのところで撃つように出来ているし、パトリオットは15kmが射程距離である。
ということは、ミサイルの発射段階か、着弾する少し前にしか迎撃は無理なのか?
ブースト段階(上昇中)で迎撃するのがベストである。速度的にもフラフラと昇っていく段階で狙うのが最善であり、どこへ飛ぶのか分からない前段階で撃つというのも大事な要素である。
1. ミサイルを撃つという脅しが行われている段階で発射されたものは、直ちに北朝鮮領空内で撃墜する。
2. 国際ルールを無視して発射された飛翔体は、いかなる物であっても日本に向かってくる可能性があるから撃墜する。
日米いずれか、あるいは双方に脅迫が行われている状況では、ブースト段階で撃ち落すべきである。日本には米軍基地が85箇所もあり、米軍を攻撃するといってもわが国領土に着弾する可能性がある。「集団的自衛権」云々といったややこしい話をしないで、自分の国を守る「個別的自衛権」として、躊躇なくブースト段階で撃ち落すべきである。
| 日本の軍事力は、外国を占領する構造(戦力投射能力)にはなっていない。国民に対して、国際社会に対して、そのことをしっかりと説明すれば分かってもらえる話なのである。そのことをはっきりと表明し、ブースト段階で迎撃することを世界に認知させておくことが肝要なのである。 |
| 要は政治のリーダーシップの問題なのである。 |
なるほど、卓見である。
その後、「全国瞬時警報システム」(J-ALERT)の話や、わが国の危機管理能力の脆弱さ、米軍が「サード・ミサイルによる迎撃発射実験成功」(ハワイ・カウワイ島で米軍が大陸間弾道弾‐ICBM‐の迎撃に成功したニュース)をなぜ今ごろ公表したのか、日本にテポドンが間違って着弾した場合「サージカル・ストライク」(米軍が北朝鮮の重要な目標に限ってピンポイント攻撃をする)が機能するといった話しがあった。
だが最後が悪かった。話が田母神閣下に及んだとき、小川は
あれ(田母神閣下)はアホですよ。オレ(小川)が右翼だから彼らが文句言えないだけで、(田母神閣下の発言は)思想・心情の問題、言論の自由の問題ではない。あの立場でやっていいことと悪いことの判断がつかなかったから。アメリカはあいつ(田母神閣下)に対して、本来ジェネラル田母神(田母神将軍)と言わなければならないところを、キャプテン田母神(田母神大尉)と蔑んでいる‥‥。
せっかく「テポドン問題」について立派な話をしても、この一言で台無しである。小川の評価はこの一言で地に堕ちたのである。田母神閣下はあの立場で正論を述べられたからこそ、意義があったのではないか。何を馬鹿げたことを言いやがる。「終わり悪けりゃすべて悪し」。最後にきてガッカリする、あと味の悪い小川であった。
shiraty5027
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