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1.羽生名人の話を素直に聞こう。
(12)「ミスをする前提で指すのと、完璧にできる前提で指すのとでは、指し方が変る」
〜 最善手には、「 神様の最善手 」と「 人間の最善手 」の2通りある。 〜(注1.)「 ミスをする前提で指すのと、完璧にできる前提で指すのとでは、かなり指し方が変ってくる。」 と羽生三冠は語っている。(注2.) *----------* 日本テレビで毎週木曜日に放送される『ぐるナイ ゴチになります!』という番組がある。 高級料理店で7名(レギュラー5名とゲスト2名)が、単価の載っていないメニューを見ながら注文し、 設定金額から最も差額の大きかった人が全員の食事代を自腹で支払うというチキンレース番組だ。 設定金額にピタリの食事をした人は、賞金100万円が貰えるのだが、1年に1度出現するかどうかだ。 設定金額は、安くて1人12,000円程度、高い場合だと、1人50,000円を超える。 従って、合計金額は、84,000円から350,000円に上る。 この戦いで勝つ方法は、2つある。 1つ目は、普段から色々な高級料理店へ通い、メニューを隈なく見て相場を勉強しておく方法。 フランス料理、イタリア料理、日本料理、中華料理など様々なジャンルの店を訪れ、食材の産地、 料理時間なども聴取し、勉強しておくという正攻法である。 これは、戦いで勝つというより、競争相手に関係なくピタリ賞100万円を狙う方法である。 2つ目は、複数のメンバーが注文した料理と同じものを注文し、その中間値段で計算する方法。 特に値段の高いメインデッシュでこの方法を使う。 そうすれば、1位にはなれなくても、ビリにはならない。 この競技は、ビリにならないのが出演者の目標だ。 金額の多寡に因らず、ビリになると、茶の間で見る以上に出演者にとっては屈辱なようである。 その上、年間で最も自腹額の多かったレギュラーが、番組を降ろされる悲劇も待っている。 この2つ目の方法は、レギュラーの岡村隆史がよく使う。 *----------* 前者は、最高を目指す「 神様の勝利の方法 」である。 後者は、全員が大きく外れても、その中間に居てビリだけは逃れる「 人間の相対的勝利の方法 」だ。 これを将棋に置き換えると、 前者は「 神様の最善手 」 後者は「 人間の最善手 」 理想は、「 神様の最善手 」を目指していても、実戦では、「 人間の最善手 」を指さざるを得ない。 これが、羽生三冠の冒頭の発言の真意ではないかと思う。 この論理は、将棋の真理を追究することを諦め、妥協した指し方ではないか、と非難する人も いるだろう。 しかし、プロと言えども「 将棋は7%しか理解できない 」のだ。 そして、読み切れないまま、解らないけど、指し手を決断していかざるを得ないのだ。(注3.) では、持ち時間が100時間あれば読み切れるか? 否、それでも到底足りないのだ。 大山十五世などは、早くから見切っていた。 この見切りが早かったから、大山は強かったのだ。 非難する人は、きっと勉強が足りないのだと思う。 *----------*----------* 【注釈】 注1.「 神様の最善手 」と「 人間の最善手 」は、羽生三冠の談話には、一切出ていない。 私の勝手な解釈で分類し、名付けたものである。 注2.対談『将棋を科学する』 羽生三冠の談話から抜粋。 間違いをする、ミスをするという前提で指すのと、絶対に完璧に出来るという前提で指すのとでは、 かなり指し方が変わる。 実際問題、常に完璧を目指すというのは至難の技。凄い難しい。 実際の対局で有り得ないですから・・・。 ここはどうだったかな、あそこはこうだったかな、ってなる・・・ ベストは完璧を目指しているが、でも、実戦はそうはいかない。 『羽生善治特別対談・将棋を科学する。羽生善治×松原仁』 第4回 2007年04月配信 『将棋ニュースプラス』で配信されていた番組。 BIGLOBEストリームがインターネットで無料配信していた将棋番組。 2006年5月19日から動画配信が開始され、毎週金曜日に映像が追加されていた。 2010年10月8日号をもって定期更新を終了した。 注3.「読み切れないまま、解らないけど、指し手を決断していかざるを得ないのだ。」 【参照】(9)「10手先が想定できない」 |
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説明しづらい、もどかしい話だな
2012/10/13(土) 午後 1:19 [ グチ ]