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皮膚筋炎 dermatomyositis

[臨床像]四肢近位筋群、頸筋、咽頭筋などの対称性筋力低下をきたす横紋筋のびまん性炎症性筋疾患である。1991年年間推計受療患者数は、皮膚筋炎3,000名である。年間発病率は100万人当たり2~5人と推測されている。発症年齢は、5〜15歳に小さな、40〜60歳に大きなピークがある。男女比は1:2で女性に多い。成人例では30-40%で内臓悪性腫瘍を合併するが小児ではほとんど見られない。筋症状は当初は筋肉痛がよくみられる。また、四肢近位筋、頸筋などの筋力低下がみられることが多い。間質性肺炎は予後を左右する病変であり急性発症例の中には、急速に進行して呼吸不全となって死亡する予後不良の病型がある。-5年生存率は60〜80%であるが一部の症例は治療抵抗性であり、緩徐に筋萎縮が進行していく。主な死因としては、悪性腫瘍、間質性肺炎、誤嚥性肺炎、心不全、日和見感染症などが挙げられる。


皮膚筋炎では以下のような皮膚症状を認める。
○ヘリオトロープ(heliotrope)疹:上眼瞼を中心に出現する浮腫性かつ紫紅色の紅斑ただし日本人は皮膚が黄色調のため必ずしも紫が混じるとは限らない
 ヘリオトロープ:ムラサキ科の植物。非常によい香りがあり別名「香水草」と呼ばれる。草丈が30cmくらいになり、濃紫色の小さな花が多数集まって咲く。
○ゴットロン(Gotron's papules)徴候:手指関節伸側の落屑性紅斑、1/3の症例に認める
○逆ゴットロン徴候、mechanic's hand:手指屈側の紫紅色の皮疹。鉄棒まめ様紅斑とも呼ばれる
○Vネックサイン:前胸部にと呼ばれる紅斑や、
○shawl sign:頸部から肩にかけてのび漫性紅斑
○scratch dermatitis,linear streak,flagellate erythema:掻破による皮膚炎
○爪囲紅斑:ほぼ全例に認め、皮膚筋炎の初期より認める変化。SLE、SScでも認めるが出現頻度はDM>SLE>SSC
○爪上皮の延長、毛細血管拡張、爪上皮の出血斑、hang nail(ささむけ様の角化性紅斑)
○脱毛
○頸部から上背部にび漫性の浮腫性紅斑
 経過とともにpikilodermaの状態になる(多形萎縮性皮膚筋炎poikilodermatomyositis)
○指尖潰瘍
○皮下、筋肉内の石灰化:小児の10-20%に認める。運動障害を来たすことがあり、予後が悪くなる。
○難治性皮膚潰瘍:関節の伸側面ないし擦過部に発赤が生じその後自潰し難治性潰瘍となる。

皮膚筋炎及び多発性筋炎
1 診断基準項目
(1) 皮膚症状
 (a) ヘリオトロープ疹:両側又は片側の眼瞼部の紫紅色浮腫性紅斑
 (b) ゴットロンの徴候:手指関節背面の角質増殖や皮膚萎縮を伴う紫紅色紅斑
 (c) 四肢伸側の紅斑:肘,膝関節などの背面の軽度隆起性の紫紅色紅斑
(2) 上肢又は下肢の近位筋の筋力低下
(3) 筋肉の自発痛又は把握痛
(4) 血清中筋原性酵素(クレアチンキナーゼ又はアルドラーゼ)の上昇
(5) 筋電図の筋原性変化
(6) 骨破壊を伴わない関節炎又は関節痛
(7) 全身性炎症所見(発熱,CRP 上昇,又は赤沈亢進)
(8) 抗Jo-1 抗体陽性
(9) 筋生検で筋炎の病理所見:筋線維の変性及び細胞浸潤
2 診断基準
皮膚筋炎:(1)の皮膚症状の(a)〜(c)の1 項目以上を満たし,かつ経過中に(2)〜(9)の
項目中4 項目以上を満たすもの
多発性筋炎:(2)〜(9)の項目中4 項目以上を満たすもの
3 鑑別診断を要する疾患
感染による筋炎,薬剤誘発性ミオパチー,内分泌異常に基づくミオパチー,筋ジスト
ロフィーその他の先天性筋疾患

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