感染性疾患

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[臨床像]熱帯地方の素足で生活する人にしばしば見られる疾患で、長期間靴を履くなど、多汗により湿潤した状態と、細菌感染により足底、指腹など機械的圧迫を受けやすい部位にに角層小欠損を生じ、境界明瞭な噴火口状の小陥凹(pit)を形成し、それらが融合して拡大する。悪化すると特有の悪臭を伴う。corynebacterium属、Streptomyces属が湿潤環境で繁殖し角質溶解酵素を分泌することにより生じると考えられている。
[治療]ブーツをしばらく履かない。また同じ靴は続けて履かない。皮膚を乾燥状態に保ち抗菌外用薬を塗布する。

疥癬 scabies

[臨床像]ヒト疥癬虫(Sarcoptes scabiei var hominis、別称ヒトヒゼンダニ)はダニ目(無気門亜目)、ヒゼンダニ科に属するダニの一種で、角質層に寄生し、掻痒を生じさせる。sarcoptesはギリシャ語で肉をえぐる、scabiesはラテン語で掻痒を意味する。疥癬は雌は0.4mm雄は0.2mmほどで、卵→幼虫→若虫→第2若虫→雌成虫→成熟雌と成長し、虫卵は3〜4日で孵化し、3〜4日の幼虫を経て、若虫となる。この若虫から成虫に脱皮するまではおよそ5〜6日。幼虫、若虫は皮表を動き回り適当なくぼみや毛穴をみつけてそこには入り込むか、短い穴を掘って身を隠す。雄の成虫は雌を探し求めて雌よりも活発に動き回り、交尾後、雄はまもなく死ぬが、雌は角質層内にトンネルを掘り、毎日2〜3個ずつ卵を産み続け、4〜6週生き続ける。50℃10分間の熱で死ぬが、人体から離れて2週間はいきていたという観察がある。疥癬に感作後約1ヶ月(この間にダニが増殖)、ノールウェー疥癬からの感染では4-5日後(ダニの増殖の必要がないため)で頭部、顔面を除く全身に掻痒を伴う淡紅色丘疹を認め膿疱や疥癬トンネルと呼ばれる線状疹を認める。疥癬では多くても1000匹以下(ふつう100〜200匹程度と言われている)、ノールウェー疥癬ではでは100万匹〜200万匹いるといわれる。
[治療]イベルメクチン200μg/kg(商品名:ストロメクトール 3mg、体重60kgでは4錠)を空腹時1回内服し1週間後再検し必要であればもう一度内服させる。特定療養費の枠内であるため患者本人(または代諾者)の同意が必要。また妊産婦や15kg以下の小児の安全性は確認されていない。イベルメクチンは経口駆虫薬で北里研究所の大村らが伊東市川奈の土壌中から放線菌Streptomyces avermitilisを発見し、この放線菌が産生する殺虫活性物質アベルメクチンを化学的に誘導しイベルメクチンが造られた。無脊椎動物の神経細胞、筋細胞に存在するClチャンネルに作用する。外用薬で治療する場合には、
  • 1日目:610ハップを入れて入浴、寝る前にγBHC(gamma-hexachlorocyclohexane)軟膏を首から下の方へ全体に薄くすり込む
  • 2-6日目:610ハップの入浴後、オイラックス軟膏を塗る
  • 7日目:γBHC軟膏を薄くすり込む
がおこなわれている。ただしγBHCは毒性が強く妊婦、授乳中、幼少児、高齢では使えなくまた、小児の死亡、高齢者の痙攣発作の例がある。海外ではペルメトリン 5%クリーム(商品名:ELIMITE CREAM)が用いられてて毒性は少なく妊婦に使ってもよい(母乳移行は不明なため授乳中は母乳を控える)。頚部より下の全身に塗布8-14時間後にして洗い流す、効果が低いときは1週間後塗布する。疥癬虫は熱に弱いため、患者の使用したものは50℃のお湯に10分間つけてから、洗濯がのぞましい。熱風乾燥機も効果がある。

帯状疱疹 herpes zoster

[臨床像]水痘・帯状疱疹ウイルス(Variccela-zoster virus:VZV)による感染症。水痘罹患後三叉神経節あるいは脊椎後根神経節に潜んでいたVZVが再活性化し神経支配領域に沿って疱疹が帯状に現れ、疼くような痛みを伴う。臨床的に一つまたはそれと隣接する神経支配領域に片側性に発症するが、まれに隣接していない離れた場所に生じることがある。2ヶ所であれば複発性帯状疱疹、3ヵ所以上を多発性帯状疱疹とよびその分布パターンより両側対称性、両側非対称性、片側性の3型に分けられる。頻度は1%以下である。水痘罹患者の約20%が帯状疱疹を経験するといわれる。疱疹は数週間(3週間)ほどでよくなるが、神経痛(帯状疱疹後神経痛:postherpetic neuralgia PHN)が後遺症として続くことがあり、50歳以上の発生率は50%に上る。夏に多く冬に少ないが差は少ない。好発年齢は10代、50代に多く二峰性を示す。帯状疱疹患者が内臓悪性腫瘍を持つ割合は多くないため性差の必要はないが、悪性腫瘍、自己免疫疾患患者では重症化したり、再発することがある。患者との接触で水痘が発症することがあるため、水痘既往のない人は注意する。ただし帯状疱疹がうつることはない。
  • 汎発性帯状疱疹:皮疹が出現して4,5日頃に原発部位から離れて撒布疹をみとめる。免疫が低下している人にみられ、ウイルス血症を起こして生じる。
  • Hutchinsonサイン:鼻背部に帯状疱疹(三叉神経第一枝)を認めたときには高率(50-82%)に眼合併症を来たす。出現時期が皮疹出現より2-3週後遅れてくることもあるため注意が必要。
  • Ramsay-Hunt症候群:外耳道や耳介の帯状疱疹で顔面神経麻痺や内耳神経障害を来たすもの。1907年にJames Ramsay Huntが論文を発表したことから名づけられた。治療にはステロイドの大量投与(200mg/dayからはじめ2週間前後で中止)が必要
[治療]発症後72時間以内、理想的には48時間以内に抗ウイルス剤内服により皮疹の経過と疼痛、PHNの予防に対して効果がある。急性期の疼痛緩和にはステロイド内服、神経ブロックを併用するとよい。ただしPHNの予防には無効。疼痛にはサリチル酸系やアリール酸系(ボルタレン)NSAIDの使用は控える。一般に強い疼痛をともなったり、局所の炎症、浮腫など強い炎症を伴う症例、眼合併症、運動麻痺の合併、Hunt症候群、などにはステロイドの全身投与が行われる。現在水痘ワクチンを健常者に接種し帯状疱疹の発症を予防しようとする試みが行われている。
[臨床像]様々な呼び方があるが日本性感染症学会では、2003年より「尖圭コンジローマ」という呼び方を勧めている。ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス、HPV)の感染によるSTD(性感染症)のひとつで性器や肛門のまわりに乳頭状、カリフラワー状、鶏冠状などの形状のイボができる。巨大化する(giant condyloma)ことがまれにあり本邦では20%の例で有棘細胞癌への移行を認めている。痛みやかゆみといった自覚症状は通常ないが、炎症をおこすと痛みやかゆみをともなう場合がある。またセックス時に違和感を覚える人もいる
 HPVは皮膚や粘膜の微小な傷から侵入、感染する。従って、感染予防にはコンドームの使用が効果的であるが、病変がコンドームでカバーできない広い範囲にあると感染予防ができない。また外陰部にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などがある場合 は特に感染しやすいので注意を要する。感染してから、病変が確認できるようになるまでに、3週間から8カ月(平均2.8カ月)かかる。パートナーの3分の2は、9ヵ月以内に感染をうけるという報告がある。
 男性の場合は、ペニスの亀頭、冠状溝、包皮内外板、陰嚢、女性の場合は、大小陰唇、腟前庭、会陰、腟、子宮腟部にイボができる。また男女とも、肛門内や肛門のまわり、尿道口にもイボができることもある。
 妊娠中に感染したり感染したまま妊娠したとしても、母胎内にいる胎児へは直接影響はしないので、胎児奇形を起こす心配はないが、分娩時に産道感染して性器の尖形コンジローマや小児喉頭乳頭腫を起こすことがあるため通常は帝王切開による分娩の適応となる。また、妊娠中に病変が一時的に悪化することがあるが、妊娠終了とともに退縮することも多く、従って妊娠中は治療をせずに経過を見るという場合もある。
 尖圭コンジローマは五類感染症(国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を一般の方々や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症)の定点把握(一定の医療機関からの届出)に位置付けられていて、全国約900カ所の性感染症定点より毎月報告がなされている。年代では20代の男女にもっとも多くみられ、若い年代(特に15〜29才)では、男性より女性の割合がやや多く、逆に30才以上では、男性に多い傾向がある。我が国では年間10 万人あたり30 人程度の発症がみられているが、1999 年4 月以降、他 の性感染症と同様増加傾向を示している。また、徐々に女性の占める割合が高くなってきている。報告のための基準は以下の通り。
 ○診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の基準
を満たすもの
 ・男女ともに、性器及びその周辺に淡紅色または褐色調の乳頭状、または鶏冠状の特徴的病変を認めるもの。
[病因]尖圭コンジローマの原因となる「ヒト・パピロマーウイルス」(HPV)は小型のDNA ウイルスで、約8,000 塩基対の2 本鎖環状DNA が正二十面体のキャプシドに包まれた構造をしている。エンヴェロープはない。90以上の型に分類されており、型によって感染部位と病理象が異なる。
主なHPVの型
皮膚に感染する型
 尋常性疣贅(1、2、4型)、皮膚癌(5、8、47型)の原因となる。
粘膜に感染する型
 尖圭コンジローマ(主として6、11型)、子宮頚癌(16、18、31型)
尖形コンジロームから1 、2 型や16 、18 型が分離されることもあるので注意が必要。
[治療]外科的治療には、切除、CO2 レーザー蒸散法、電気メスによる焼却法や液体窒素冷却凝固、インターフェロン局注、フルオロウラシル軟膏、ブレオマイシン軟膏などの塗布。外国では10 〜25%ポドフィリンアルコール溶液の塗布が行われているが、我が国では市販されていない。通常、ヒトパピローマウイルスの感染から尖形コンジロームの発症には数週間から3カ月程度かかるといわれているので、治療終了後も最低3 カ月は厳重な経過観察をして、再発の早期発見に努めることが必要である。また治療後3ヵ月以内に、約25%が再発するといわれている。垂直感染を予防するために、妊婦で発症した場合には分娩までに治療を終了するべきである。
 ウシパピローマウイルス感染がワクチンで予防できることから、ヒトパピローマウイルスに対する感染予防ワクチンは、高リスク型の中で最も高頻度で検出される16 型を中心に開発が進められており、米国で第1 相試験が行われている。

gloves and socks syndrome:GSS

[臨床像]手足のグローブとソックスの部位にそう痒、疼痛を伴う1−3mm大の紅斑丘疹と浮腫を認め徐々に紫斑へと進行する。手足口病と異なり水疱形成はない。37-38度の発熱、リンパ節腫脹、粘膜疹(硬口蓋の点状出血、小水疱、咽頭発赤、びらんなど)を伴う。10-30代の若い世代に好発する。白血球減少、好中球減少、血小板減少を認める。多くは6-10日で消退。原因はparvovirus B19、B型肝炎ウイルス、coxsackieウイルス、HHV-6、EBV、CMV、麻疹ウイルス、風疹ウイルスなどの報告がある。手足の腫脹と関節痛が著明なときはHPV B19のことが多い。

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