将棋の茶店「芹沢鴨?」

将棋は大切な日本文化の一つ。将棋界が羽生(はぶ)さんを得たことは、天恵です。

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第2回電王戦は、是が非でも、プロ棋士に勝って貰いたいので、引き続き将棋ソフトの弱点を指摘してみたい。


【コンピュータ将棋ソフトの弱点】

7.基礎学力に欠ける。


勝又六段以外のプロ棋士は、どうも、将棋ソフトを人間の積りで見ているようだ。

この視点は、改めた方が良い。

相手が人間の場合、違和感を感じたら、相手の性格か、その人の好みか、ポリシーか、と推測するだろう。

しかし、相手がコンピュータの場合、データが変に作用しているに違いない、と考えるべきだ。


将棋ソフトは、初級者レベルの手筋を知らない。

例えば、

「飛車先を交換すれば3つの得がある」
「玉の囲いは金銀3枚」
「4枚の攻めは切れない」

などだ。


図1.を参照願いたい。



【図1. 人間の棋力向上の図】
イメージ 1


人間の将棋が強くなる(棋力向上の)過程は、初心者、初級者、低段者、高段者・・・と知識を積み上げていく。

段々と定跡を憶え、寄せの力をつけ、手筋を憶えていく。


ところが、将棋ソフトは、初心者からアマ高段者レベルまでの知識が一部欠落しているのである。

図2.の赤い線で囲った部分だ。


【図2. 将棋ソフトの欠落部分の図】
イメージ 2



これが原因で、首を傾げるような手を指すことがあるのだ。


相手が低いレベルの手を指してきた場合でも、人間は対応できる。

しかし、プロ同士の将棋しか知識に無いコンピュータは、そんな低いレベルの手を見たこともないので

十分に対応できない。

本来なら、優位に進められるはずなのだが、それが出来ない。


『 ボナンザ 』の機械学習が主流になる前の『 柿木将棋 』『 激指 』『 YSS 』などは

評価関数を手作りしていたから、初級者レベルの手筋を知っていた。また、古典定跡もデータベースにしていた。


ところが、機械学習によって評価関数を作っているソフトは、この基本手筋を知らない。

▲2五歩と突いても、△3三銀と受けたりしないのだ。

受けている将棋も有る。

それは、データベースの手順に沿って指しているだけで、手筋を理解して指しているのではない。

だから、プロ同士で発生しないような局面に遭遇すると、急に、首を傾げるような手を指のだ。


言わば、大学院数学科でいきなり勉強して、難問も易々と解けるようになったのだが、中学校レベルの問題が
解けなかったりする、様なものだ。

コンピュータ将棋ソフトは、基礎学力に欠けているのである。

*----------*----------*

【飛車先を交換しなかったコンピュータ将棋ソフトの実戦例】

第22回世界コンピュータ将棋選手権より


[ 1次予選 第7回戦 アプレイvs無明3 26手目△5三銀まで ]

イメージ 3

△5三銀に対して、先手アプレイは、▲5九角と引いた。
▲6八角と引いて、▲2四歩から飛車先交換を狙わなかった。
勿論、このまま交換すると王手飛車があるが、大体から7九玉なんて手は、アマ初段でも指さない。


[ 2次予選 第6回戦 YSS対習甦 16手目△8五歩まで ]

イメージ 4

先手YSSの構え自体、人間では有得ない。奨励会の子なら、師匠から叱責される。
この後、先手YSSは▲7七角と受けず、▲3六歩。そして、後手は飛車先を交換ぜず、▲6三銀。
両方共に破門だ。(笑)


[ 2次予選 第6回戦 エイプリ対ブランダー 22手目△8五歩まで ]

イメージ 5

21手目にエイプリは▲6六銀と出たのだが、その目的が解らない。
そして、△8五歩の後、▲4七銀、△3二玉、▲3七桂、△7四歩と何事もなかったかの様に進み
後手ブランダーは、とうとう飛車先を交換しなかった。


[ 2次予選 第6回戦 ボナンザ(BONANZA)対なのは 22手目△5四銀まで ]

イメージ 6

これはプロの実戦にも現れた急戦矢倉の序盤だ。△5四銀に代えて△3三銀と飛車先を受けた将棋もある。
ここが、逆にコンピュータ側からしたら人間を理解できない部分だろう。
「 なぜ、人間は、飛車先を受けたり受けなかったり、気紛れなんだ? 」
「 だから、俺は飛車先をどうしたらいいのか解らないんだよ。原因は、人間だよ。」
と、抗弁したいに違いない。


[ 2次予選 第7回戦 GPS対習甦 12手目△4二銀まで ]

イメージ 7

11手目▲2五歩に対して後手は△4二銀と飛車先を受けなかった。当然、先手に飛車先を交換された。
しかし、その後、△4三銀と指したので、なるほどこれはプロの実戦例があると納得したのだが、
玉を4一へ移動させたので、驚いた。
この将棋は、6二へ移動させて右玉にするのが人間の大局観だ。
しかし、コンピュータにも言い分がありそうである。
「 人間は、玉を飛車と反対方向へ囲うことが多いじゃあないか 」と。


[ 決勝戦 第4回戦 GPS対YSS 20手目△3一玉まで ]

イメージ 8

後手の△3一玉は、アマ初段以上ならまず絶対に指さない。角が息苦しい。
ゆくゆく△4三銀から雁木に構えるにしても、△7四歩、△1四歩など他の手を優先する。

そして、この後、▲2六歩△7四歩▲3六△4三金右▲2五歩△3三角と進んで次図だ。


[ 決勝戦 第4回戦 GPS対YSS 26手目△3三角まで ]

イメージ 9

△3三角と受けた手に対して、先手GPSは、飛車先を交換せず、なんと▲5七銀。
「 そんなに飛車先交換、角交換が嫌いか? 」と訊きたくなる。

この後、戦いは、非常に難解になる。
羽生三冠が「 悪い手を指せば指すほど、局面が複雑になる 」と語っていたが、
本局はその格好の例じゃあなかろうか。(注)

*----------*----------*
【注解】

「将棋ってすごい面白い性質があって、悪い手を指せば指すほど、局面が複雑になるんです。」

   『別冊宝島1666 羽生善治 考える力』 2009年12月24日発行 宝島社 p.24

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【参照】

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