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「狼」13号 読後感

先日手元に届いた個人文芸雑誌「狼」13号、隅から隅まで読み終わった。
考えてみたことがなかったんだけれど、私の書くものは抒情詩のカテゴリーにあたるのかな?(分類がよく理解できていないのでわからないんです。)どうしても抒情詩には、すんなりととけこめるような感覚を覚える。けれど、こうしていろいろな方のいろいろな匂いのするいろいろな詩を読んでみると、読みながら最終的に私なりに思うことはひとつだけだった。それは千差万別、十人十色、すなわち「みんなちがって、みんないい」というそれに尽きる。私は評論家でも専門家でもなく、ただひとりの詩を大事に思う人間で、こうして詩を読む心を持っていてよかったと、余韻を抱きしめていた。

昨日、Amazonから本が届く。ユン・ドンジュの「空と風と星と詩」
大事に読もう。

最後の3ページで、ぽろぽろぽろぽろ涙が止まらなくなって、読後感の余韻がとてもよかった本です。全編を通して、誰も彼もがいい人ぞろい(私的には)でした。前の住居人が忘れたノートを見つける女子大生がノートを読み進みながら現実の世界で折り目正しく恋愛をしていく運命のおはなし。

私はとにかくたくさん本を読みますが、ここに書くのはその中でも特に印象に残ったものだけです。そういう意味ではこの本は忘れちゃう10冊に入らず、記憶に残る1冊だと思います。

この本は、男性視点と女性視点で同じ物語がそれぞれ描かれる二冊仕立てのお話でした。
お話もとてもよかったです。人にはそれぞれの哀しみの感度ってあるんだと思っていますが、その感度が同じくらいの感度でも、小さなすれ違いやずれで、心がどうしようもなく離れてしまうことってあります。心と心は言葉とか温度とか何か手段を使わないと、本当に通じ合うことやはり難しいです。

哀しみを持たない人は多分いないし、孤独を感じない人も。でもやっぱりそれも個々の感度によって違いますよね。私はどちらかというと敏感なので、こうして書いているのかもしれない。本読んでてすぐに泣いちゃうしね。

さて、特筆すべきは、韓国の詩人「尹東柱(ユンドンジュ)」の作品です。この本の全編に渡って散りばめられているこの詩人の息吹はすばらしかったです。この方の詩集を探してみたいと思います。

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話が飛びますが、今朝、日曜美術館を見ていたら「大岡信」さんがでてたんですが、この方の山荘(東京とここを行き来して文筆活動をされているようです)がすぐ近くだと知りました。市内にありますが、その中でも多分とても近くです。ちょっとうれしかったり。

萩原朔太郎といえば、国文科の学生だった頃、文学者美男子ベスト3に入る風貌で人気を集めていました。(短大生なんてこんなもの...ちなみに、太宰治も人気がありました...それで卒論を決めた友人もちらほら...)

私はもともと近代文学を中心とした勉強をしていたので、近代詩歌を勉強すればおのずから朔太郎もでてきます。私が学生時代に好きだったのはダントツで八木重吉で、あとは立原道造と続きます。朔太郎も好きでしたが、熱烈にというわけではなかったんです。ただ、卒論のテーマを決めるときに、候補にあがりました。八木重吉が卒論にしにくかったというのもあって、立原と朔太郎と3人の間で揺れて、それでも一番好きなものを選んだんですが。

そのとき、卒論のテーマにしていたら、この本を読んでもそれほど衝撃的ではなかったのかもしれないんです。朔太郎には、2人の娘がいて、上の葉子がこの著者です。下の妹は自分勝手な両親(あまりにもひどかった)のせいで、聡明に生まれたものの、体の不調を放ったらかされて、脳に障害を負ってしまいます。その妹をかばいつつ、さらに朔太郎の母や家族にまでひどい扱いをうけて育った葉子が、最後に「でも、私にとっては過失であろうと何であろうと、「生まれてスミマセン」と悩んだ時期もありましたが、今は、とても感謝しているのです。」という一文を読んで、不思議な爽快感に囚われたんです。しかも、父親を詩人として理解しているあたり...

私もこの本を読んで朔太郎ってひどい!とは思いませんでした。
詩人として生まれるべくして生まれたのだとそんな風に感じて、さらに言えば、書かずにいられるような環境で育ったならば、朔太郎は書かなかっただろうかとそんなことを考えています。

  私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけしてしまひたい。
  影が、永久に私のあとを追つて来ないやうに
                      「月に吠える」より

昨日の夜一気に読みました。
私は時代小説が好きなの。それで、宇江佐真理は一番好きです。全部読んでます。
このおはなしもよかったなあ。途中2回ほど泣いちゃいました。

たろちゃんという武士の子息(長男、あととり)の男の子がでてきます。火消しのは組の元締めのところにある日「私を男にしてください!」と飛び込んでくる7歳のたろちゃん。はい。弱虫なんですな、この男の子。でも無類の優しさは天下一品の男の子です。最後は大人になって結婚するんですが、どこまでいってもいい奴でした...こういう人って振り返ってみるとであったことあるんだけど、印象にあまり残ってないみたい。私の器が小さいってことだったのねと思いました。

この無事、これ名馬の意味がなかなかよろしい。この本は章立てがぜんぶこういった言葉になってます。ああ、面白かったなあ。面白かった本って余韻がいいですね。

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