ニャンコとつれづれ

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診察時間が終わり、夜になって、
動物病院に一本の電話がかかってきました。
電話番号を見ると、今日ワクチンをうちに来ていた
ダックスフンドの飼い主さんからです。

・・むむっ、これは!

電話に出ると、案の定、心配していた内容でした。

「病院から帰って来た時は普通にしていたんですが、
 さっき顔を見たら、顔がずいぶん腫れて、気持ち悪そうにしています。」

ありゃりゃ、出ちゃったか・・。

どうやら、ワクチンの副作用でじんましんが出てしまったようです。
急いで、病院に来てもらうことにしました。

「夜分すみません・・。」

しばらくして、飼い主さんがダックス君を抱っこして病院に入って来ました。
顔を一目見るなり、僕も、
「あららら・・」
と声をあげてしまいました。

まぶたといい、口の周りと言い、
ずいぶんこれまた、顔がぽんぽこぽんになってしまっています。

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昼間来ていた子と、同じ子にはとても見えません。

「どうやら、ワクチンでじんましんになってしまったようですね。」

隠す必要もありませんので、考えられる原因を言いました
(それしか考えられないですけど)。

「去年は大丈夫だったんですけど、今年は出ちゃいましたね。」

去年は、5種をうっていて、特に変わったことはなかったのですが、
今年はワクチンを8種に変更したところ、
運悪く、副作用が出てしまったようです。

「吐いたり、下痢したりとか、他の症状はないですか。」

「今のところは、顔が腫れているだけですね。
 気持ち悪いのか、しきりに顔を気にしているようですけど。」

顔以外の部分も触ってみると、やはり、通常よりも、
皮膚が厚ぼったくなっています。
顔のじんましんが分かりやすいのは、骨の周りがすぐ皮膚で、
皮膚の浮腫が症状として目立ちやすいからです。

ワクチンの副作用としてあるのは、
今回の様なじんましんの他に、嘔吐や下痢、発熱などがあります。
その他、アナフィラキシーと言って、注射から15分以内に起こる、
尋急性のものもあるのですが、
アナフィラキシーが起こる可能性は、メーカーの説明では、
約10万頭に一頭以下、ということです。

中でもアナフィラキシーは怖く、低血圧でショック状態になり、
無処置だと命に関わることもあるのですが、
今のところ、幸いにして、僕は出会ったことはありません。

今回は、ワクチンの副作用の中でも、
皮膚に浮腫が出て、顔が厚ぼったくなる、
じんましんの症状が出ているようです。

急いで、ステロイドの注射をうつことにしました。
じんましんは、全身の皮膚がむずがゆくなって、
本人も気持ち悪くなるのですが、
ステロイドを注射すれば、一晩もすれば楽になってくれることが多いです。

ステロイドの注射をうつ間、本人はそれどころではないという感じで、
気持ち悪そうな顔をしていました。
吐いてもいないので、ステロイドの注射だけしておいて、
明日の朝まで様子を見てもらうことにしました。

注射が終わると、飼い主さんが僕に尋ねて来ました。

「来年からは、注射はどうすれば良いのでしょうか。」

「去年は、5種をうって大丈夫だったんで、
 もう一度、5種に戻すか、もしくは8種をうつのであれば、
 先にステロイドの注射をうっておいてから、ワクチンをうつかですね。」

「来年、5種をうった時、副作用は出ないでしょうか?」

うーん、これも、副作用が出た時によく聞かれる質問ですが、
こればっかりはうってみないと分かりません。

うってみないと分からないですね〜、と言うと、
飼い主さんも笑顔で、そりゃそうですねと言ってくれました。

とりあえずは、次のワクチンまで1年の猶予がありますので、
それまでに、どうするか考えてもらい、
また来年のワクチンの時期に、あらためてどうするか相談する、
ということになりました。

忘れないように、カルテの今日のところと、
カルテの表面に、来年また見落とさないよう、大きな赤い字で
「ワクチン後、顔浮腫!」
と書いておきました。

注射をうって、飼い主さんに説明をしたら、診察は終わりです。

「え〜と、お会計は?」

と聞かれましたが、会計はいらない旨を伝えました。
ワクチン後のアフターケアも、ワクチン代に込みですので、
副作用が出て、その対処をしても、
僕の病院では治療費はいただいていません。

ワクチン代は、ただバイアルから吸ってうつだけで高いお金をもらっている、
と思われがちですが、ワクチン代の中には、
診察代とアフターケアの分も入っています。
飼い主さんは、そのまま、安心した様子で帰っていきました。

ワクチンをうったあとの副作用は、どうしても時折出てしまいます。
アナフィラキシーはめったに出ませんが、一番多いのは、
嘔吐や下痢、じんましんなどです。

人間だと、熱が出てしんどそうになる子も、
ひとクラスに一人くらいはいるところですが(僕も昔熱を出しました)、
犬ネコでは、発熱という症状は、なかなか分かりづらいです。

中でも怖いのはアナフィラキシーであり、
アナフィラキシーがもし出た場合は、
発症から15分以内に、エピネフリンとステロイドの注射をして、
ラクトリンゲルの点滴をしなければいけません。

ぐずぐずしていると、ショック状態になって、
命に関わりますので、エピネフリンの注射液は、
あらかじめ10倍希釈した液を用意しておいて、
何かあった時いつもすぐにうてるように、準備だけはしています。

ワクチンをうつ時はいつも、副作用が出ないように、
心の中で念じながら注射をしているのですが、
中でも緊張するのは、何と言ってもダックスフンドにワクチンをうつ時です。

先日の学会でも、絹糸に対する副反応もダックスで起こりやすい、
と言っていましたが、ダックスフンドは、
犬種的に、そういう異物に対しての免疫反応に過敏な面があるのか、
ワクチンの副作用報告も、抜きん出て高いと言われています。

5種ではあまり反応が起きなかったのが、
8種だとなぜか反応する、ということも時折ありますので、
ダックスでワクチンを選択してもらう時には、それとなく、
5種を薦めるようにしています。

それでも、
「外に連れて行きますから、8種でお願いします。」
と言われることも多々ありますので、
そんな時は、ワクチンをバイアルから吸ってうつまで、
ずっと、「副作用出ませんように!」
と、心の中でお祈りをしています。

ダックスだから絶対副作用が出るというわけでもなく、
もちろん、出ない場合の方が圧倒的に多いのですが、
それでもうつ時は緊張します。

ダックスフンドに8種ワクチンをうった時は、
夜の電話が鳴らないかどうか、気をつけています。
ワクチンをうって、副作用が出たからと電話がかかって来るのはだいたい夜になります。

友人の獣医さんと話をしている時もそんな話で盛り上がり、
「最初から一緒に、ステロイドもうっておいた方がいいかもね。」
と、冗談だか本気だか分からない様なことを言っている人もいました。

たかがワクチン、されどワクチンです。
ワクチンをうって具合が悪くなるとは
思っていない飼い主さんも多いわけで、
顔が腫れたりしたら飼い主さんもおおいに驚いてしまいますので、
ワクチンの副作用が出た時は、
機敏に対応してあげたいところです。

※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。
 傑作、ランキングをクリックしていただけますと、うれしい限りです。
 転載、リンクはフリーとさせていただきます。

転載元転載元: どうぶつ病院診療日記

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