静岡商工新聞

静岡商工会の活動をお届けします http://www.shizuoka-shokokai.jp/ 商工会

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番町の産業遺産


忘れ去られた地元の名職人
 今年で65周年を迎える静岡商工会。
当初は、税務署のいいなりになって高額な税金を取り立てられていた下駄職人を、なんとか手助けしたいという思いから商工会の活動が始まりました。そのため当時の会員は、下駄や木工家具サンダルといった地場産業が多く、植田稔さんが商工会に就職した頃には、会員全体の6割を地場産業の職人が占めていたそうです。
 さっぱりしているが面倒見が良い…そうした職人と交流をしながら彼らの苦楽を見守ってきた植田さんは、商工会を定年退職した後も、NPO法人助け合いネット静岡のメンバーとして会員の相談事を聞き手助けをしています。
また「職人マップ」を作成し、地元の職人をわかりやすく紹介する企画も行っています。
 地元で頑張る職人の声を聞く…その心意気は、商工会を辞めた今でも、植田さんの中に息づいています。今回は、そんな植田さんの心意気から始
まった企画「番町の産業遺産」について、取り上げていきたいと思います。

小川三知とステンドグラス
イメージ 1
 平成21年に放送された「開運!なんでも鑑定団」にて、小川三知という作家のランプが出品され、出品者の50万を大きく上回る400万という値段が付けられました。
 三知は生前、慶応大図書館や鳩山会館など全国の名建築にステンドグラスの装飾を施しましたが、作品に名を残すことがなかった為に謎の作家といわれていました。しかし近年、三知の日記が見つかったことで実態が明らかに。この小川三知こそ、静岡県静岡市、商工会館のある住吉町出身の職人なのです。
 東京美術学校で日本画を学んだ三知は、アメリカに留学してステンドグラスも取得。帰国後は、聖書や聖人が多く描かれる物とは違い、日本画を思わせる独特で印象的なデザインのステンドグラスを創り出しました。

長尾建吉と西洋額縁
 小川三知と同じ時代に活躍した、同じ静岡県静岡市の研屋町出身である
職人です。パリ万博へ赴く船中、山本芳翠画伯と運命の出会いを果たし、
山本画伯の洋風額縁研究所を手伝うことに。その後自身で額縁専門製作所を創立し、日本に西洋額縁の産業を作り出しました。
 当時日本での西洋画は需要が少なく、
イメージ 2
山本画伯の画塾生を含む多くの若い画家たちは、非常に貧しい環境にありました。
建吉はそうした若い画家たちに宿と飯を与え、その絵を引き立てる額縁を「出世払い」として提供しました。
 それにより多くの著名な画家が誕生し、死後は顕彰碑が立てられるほど画家たちに大変慕われる存在となりました。


忘れ去られた地元の職人に光を
 小川三知については、近年注目され始め論文も書かれていますが、長尾
建吉については未だ詳しい情報は出ていません。今回「番町の産業遺産」
として取り上げるにあたって、植田さんは自ら様々な場所へ足を運び、建吉の額縁を保有するお宅へ訪問したり、顕彰碑を独自で解読・文字起こしをしたりしながら、ここまでの情報を集めたそうです。
 植田さんの心意気がこもった今回の企画は、今年の秋ごろ、番町市民活
動センターで講演される予定です。今後の講演情報に、ぜひご注目下さい。


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