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「帰りも長いよなぁ・・・ハァ。」
「ジャジャーン!そんな事もあろうかと下る方法用意しました!」
「おぉ!早く行けんの!」
「段ボールでぇす!これで下まで・・・」
「いらん。却下」
俺は涼が言い終わる前に終わらした。
「えぇー!?これで下まで行けるよ!?」
涼が喋ってる間も無視して歩き続ける。
「ねぇライく〜ん!ちょっと〜?カムバァ〜ック!!」
「いいから早く来いよ。遅れるだろ。」
しぶしぶ涼は諦めてついてきた。
「確かこの山も真田家のだろ。」
「そだよん。ちなみに甲虎山という名前はその昔僕達のご先祖様の真田幸村(さなだゆきむら)様が
つけたんだって。詳しく言うと、幸村様は甲斐の虎の武田信玄(たけだしんげん)の家来で信玄を尊
敬してたから、信玄からもらったこの山を甲虎山とつけましたとさ。」
「・・・・ほんとか?」
「お爺ちゃんからの情報だよー」
「あのじいちゃん嘘つくときあるからなぁ。」
「まぁまぁいいじゃん。先祖代々からの付き合いだし。」
「まぁな。」
そこで会話は途切れた。俺は何気無くチラッと横の涼を見てみた。
・・・涼は凄く嬉しそうだ。久々だからだろうが何も山道を逆立ちで進まなくてもなぁと俺は思う。
「よっ・・・・・と。」
やっと逆立ちをやめて普通に歩き出した。
「ずっと思ってたけどさぁ。」
「ん?何を?」
「僕達って怪盗っていうか忍者みたい。」
「ん〜・・・」
・・・・・言われてみれば確かにそうかも。
「いっそさー忍者怪盗ヨニンジャに・・・」
「却下」
「えぇー!?」
・・・・・でも忍者っぽいってのはあながち間違っちゃいない。
涼が言ったように俺の代々受け継がれてる家業は怪盗。
でもただ盗むんじゃなく、悪から盗んで貧しい人、元の持ち主などに返す等が主な仕事だ。
ちなみに
「夜桜を見よう」
は
「仕事するぞ」
って事だ。これは、中学3年の頃に皆で
(と言ってもほとんど俺が)
決めた周りにバレないための暗号みたいな感じの言葉。
「でもちゃんと一応現代の道具使うし。」
「そうだまた開発しましたぁ!」
「お。どんなん?」
涼には仕事道具の開発をしてもらっている。
「今まで何故開発しなかったのか・・・粘着性能抜群粘着銃ネンチャクンです!」
「・・・・・ネンチャクンって名前いらなくねぇ?」
「わかってないなぁライ君は・・・」
やれやれという顔をした涼を俺は今までで一番涼の事をめんどくせぇと思った。
「・・・・・んで、使い方とかは?」
「よくぞ聞いてくれました!!ネンチャクンは僕が開発した粘着性能抜群の粘着弾を発射して身動きをとれなくする優れ物!」
「確かに使えそうかも」
「でしょでしょぉ!更に更にぃ!サイレンサー無しでこの静かさ!なんという便利さ!」
「そりゃいいや。」
「そして赤、青、黄、紫等々様々な色もご用意!!」
「それはいらねぇや。」
「とっておきは変化球が打てる事!!上下左右はもちろん斜めもOK!」
「いい機能あるじゃん。カラフル作るよりまだなんか作れたんじゃね?」
「あ。学校ついたよ。」
「無視か。・・・まぁいつもの事だし・・・慣れてるし・・・。」
俺と涼は門を飛び越え中に入る。
「遅い。」
「ワリィ。」
真次はもう来ていた。どうやら豪はまだみたいだ。
「ヤッホ〜♪真次君。」
「おぅ。久しぶり涼・・・ん?その手にもってんの・・・また何か開発した?」
「よくぞ聞いてくれました・・・」
涼の説明が始まった。
俺は短いため息をつき自分のお気に入りの場所に寝転がり学校に咲き誇る桜をみる。
時々真次のほぉとかへぇとか聞こえるが気にしない。
(・・・にしてもここの桜はホントに綺麗だ・・・・。)
「お前ここに桜のためだけに入学したもんな。」
「ん・・・豪か。」
「スマン。遅れた。」
遅れてきたのは伊達豪(だてごう)。真次と同じく中学からの友達だが高校が別になってしまった。
「別に大丈夫。桜見てたし。」
豪が言った通り俺が桜咲高校に入学したのはホントに1年中桜が見れるから入学した。
桜咲高校は独自の化学で独自の桜を作り出すことに成功し、1年中桜が咲いている。
「あ!ゴウ君聞いて見て驚きジャジャーン!!粘着性能抜群の粘着銃ネンチャクンだよ!」
「・・・・・新しい道具か。」
「で・・・・変化球も・・・」
涼は豪の話など聞かずに説明している。
「・・・・・涼ひとついいか?」
「何?ゴウ君?」
「カラフルな色いらないだろ。」
「あ〜あ。わかってないなぁゴウ君・・・」
涼は山道で俺に見せたやれやれという顔をしている。
「・・・・・・・・・・・」
豪はハァとため息をついている。
「雷斗。涼は何故いらないはずのオプションをつける?」
「俺に聞かないでくれ。」
それから五分ほど夜桜を見た。
「よし。そろそろ行くかぁ。」
「りょ〜か〜い」
「久しぶりの仕事だな。」
「楽しみだなぁ」
そして四人は学校を出た。
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