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甲虎山は烏野辺(からすのべ)市にある一番大きな山で昔からある山だ。
何故その山に向かうのかというと、誘うもう一人の家が甲虎山の中に建っているからだ。
「ハァ・・・ハァ・・・ダルい・・・でももう少し・・・」
山を登りはじめて15分は絶対に過ぎているがまだ着かない。
更に5分歩くと・・・・・
「あ〜やっと着いた・・・しんど・・・」
ガラッ。玄関の引き戸を開けて俺は
「こんちゃーす。おーい涼〜〜。きたぞ〜い」
この家も代々昔から受け継がれてる家だ。昔のまんまなのでインターホンがない。
だからこうやって直接呼ばなきゃいけない。
「・・・はぁ。またか。」
この家は普通にデカイ。だから読んでも聞こえない事が度々ある。
仕方なく俺は回って涼の部屋の下から呼ぶ。
「涼〜。来たぞ〜。出ろ〜。」
勢いよく窓が開いて
「上がって来て〜。」
といつも通りの返事が返ってくる。
やれやれ・・・と思いながらもまた玄関に逆戻りするのであった。
「いやぁ聞こえなかったよ。ライ君。」
「うるせぇ。毎回お決まりの言葉はいらねぇよ」
「そうカッカせずにさぁ。せっかく来たんだから。」
「だから毎回お決まりの言葉はいらねぇって」
「気持ち落ち着けるために何か飲む?」
「涼・・・・・毎回しつこい・・・」
「ライ君。麦茶?なんなら珈琲紅茶もあるけど?」
「もうお前黙って。」
「アハハいつもと変わらずだねぇライ君。」
「………そりゃよかった。」
このしつこく毎回お決まりの返事をするのが真田涼(さなだりょう)という。
何回も止めさせようとしたが涼いわく
「この返事は必要」
とのこと。最近はもうあきらめ気味だが。
「それでライ君何の用事?」
「あぁ。っとその前に飲み物くれない?お前と話すと疲れる・・・」
「わかったー。じゃあいつものでいい?」
「やだ。ノーマルに麦茶にして。」
俺は即答した。いつものは涼が色んな飲み物を混ぜてわけわからん味がするからだ。
「ちぇー。つまんない・・・はい麦茶。」
「サンキュ。」
ゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・一気に飲み干す。
「んじゃ用件言うぞ。夜桜見よーぜ。今夜」
「わぁ♪久々だねぇー!楽しみだなぁ。」
「一ヶ月半ぶりだもんなぁ。でも今回警備員いるんだよなぁ。めんどい事に。」
「またまたぁ。実は楽しみなくせにぃ。」
「警備員だけだよ。めんどいのは。他はそりゃ楽しみだよ。」
その時、部屋の引き戸が開いた。
「涼はいんぞぉ。お?ライ坊じゃんか。久しぶりだなぁ。」
「あ。りっくん。久しぶり。」
「りっくんはやめろって何年も言ってるだろライ坊。」
「イタッ!殴る事ないじゃん・・・」
この人は真田陸。涼の兄貴。涼とは年が離れてて、24歳だ。
「あ。兄さん。今帰って来たの?」
「おぅ。他県に行ってたからなぁ。・・・あ。そういやライ坊お前最近仕事サボっ
てるらしいな。」
「サボってんじゃないよ。機会を伺ってたんだよ。」
「あ〜そ〜かい」
「兄さん今日久しぶりに行くんだ!」
「お。なんだ行くんじゃん。どこ行くんだ?」
「りっくんには関係ないけど。」
「まぁそぅだけど。いいじゃん教える位さぁ」
「いつも教えないくせに。」
「まぁそぅだけどな。フヮァ〜〜アッと・・・・・仕事したし・・・何か眠くなってきたし
寝るわ〜じゃな」
そういってあくびしながら部屋から出ていった。
「また暇になったね。ライ君」
「ん。そだな。てかさぁ、今更だけどお前ん家広すぎ。あと携帯買えよ。それとインターホン位つけたら?」
「ライ君家も広いじゃん。携帯はもう少しかな。インターホンは父さんに言ってよ」
「即答かい。・・・・そういや俺の事ライ君って呼ぶの涼だけだよなぁ。」
「そういやそだねぇ。まぁ昔からライ君だからねぇ。」
「そういやそだなぁ。今の今まで気にしてなかったなぁ」
「あ。ライ君ペンタゴン始まるよ」
「お。マジ?見よ見よ」
「その問題はAの検事だろー」
「いや。Bの刑事だよ」
・・・・・そんな感じで涼の家で過ごした。
「・・・・・そろそろだな涼」
「うん。いこいこ♪」
そして夜桜をみにいく時間に・・・
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