将棋の茶店「芹沢鴨?」

将棋は大切な日本文化の一つ。将棋界が羽生(はぶ)さんを得たことは、天恵です。

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特異な人とは、三段リーグ突破者(四段昇段者)90名の中で、私が分類に悩んだ人のことだ。

今回の特異な人は、誰もが羨む1期抜け者だ。

悩んだ末の決断が正しかったどうか、彼らの四段昇段後を追跡してみる。


第11回〜第53回で1期抜けした者は、

川上猛(現六段)、松尾歩(現七段)、三枚堂達也(現四段)

の3名である。


第2回まで遡ると、

小倉久史(現七段)、屋敷伸之(現九段)

の2名がおり、計5名である。(注1.)


私は、1期抜け者を「 天才型 」か「 秀才型 」かで相当に悩んだ。

なぜなら、「 天才型 」とするには、全員が活躍しているとは言い難いからだ。

(来期から順位戦参加の三枚堂を除く)

しかし、あくまでも三段リーグの成績だけで分類するのが前提だったので「 天才型 」としたのだが・・・

一人一人見てみよう。


屋敷は、16歳で四段、18歳で棋聖を奪取し、A級まで上り詰めた。

文句無く活躍したと言える。

ただ、途中C級1組に14年も在籍するとは誰も想像しなかった。


小倉は、三段リーグに初参加で16勝も上げ、1期で抜けた。

20歳で四段、誰もが注目した新人だっただろう。

にも拘らず、四段昇段後、C級2組からの昇級に8年を要し、C級1組に12期在籍したのが、最高。

現在C級2組である。


川上は、20歳で四段、C級2組に20年在籍して、現在フリークラスである。


松尾は、19歳で四段、順調に昇級し、現在B級1組で、A級に手が届く位置に居る。

しかし、松尾も来期は34歳である。

20歳代の若手が後ろから押し寄せているので、A級に間に合うかどうか、危ぶまれる。


あらためて調べてみて、よく解った。
何期で三段リーグを抜けられるかは、本人も周囲も一番大きな関心事なのに、

意外にも、然程、重要ではなさそうだ。

それより重要なのが、四段になる年齢だ。
1期抜けだから天才で、5期かかったから秀才ではない。

以前に書いた通り、
16歳以下で四段になった者は、必ず、タイトル奪取する。

17歳で四段になった者は、最低八段にはなれる。

18歳で四段になった者も、大概八段になれる。

しかし、19歳は半々である。

20歳を超えて四段になった者は、タイトル奪取もA級も不可能である。

やはり、この法則が、的を射ているようだ。


これによって四段になった年齢で再度分類すると、

屋敷 16歳・・・タイトル奪取する。天才型

松尾 19歳・・・A級昇級の確率半々。秀才型

小倉 20歳・・・七段まで。爆発型

川上 20歳・・・七段まで。爆発型

となり、腑に落ちる。

こうすべきであった。

分類の切り口が間違っていたのだ。


さて、来期、第73期順位戦から参加の三枚堂四段は20歳である。

分類では「七段までの爆発型」となってしまうが、高橋道雄九段、藤井猛九段、鈴木大介八段、木村一基八段

の後継者として、是非、この法則を破って欲しいものだ。

注目である。


*----------*----------*

【プロフィール】


屋敷 伸之(やしき のぶゆき) 九段

1972年1月18日生、42歳。
出身地 北海道札幌市
師匠 故・五十嵐豊一九段

竜王戦1組(1組−9期)
順位戦A級(A級-3期)

タイトル獲得 3期
 棋聖 3期(第56期-1990年度前期〜57期・68期)

一般棋戦優勝 2回
 全日本プロトーナメント 1回(第14回-1995年度)
 勝ち抜き戦5勝以上 1回(第13回-1990〜91年度)


小倉 久史(おぐら ひさし) 七段

1968年5月15日生、45歳。
出身地 東京都
師匠 中原誠 十六世名人

順位戦C級2組
竜王戦5組

小倉は、第55期順位戦C2で10戦全勝し、C1へで昇級したが、8年を要した。
そして、C1に12期在籍して、第67期に陥落、現在C2である。


松尾 歩(まつお あゆむ) 七段

1980年3月29日生、33歳。
出身地 愛知県日進市
師匠 所司和晴七段

竜王戦1組(1組-3期)
順位戦B級1組

一般棋戦優勝 1回
 新人王戦 1回(第32回−2001年度)


川上 猛(かわかみ たけし) 六段

1972年7月12日生、41歳。
出身地 東京都足立区
師匠 故・平野広吉七段

竜王戦5組
順位戦フリークラス

2005年度、第18期竜王ランキング戦4組で優勝して、3組へ昇級。


三枚堂 達也(さんまいどう たつや) 四段

1993年7月14日生、20歳。
出身地 千葉県浦安市
師匠 内藤國雄九段

竜王戦6組
順位戦73期より

*----------*----------*

【統計の解説】

現在、第54回を迎えているので、発足して27年目である。
統計は、第11回(1992年)〜第53回(2013年)までの43期分、約22年分である。
第1回からの統計にしなかった理由は、次の3点である。
1.第1回在籍者の在籍期間が、1期となってしまい数値として不適当になる。
2.第1回は17名、第2回は16名と少なく18戦になったのは第3回以降。
3.構成員が30名を超えるのは第11回以降。
よって、今回、統計をとるに当って第10回以前を除外した。
また、昇段、退会に関する規約が途中変更されている。(注2.)
次点2回者も同等の昇段者として扱い統計に加えた。
なお、編入試験で四段になった瀬川晶司氏は、三段リーグで退会者として扱った。
また、同じく編入試験で三段リーグへ再度参加した、今泉健司氏は、通算した。

*----------*----------*
【注解】

注1.1期抜けした者

〔第11回〜第53回 1期抜け者〕
イメージ 1

〔第1回〜第10回 1期抜け者〕
イメージ 2

第1回まで遡ると本当は7名だが、リーグ制度開始(再開)前に中川は三段として7か月、先崎は5か月在籍していたので、純粋に1期抜けしたとは言えない。
また、第1期はリーグ人数が17名と少なかったので、対局数が16局しかない。
よって、中川と先崎を1期抜けから除外し、第2回以降「1期抜け者」5名とした。


注2.昇段、退会に関する規約が途中変更

 1997年以降次点を2度取ったものは、フリークラスの四段に昇段する権利を得る。
 奨励会発足時は年齢制限がなかったが、1968年に「満31歳の誕生日までに四段に昇段できなければ奨励会を退会」
 という規定を 設ける。その後、1982年に満26歳に引き下げられてた。1994年に次の延長規定を追加する等して現在に至る。
 満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となる。
 ただし三段リーグで勝ち越しを続ければ満29歳を迎えるリーグ終了まで延長して在籍できる。
 年齢・勝ち越し条件に関係なく三段リーグに5期(2年半)在籍できる。

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【参照】

閉じる コメント(2)

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とあるラノベを読んで三段リーグに興味をもち調べていたところ、こちらのブログにたどり着きました。

プロ入り後の活躍に重要なのは、四段になった年齢であって三段リーグ突破までの期数ではないという考察は非常に興味深かいものでした。

その後に活躍できない人であっても年齢が高めであれば1期抜け出来る場合のあることや、その後に活躍する人であっても幼いうちにリーグに入ってしまうと抜けるのに時間がかかってしまう場合のあることを見るに、三段リーグのシステム自体に年長者に利する何らかの要因が内包されているのかもしれませんね。

学業との兼ね合いももちろんあると思いますが、半年間調子をキープすることの難しさが年少者のリーグ突破を容易じゃないものにしている気がします。

2019/2/19(火) 午後 2:07 [ gan***** ] 返信する

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gan******さん

読んで下さって有難うございます。

三段リーグに遅い年齢で参加して1期抜け出来るのは、何らかの技術を持っているんじゃあないでしょうか。

例えば、相手の仕草や表情から形勢判断を知るとか。

ベテラン特有の技術を持っているのではないでしょうか。

2019/2/20(水) 午前 1:49 [ 銀桂一行 ] 返信する

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