将棋の茶店「芹沢鴨?」

将棋は大切な日本文化の一つ。将棋界が羽生(はぶ)さんを得たことは、天恵です。

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奨励会について何か語ろうとしたら、この「三段リーグの厳しさ」シリーズに目を通してからでないと、まともな話は出来ない。

はずである。

なぜなら、他のものは全て感傷的だからだ。


もし、お急ぎの方は、「 総括 」を読んで下されば事足りる。

少し時間に余裕が御有りなら、


に目を通して頂ければ幸いである。

*----------*

将棋の奨励会とは、「 新進棋士奨励会 」の略で、三段が最高段位。(注1.)

ここを抜けて四段になると、正式にプロ棋士となり、「 獲得賞金と対局料 」謂わゆる報酬が貰える。

因みにお隣の囲碁界では、初段からプロ棋士となる。

『 ヒカルの碁 』をご存知の方は、「 院生 」と言ったら、ピンと来るだろう。

碁の院生が、将棋の奨励会に当り、三段リーグが、囲碁の「 入段試験手合 」に相当する。

昨年末に、里見香奈さんが三段へ昇段したので、あらためて、私なりに、その厳しさを調べてみた。

三段リーグは、年2回(2期とも呼ぶ)あり、各18局づつを戦う。(注2.)

各期の成績上位者2名が晴れて四段と成る。(注3.)

そして、

「三段リーグは、約30名居て、その内2名しか四段(プロ棋士)に成れない、約7%の狭き門。厳しい世界だ。」

と、説明される。

この7%が間違い。

分子と分母が間違っている。

結論から言うと、

評判ほど、三段リーグは厳しくない!

というのが私の印象だ。

それよりも、三段になるまでが、大変なのだ。


従って、

三段リーグに入った里見香奈が、女流ではなく、初の女性棋士になる可能性は、非常に高い。

私は3期で抜けると予想する。

*----------*

【 統計結果 】

三段リーグへ入った者及び在籍者は、第11回〜第53回までで、183人。(注4.)

このうち、晴れて四段になった者は、90人。

退会した者は、60人。

第53回終了時点での在籍者が、33人。

*----------*

すなわち、三段リーグへ入れば、50%、2人に1人は、プロ棋士に成れるのだ。

退会する者は、3人に1人である。33%。


え〜っ!?

間口広いじゃん!

本当!?

と、叫びたくなるが、本当だ。


むしろ、三段リーグへ上がるまでが、大変だったのだ。


奨励会を受験する子供は、町道場で大人を手玉に取るアマ四段以上の小学生。

年々レベルが上がっているという。

その強い子供たちが、年70〜100人位、受験する。(注5.)

そして、そのうち18〜24人しか試験に合格できない。(24%〜34%)

合格すると、大抵、6級からスタートする。

しかし、三段まで昇段するのは、僅か4人。(17〜22%)

20人が脱落する。


なぜ、そんなに脱落するのか?

それは、実力アマ四段の秀才と呼ばれた子供達の中で、勝率7割以上を維持しなければならないからだ。(注6.)

これが一番大きな理由だ。

次に年齢制限があって、21歳までに初段にならなければ退会なのだ。

勿論、21歳で初段では遅い。

世間一般的に高校時代に進路を考えるのが常識である。

奨励会員も、18歳を目前で自分の才能と将来性を鑑み、あらためて考える。

将棋をこのまま続けるか、将棋をやめて大学へ進学するか、あるいは、両方を頑張るか。(注7.)


入会から10年後、三段へ昇段するのは4人。

うち、既に四段に成っているのは、1人。

2人が、退会し、1人が三段リーグで奮闘中。

これが10年後の平均的な図式だそうだ。(注8.)

従って、入会試験を受けた70〜100人中2人、2〜3%しかプロ棋士に成れない。

入会試験に合格しても、24人中2人、約8%しかプロ棋士に成れないのだ。


三段リーグの厳しさは、間口の広さより精神的重圧の方であろう。

18歳以降、アルバイトとかで食い繋いでいるのことが多く、正社員のキャリアが積めていない。

当然だ。

最近でこそ大学生の奨励会員も垣間見るが、大抵高卒である。

プロ棋士になれなかった時の年齢が、26歳から31歳。

それで高卒となると、就職先に苦労する。

これが、精神的に追い詰められる背景である。

里見の場合、女流の道が残っているので、その点、心配は要らない。

よって、私は3期で抜けると予想する。

*----------*----------*----------*

【統計の解説】

統計は、第11回(1992年)〜第53回(2013年)までの43期分、約22年分である。

現在、第54回を迎えているので、発足して27年目である。

それ以前は一時期、リーグ制が無く、初段二段と同じ条件を満たせば四段に成れた。

よって、統計上、第1回在籍者の在籍期間が、1期となってしまう為、

今回、統計をとるに当って第10回以前を除外した。

また、昇段、退会に関する規約が途中変更されている。(注9.)

次点2回者も同等の昇段者として扱い統計に加えた。

なお、編入試験で四段になった瀬川晶司氏は、三段リーグで退会者として扱った。

また、同じく編入試験で三段リーグへ再度参加した今泉健司氏は、通算し、退会者として扱った。


*----------*----------*
【注解】

注1.新進棋士奨励会(しんしんきししょうれいかい)は、日本将棋連盟のプロ棋士養成機関である。
 一般には単に奨励会(しょうれいかい)と呼ばれることが多い。

注2.三段リーグ

 年2回(4月〜9月、10月〜3月)あり、1回を1つの期とし、各々18戦づつを戦う。
 定員はなく、21人〜39人。第5回21名、第11回32名、第20回26名、第30回25名、第40回35名、第54回39名。

注3.成績上位者2名が晴れて四段と成る。

 1回の三段リーグにおける上位2人は四段に昇段し、順位戦C級2組に入る。
 3位の者には次点が与えられ、次点を2度取ったものは、フリークラスの四段に昇段する権利を得る。
 (権利を放棄することもできる。)

注4.三段リーグへ入った者及び在籍者・・・

 発足時の第1回からの統計だと、第53回までで、在籍者は、208人。
 このうち、晴れて四段になった者は、111人。
 退会した者は、64人。
 第53回終了時点での残留者が、33人。
 第11回からの統計とほぼ同じ比率である。

注5.年70〜100人位、受験する。

 丸山忠久九段ですら、奨励会の入会試験に2回落ちた。
 藤井猛九段、三浦弘行八段も1次で落ちた経験がある。
 3人とも、将棋連盟が試験に落ちた者を救うために設けた「研修会」で成績を上げて這い上がり、
 仮入会という形で奨励会に入った。

 受験するに当り、必ず、プロ棋士の誰かに師匠になって貰わなければならない。
 私は、当初、これを形骸化しているのではないかと見ていたが、いやいや、絶対必要な制度だ。
 順調に四段になれたらいいが、そうはいかない。苦しいときこそ、師匠の一言が人生を変える。

注6.勝率7割以上を維持

 奨励会の二段までには、昇級規定があり、どれも勝率7割を超える。()内は勝率。
 6級昇級〜1級昇級
 6連勝、9勝3敗(.750)、11勝4敗(.733)、13勝5敗(.722)、15勝6敗(.714)のいずれかの成績を取れば昇級。
 初段昇段〜三段昇段
 8連勝、12勝4敗(.750)、14勝5敗(.737)、16勝6敗(.727)、18勝7敗(.720)のいずれかの成績を取れば昇段。

注7.将棋を諦め、大学へ進学するか、どうするか。

 16歳で三段リーグまで昇った奨励会員の中には、幼い頃からの夢に医師もあり、悪くない成績ながら、
 中途退会し、見事夢を実現した人も居る。(立石径氏、神戸大学医学部卒)

   『将棋世界』誌 2006年9月号 「元奨の真実」

注8.10年後の平均的な図式

 1997年度入会者は、18人中1人がプロとなる四段に昇段した。
 10年後の2007年4月1日現在で3人が有段者。残りの14人はすでに退会している。

注9.昇段、退会に関する規約が途中変更

 1997年以降次点を2度取ったものは、フリークラスの四段に昇段する権利を得る。
 奨励会発足時は年齢制限がなかったが、1968年に「満31歳の誕生日までに四段に昇段できなければ奨励会を退会」という規定を
 設ける。その後、1982年に満26歳に引き下げられてた。1994年に次の延長規定を追加する等して現在に至る。
 満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となる。
 ただし三段リーグで勝ち越しを続ければ満29歳を迎えるリーグ終了まで延長して在籍できる。
 年齢・勝ち越し条件に関係なく三段リーグに5期(2年半)在籍できる。

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寒中お見舞い申し上げます。

6日、7日のわが町の最低気温は【−14.9度】でした。
もちろん、この冬一番の寒さでした。
まるで冷凍庫の中です。 寒い!!!!!

昨日は、花巻出張で、帰宅は午後8時でした。
そのままバタンキューです。

今日は、出張の疲れを癒すための休養日です。

300kmの出張運転は疲れますよ。
岩手は広いんです。 そして、寒いんです。
その岩手で、生きて行かなくてはならないんです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この記事を読んでホッとしています。

4段昇段率50%と聞いて、安心しました。
よくそんな数字をはじき出しましたね。
さすが、銀桂さんです。

座布団5枚!!

こちらも新年1発目の将棋記事を書きました。
後で、ご笑覧くださいな。

今年は、羽生さんの王将位奪取からニュースの幕開けですかな。

2014/1/7(火) 午後 4:50 トリトン

朗報でしょう?
来春が楽しみだなあ。

2014/1/8(水) 午前 2:37 [ 銀桂一行 ]

こんばんは〜

私は、勢いに任せて、一期で(^0^)/

2014/1/10(金) 午後 11:04 [ kemumakikun ]

Kemumaki さん

いいですねえ!!

イッキ!

1期ですね!

私は3期です。

賭ましょう!

でも、この賭は、負けても悔しくないなあ。

負けることを期待してしまう。

楽しい賭だなあ。

2014/1/14(火) 午前 5:30 [ 銀桂一行 ]

はじめまして

記事読ませていただきました。
鬼の三段リーグは統計上半分の人が四段に上がれるんですね。非常に驚きました。
休場していた里見女流名人も女流棋戦に復活しましたし昇段して欲しいですね。
自分は同郷の黒田尭之君も応援しているんですけれども。

面白い記事ありがとうございます。

2015/2/9(月) 午後 6:03 [ ででで ]

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はじめまして、でででさん


有難うございます。

昇段確率50%です。

黒田尭之君。

成績を見ましたところ、大丈夫と思います。

しかし、実は、四段になってからも、相当な苦労が要ります。

四段になって、一安心とは行きません。

凄い世界ですよね。

私も黒田尭之の名前覚えました。

応援しますよ。

なんとお読みするんですか?

教えて下さい。

2015/2/11(水) 午後 9:03 [ 銀桂一行 ]

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> 銀桂一行さん

返信ありがとうございます。
実は、自分も文字でばかり追いかけていたので正確な読み方は知らないんです(笑)

でも、まあ一般的には尭之(たかゆき)ですのでこの読み方で合ってると思うんですけれど。

森信雄先生以来の愛媛県出身棋士の誕生の応援よろしくお願いします。

2015/2/13(金) 午前 2:24 [ ででで ]

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でででさん

近いうちに、黒田君を中心に三段リーグの記事を書きます。

ご期待下さい。

2015/2/15(日) 午後 9:35 [ 銀桂一行 ]

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非常に興味深く、面白い記事でした、私は自身のブログで三段リーグの25歳制限を俗に言われる「鉄の掟」として書きましたがその三段リーグは半分の人間が突破しているとは驚きでした、そして三段になるまでのが大変という理由も納得できました、どうしてもあの三段リーグ表を見るのが習慣になり、楽しみでもあるのでそこまでの経緯を丁寧に調査した内容は非常に斬新で新鮮でした。里見香奈の三期抜けの予想も驚きです、これは敵対心などでは決してないですが、私は抜けられないと予想します、突破するイメージがどうしても湧きません、囲碁ではプロの女性はいますがトップは皆、男です。これからの100年で女性のプロが誕生したとしてもタイトルホルダーは誕生しないと思います。これは女性蔑視ではなくDNAの問題だと考えるからです。しかし銀桂一行さんのブログは少々、なかなか、いや大いに、尊敬しております。最近知ったのですが(私が最近ブログを始めたので)独自の視点での深いアプローチ、丁寧な作り、データ収集など、ここまでの物を私は書けません、これからも楽しみにしています。P・s全ては読んでいないので当分楽しめそうです

2015/9/8(火) 午後 9:42 [ teiru ]

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teiruさん

有難うございます。

里見香奈三段の昇段予想は、期待半分、お願い半分です。

実力がどこまで通用するか、解りません。

また、在籍期間中に、どれだけ成長するかも未知数です。


ただ、女性棋士誕生は、将棋界にとって、歴史的大ニュースです。

その栄冠を、是非、彼女の頭上で輝かせてあげたい。

2015/9/8(火) 午後 11:59 [ 銀桂一行 ]


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