プチ☆不良シングルマザー・しずしずの日常報告!

今年も引き続き、目標は「ダブルワーク」と「成長」。あ、身体的じゃないよ

風恋

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昔々に書き溜めた詩、のようなもの。その3
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幼い春のまぼろし

それは、何気なく通った帰り道だった。

昔10年位前に働いていたビルの前。

ふと、歩道に視線をやった時、突然わき道から躍り出たような後ろ姿に

止まっていた記憶が光よりも早い速度で巻き戻った。


あまりに愛おしくて、あまりに恋しくて

繰り返し繰り返し心のスクリーンに映し出していた面影は

時の流れの前に色あせ、ぼやけて、今はもう幻よりも頼りなく

この胸の中で、ただ朽ち果てるだけだったのに

そう、もう、自分でも「忘れていた」と思っていたのに


その後姿と、車道を確かめる横顔を垣間見ただけで、

幻は春の彩を帯びるように黄泉返り

耳元で名を呼ばれた声さえ伴って、そこに現実として存在した。

その瞬間、二度と口にすることはないと決めていた名を、私はつぶやいていた。


止められぬ時と同じく、走る車を止められるはずもなく

ほんの刹那の邂逅は、春の冷たい風にさらわれる。

こみ上げる想いは、懐かしさなのか、恋しさなのか、絶望なのか。

同じ街に生きている現実を喜んでも、遠ざかる距離を戻せない悔しさにそれは変わる。


幼い春の風が、いたずらにみせた幻よ

また、夢として封印しよう

再び交わらぬ道を歩いていくために

風恋


あなたの背中がにじんで
街にかき消された
風のような優しさと冷たさで
この心をさらった人
振り向きもしない切なさが
この髪をかき乱す
なぜ
出会ってしまったのだろう
見えなくなった背中に問いかける
答えは雑踏の中
モザイクの灯りが痛い

あなたが5年遅く生まれ
わたしが5年早く生まれていたら
中途半端な年の差を埋められたのに
そんな愚かな考えが胸をよぎる
こうでしか出会えなかったふたりに
過去も未来も現実も無い

あなた以外失うものがないわたし
わたし以外なら失うものがないあなた
なにひとつかみ合わないのに
どうして残酷なまでに優しいの

悪いのは本気になった方か
本気にさせた方か

吹き付ける風が嘲笑う
答えなど初めからそこにある
わたしの罪として

あなたの背中がにじんで
見えなくなる
同じ風が二度と吹かないように
もう逢えない
もう逢わない
脆い誓いに泣きながら
それでも待ち続ける

あなたの声を
あなたの風を

あなたがいなくなって
春は更に彩を失くしている

もうその声で
名を呼ばれることはない

あなたがいた場所には
見知らぬ人に黒い影

毎日の理由があなただった
そこにあたながいたからこその毎日だった
忘れえぬ優しさの傷を残したまま
あなたのいない毎日に息が出来なくて
瞬いては消える残像を探している

忘れてしまう
あなたはきっと何もかも
それを止めることは
時間を止めることと等しく
絶望の瞳で見る春は
どこまでも彩を失くしたままで

十年前にめぐり会いたかった
あなたが指輪をはめる前に
私が夕日にさらわれる前に
罪と言われそうな年の差を越えて
私はあなたを離さなかった


彩を失くした春は苦しい
咲かぬ花が空に舞う
麗しいその色を忘れた季節に
あなたはいない






あなたはいない

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