悪のアメリカ
西尾幹二先生の「GHQ焚書図書開封」は面白い。今回採り上げられたのは『米国の世界侵略 大東亞戦争調査会編』(毎日新聞社・昭和19年)。番組のタイトルは「戦中の日本人は戦後のアメリカの世界政策を知りつくしていた」である。
構成は前半と後半とに分かれ、前半は平野義太郎と白鳥敏夫の論文が紹介されている。それを要約すると
平野義太郎
アングロ・サクソンは自ら神の選民でありとし、その神の意思に従って世界をアングロ・サクソンの支配下に置き、特にこれをアメリカ的に「同化」すべき神意(プロヴィデンス=天の配在)を授けられたと自惚れている。アメリカ人のよく口にする「※明白なる運命(マニフェスト・デスティニー)」という言葉は、この不遜な選民意識を表現したものである。
※マニフェスト・デスティニー(Manifest Destiny)とは、アメリカ合衆国のインディアンに対する民族浄化と黒人の奴隷使役によって進められた白人種の西部開拓を正当化する標語である。しばしば「フロンティア精神」と美化されて語られるが、実際は西部を侵略し、インディアンを撃滅して行く拡張主義を意味する。この標語は、
アングロ・サクソンの人種的優越感と道徳的貴族としての特権の妄信であるとともに、他面、非アングロ・サクソン人に対する軽蔑・侮辱を表示する。それは清教徒が富を栄誉と見、利潤の蓄積を気取って「天意の恵み多し」というような拝金主義に堕落したその信仰をさらに発展せしめ、いよいよ富と権力の独占へ超過利潤の追求へと進み、世界をアメリカの支配の下置かんとする世界征服(ワールド・コンゲスト)の衝動に拍車をかける、云々。
これがアメリカ人(白人)の本音だというのである。次に紹介されている白鳥敏夫の論文の趣旨は「アメリカは地球帝国主義国家であり、地域の覇権国を許さない」というもの。その背景にはアメリカのユダヤ金融資本のバランス・オブ・コントロールがあり、西尾氏の解説によると、現在も世界はその手中にあるという。たとえば、それらの圧力によって我が国の「円」を基軸通貨にさせないことや、支那の経済台頭を抑えるために日本の円安をコントロールしたり、ヨーロッパでドイツが強くなり始めるとドイツいじめを画策する。それがアメリカの本質であり本音だというのである。
さて、後半は三宅哲一郎の巻頭論文が紹介されている。むしろこれがメインである。キャプションは『汎米主義より世界支配政策へ』。
米国臨時外交の特色は、戦争遂行に必要な外交の展開以外に、戦後、英国及びソ連を含めた戦争参加国のいずれもがすべて疲労困憊の極に達し再起の余力なきに至るであろうことを予想して、その予想をもとに世界政策実現の方向へと活発な動きを示し、同時にそれを以って国内士気高揚の宣伝的効果を、云々。
三宅哲一郎は、大戦前にアメリカが戦後戦略として国際連合を想定し、自ら投票によらない安保理常任理事国に居座ることをすでに予測、指摘しているのである。さらに、ヨーロッパにおけるNATOや日米安保による自らのプレゼンス確保なども的確に予言しているのである。解説者の西尾先生曰く、
戦前から日本人(の知識人)は現在に至るアメリカの蛮行を見抜いていた。それを知りながらやられたのが日本の悲劇なのである。(昔も今も)現実の政治が馬鹿だから、ずるずるとアメリカの謀略に引き込まれ、とんでもない悲劇にまた巻き込まれる可能性がある。(昔も今も)政治家や官僚、ジャーナリズムがダメなんだ。
追 記
西尾先生は、戦後の外務省官僚を馬鹿だ馬鹿だと罵倒する。つまり、ユナイテッド・ネーションズを「国際連合」と誤訳し、理想化したからである。ユナイテッド・ネーションズの正しい訳は「連合国」であり、日本と戦った相手である。未だに国連には日本を対象にした「敵国条項」がある。正確に「連合国」と訳されていたなら、今日のように国連に幻想を抱く馬鹿は少なかったのに。その国連を金科玉条に奉り崇拝しているのが小沢一郎。西尾先生は小沢一郎も馬鹿だ馬鹿だと罵倒。ああ、小気味がいい。
GHQが真っ先にこの本を焚書にした理由がよく分かる一冊である。とにかくこのオラのわけの分からない記事を読むより、実際に西尾先生の講義をお聴き下さい。その方がよっぽとよく分かり為になります。じゃ最後まで読ませるなって? ゴメン。
shiraty5027
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