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時々登場する私の友人の風貌を一言で表現すると、「メキシコ人」。 濃い口髭を生やし、眉毛も太く濃い。 鼻が高く、黒目で、目の力は優しくて強い。肌は色白。 身長約170センチ。中肉中背。四十代半ば。 服装は、フリーデザイナー風でサラリーマンとは一味違う。 つばの広い帽子(ソンブレロ)を被せ、闘牛士のような衣装に、ギターを持たせ、 メキシコ人の中に放り込めば、絶対に区別がつかない。【写真参照】 ところが、喋るとそのギャップが著しい。 ベタベタの関西弁で吉本新喜劇風のギャグのオンパレード。 冗談のほとんどが下ネタ。 船場『吉兆』の女将の物真似が上手く、私の最も好きなレパートリーである。 真面目な仕事の話の最中に、不誠実な人物が出てくると、 「女将!」と呼んだだけで、登場させ、謝罪会見をしてくれるのである。 私はいつも腹を抱えて笑いながら、溜飲を下げるである。 この友人、本人の申告で字を『弥七』(やしち)という。 何故『弥七』かというと、『水戸黄門』に出てくる『風車の弥七』が頗るお気に入りで 自分は『乳母車の弥七』だと、一人ご満悦なのである。 私が「由美かおる扮する『お娟(おえん)』の方がいい。」と不満を漏らすと 待ってましたとばかり、科(シナ)を作って寄って来る。 口髭を生やしたメキシコ男が、である。 ギャーッ! 嫌がる私をよそに彼は呵呵大笑する。悪趣味。 彼とは、四年前に知り合った。というより、遠くから傍観していた。 メキシコ風の顔と異なり、喋り方や仕草が、ややニューハーフっぽいので私は苦笑していた。 ところが、ある日、我社のワンマン社長を前にして一歩も引かない態度を見て驚いた。 何を話しているか、よく聞こえないし、彼は、大して喋っていない。 社長も大声は出さないが、怒髪天を衝いるのは長年の付き合いで判る。 今まで、社員、出入り業者など、様々な男女が社長の前で、 怯えるか、嫌がって、さっさとこの場を逃れたいという様子を演じて来た。 しかし、弥七だけは違った。明らかに違った。 大柄な犬が、小柄な犬に対して吼えまくり、首に噛み付かんばかりに低い態勢を作る。 ところがどうだ、小柄な犬は、悠然と構えてじっと見据えているだけで、 吼えも唸りもしない。 「いつ飛び掛ってこようが、平気だゾ」と威圧しているのかと云うと そうでもない。 同僚に後でヤンヤの喝采を浴びるが為に上司に対して反抗する 新入社員のパフォーマンスなんかでも到底ない。 「ここはアンタの会社だろ。まあ、恥をかかせるのだけは勘弁してやる」 と、態度や仕草、目がそう語っているのである。 完全に格下だと見下しているのである。 彼に取って我社との取引は決して小さくない収入源のハズである。 社長に盾突けばそれを失うことは火を見るより明らかだ。 しかし、その憂いが微塵も、それこそ完全に、微塵も、感じられないのだ。 信じられないことだ。 当時、彼と殆ど会話をしたことの無い私ですら、横で見ているだけで解ったのである。 喧嘩相手の大柄な犬に解らないハズがない。 察知し、悟ってしまったのである。 そして、とうとう大柄な犬は、捨て台詞の遠吠えをして矛先を納めた。 そんな状況だった。 これは喧嘩ではなかった。 一方的に大柄な犬だけが吼え、勝てないと悟って止めたのだ。 私は生まれて初めて 『男の度胸』 と云うものを目の当たりにした。 そのあと、社長は「あいつとの取引、止めなアカンかも知れんな」と 私の耳元で囁いたのである。 私はその時、ああ、社長が間違っていたんだな、と長年の付き合いで判った。 後日聞いた原因を一言で言うと、我社の社長が意図的に彼を欺いていたのである。 このことを弥七と話題にしたのは、それから半年以上あとで、 そこから、彼との付き合いが始まった。 注:本人ではありません。 こんなに二枚目で、上品で、優しい目でもありません。 |
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この記事を読んで<将棋の茶店「芹沢鴨?」>の意味が何となく分かるような気がしました(笑)。
僕の友人にも物真似の巧い男が二人居て、二人ともだまされました。本人かと思って。一人は江田ちゃんと言って、良くケイタイで物真似ごっこをして二人で勝手に面白がっていました。人間て誰かの声に似るもので、時々自分でもビックリする事があります。
2008/8/3(日) 午後 0:18 [ 風天 ]
有難うございます。
実はこのブログ、弥七に唆されて始めたんです。
だけど、最初の目的から逸れてしまって、今ではスポーツ新聞の芸能欄みたいだ、と、非難されてるんです。
でも、まあ、お構いなし(笑)
2008/8/3(日) 午後 4:57 [ 銀桂一行 ]
なかなか味のある男性ですね。
銀桂一行さんの交友関係を通じて、銀桂一行さんがどんな方なのか、なんとなく想像できました。こんな楽し方なら、やはり、破門はしない方がよろしいかと・・・(笑)。
2008/8/9(土) 午後 5:11
JODY姫!!
こんな男ヤモメのむさ苦しい処へ、支那の所為で酸性雨の降りしきる足元の悪い日に・・・(感泣)
早速のお立ち寄り有難うございます。ウワ〜ン(号泣)。
JODY姫は、弥七と会って話をすれば、恐らくノータイムで「心のお気に入り」に登録すると思いますね。(笑)
2008/8/9(土) 午後 6:34 [ 銀桂一行 ]