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十年振りに女友達のY子と会った。 昔は、しばしば呑みに行ったが、彼女が結婚してからは、メールで時々話す程度だった。 突然、電話がかかってきて、相談があるという。 彼女の話は面白いので躊躇無く二つ返事だ。 頭の回転も早く、明るく、仕事もそつなくこなす。 それでいて、気遣いが行き届いている。 「 気立ての良い女 」とは、彼女のことだ。 だから、同姓の友達も多い。 女性を何人か連れて行く場合、Y子さえ加えておけば、必ず、盛り上がる。 ところが、Y子は、どういう訳か、男運に恵まれない。 話を聞いてたら、バカだなあ、と非難する人も居るだろう。 だが、そんな奴は、将棋を本だけで憶えて、実際に指したことも無いのに偉そうに薀蓄を語る軽蔑すべき小人だ。 *----------* Y子は結婚して、小学生になる子供が一人居る。 最近、パート先の上司を好きになったと嬉しそうに話す。 Y子は、その上司を「 彼(氏) 」と称した。 その彼は、五十を超えて、頭も禿ているらしい。 仕事はよく出来るのだが、女性従業員の評判は最悪。 女癖が悪い。 Y子曰く、そのうちの何人かは被害者に違いない口振りだったそうだ。 彼には、現在、出会い系サイトで知り合った二十歳代の女性がいるらしい。 呑みに行くだけの仲なのだが、エッチはせず、キッスだけするそうだ。 彼は、そんな話を職場でY子にするらしい。 だからと言って、Y子は彼を嫌いになんかならない。 それどころか、Y子は堪らなく嫉妬する。 嫉妬する自分に気付いて、彼を好きなことが分った、と目を輝かす。 *----------* 先々週、念願が叶って、彼と二人で呑みに行った。 Y子は、記憶を失うほど呑んだ。 どれくらいの時間呑んだのか、・・・居酒屋を出た。 そして、この寒空の中、公園の木陰に連れて行かれた。 スカートを捲くられ、後ろからエッチをされた。 と、後日、彼から笑って聞かされた、と話す。 但し、中出しはしていないから安心しろ、と報告を受けたらしい。 そして、先週。 今度は昼間に逢って、ラブホへ行った。 ところが、彼のナニは勃たず、目的は果たせなかった。 Y子は、自分に魅力が無いのではないかと落胆顔。 しかし、来週、再度、挑戦する約束をしたのだと息巻く。 私は、避妊しろよ、と注意した。 しかし、Y子は、一体感が得られないから嫌だ、と一蹴した。 じゃあ、安全日を選べよと、私は妥協した。 そうすると、最近、体調不良で、生理の日が定まらない、と彼女は嘆いた。 都合の良い女なのである。 自分でもそれは、解っている。 *----------* Y子と私は、夜中までしたたか呑んだ。 8時間以上話した。 それでも話し足りなかった。 彼女は自転車で帰り、私は、歩いて家路へ向った。 その道すがら、私は、桂米朝の『 茶漬間男 』を思い出していた。(注) それにしても、昔から不思議なのだが、Y子は、私に何の相談がしたかったのだろうか。 私には、Y子が解らない。 Y子の話は、他にもある。 詳しくしたら、唖然とする人が多いだろう。 今日、話したのは軽やかな方だ。 しかし、もし、彼女を悪く言う奴がいたら、そんな男も女も、絶対、殴ってやる。 *----------*----------* 【注解】 桂米朝の艶噺の一つ『 茶漬間男 』(『二階借り』ともいう) *----------*----------* 【参照】 |
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