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3.イチローのファンへの感謝の態度に、武士を見た。 7月24日、マリナーズ対NYヤンキースの試合。 球場は、マ軍の本拠地シアトル。 イチローが、このシアトル球場で、ヤ軍のユニフォームを着て、三塁側ベンチから登場した。 球場は、一種異様な雰囲気に包まれた。 移籍を知らないファンは、何かの間違いではないかと、驚いた。 しかし、1回裏、ヤ軍ライトの守備に着いたとき、スタンドのファンは、立って拍手でイチローを迎えた。 イチローは、帽子を脱いで頭を少し下げ、感謝の意を表した。 そこには、「イチメーター」という、イチローの年間ヒット数を手書きのボードでカウント表示する 有名な女性ファンも居た。 イチローは、外野練習のボールをイチメーターの女性に投げ与え、11年半の感謝を表した。 また、試合後、イチメーターのボードにサインし、ユニフォームと一緒に渡した。 3回表、8番イチローがアナウンスで打席を告げられると、シアトルファンは総立ちで拍手。 同じマ軍からヤ軍へ移籍したA・ロッドのブーイングとは天地の差だ。 イチローは、帽子を脱いで丁寧にお辞儀をした。 過去、数々の記録を塗り替え、ファンに拍手で迎えられたことのあるイチローだが、 今回ほど丁寧なお辞儀をしたことはない。 それも、余りに丁寧すぎて卑屈に映るようなものではない。 あるいは、ファンから目を逸らして帽子だけを振るような横柄な態度でもない。
足を揃え、ファンと視線を合わせてから、深々と礼をした。 過不足無く、簡潔な、日本人らしい感謝のお辞儀だった。 お辞儀だけでなく、全ての所作、振る舞いが、堂々として、清々しいものだった。 私は、記者会見を含め、イチローの一連の言動に、武士を見たような気がする。 全ての日本人が、繰り返しビデオで観て、脳裏に焼き付けるべきシーンではないか、と思った。 |
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