将棋の茶店「芹沢鴨?」

将棋は大切な日本文化の一つ。将棋界が羽生(はぶ)さんを得たことは、天恵です。

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いよいよ今回がこのシリーズの最終回。

総括をしようと思う。

その前に一言。

手前味噌だが、奨励会について何か語ろうとしたら、この「三段リーグの厳しさ」シリーズに

目を通してからでないと、まともな話は出来ない。

と、今、自負している。


【総括】

将棋界は、四段からプロ棋士である。(注1.)

プロに成るためには、奨励会へ入り、最後の難関、三段リーグを勝ち抜かなければならない。

この三段リーグは、熾烈を極めると聞く。

しかし、調べてみた結果。
1.思ったより、三段リーグは厳しく無い。それよりも、三段になるまでが、厳しい。
三段リーグへ入った者及び在籍者は、第11回〜第53回までで、183人。(注2.)
このうち、晴れて四段になった者は、90人。退会した者は、60人。
第53回終了時点での残留者が、33人。

合格率50%!

合格率50%なんて、厳しい世界と呼ばない。

奨励会を受験する子供は、町道場で大人を手玉に取るアマ四段以上の小学生。
その強い子供たちが、年70〜100人位、受験する。
そして、そのうち24人しか奨励会へ入会できない。24%〜34%。
ここから、三段リーグにまで昇段するのは、僅か4人。16.7%。
2.13勝以上が条件
三段リーグは、年2回(2期)あり、各々18戦する。18戦中、14勝すれば9割の確率で突破できる。
13勝なら5割の確率。12勝なら僅か1割。退会者は、13勝が出来なかったから退会したと言える。
3.13勝すれば、今期は頭ハネでも後々必ず昇段する。
13勝したが昇段できなかった者25人。
その25人のうち、後に昇段した者19人。76%。
現在三段リーグに在籍している者、4人。16%。
退会した者、2人。8%。
在籍している4人(星野、宮本、杉本、西田)は、全員後に突破した。(平成29年3月4日現在)
4.在籍期間 6.5期(約3年)が目処。
 過去、昇段者の平均在籍期数は、6.5期。
リーグ参加平均年齢は、18歳。
突破した平均年齢は、21歳だ。
これを過ぎた場合、棋士になれる確率は、グンと下がる。
5.通算勝率.550以上が条件
通算勝率.550以上なら、必ず昇段出来る。
通算勝率.510以上なら、昇段は半々だ。
通算勝率.440以下では、昇段出来ない。
6.三段リーグ突破者は7つのタイプに分類することができる。
1.天才型 2.秀才型 3.晩成型 4.我慢型 5.努力型 6.爆発型 7.ラッキー型(幸運型)

最も多いのが、爆発型で、3割を占めている。
爆発型とは、6期以上在籍していて、それまでの成績からしたら考えられない勝ち星を上げて、
リーグを突破するタイプのことだ。このタイプが意外と多いのだ。
7.四段になる年齢が若いほど将来出世する。
16歳以下で四段になった者は、必ず、タイトル奪取できる。
17歳までに三段リーグを突破すれば、タイトルが望める。
19歳までに三段リーグを突破すれば、A級に成れる。
20歳を超えて四段になった者は、タイトルもA級も無理である。

よって、奨励会員は、高校2年生で大学進学の最後の決断をすべきである。



えっ?!

じゃあ、今、三段リーグで22歳を超ている人が惨めじゃあないか!

当然の反発だ。

いや、これに反発して挑戦する者は、それはそれで良いのだ。

また、三段リーグ時代、あるいは四段になってから、遊びたければ遊んでも構わないのだ。

しかし、後悔しないことだ。

基準は、前述した通りである。


20歳を過ぎて四段に成りタイトル奪取した棋士は、高橋道雄九段、藤井猛九段の2人だけ。

20歳で四段になり、A級へ昇級したのは、他に鈴木大介八段がいる。

21歳を過ぎて四段に成りA級昇級したのは、木村一基八段唯一人だ。

この4人は、例外である。

従って、21歳過ぎたら棋士になれても、活躍はない。



しかし、奨励会に臨む姿勢として、一番の手本は、木村一基(現八段)ではないかと思う。

努力型の項で取上げたが、彼は、13期在籍していた。

17歳で三段になり、翌年、亜細亜大学に入学。(注4.)

22歳で卒業した翌年23歳で四段に昇段している。

そして、21歳以降四段のA級新記録を作った。

木村が、大学を目指さず、将棋に打込んでいたら、もっと早く四段になっていたのではないか、

と言う推測は、ド素人の岡目八目。
今の三段リーグでは通用しない。

大学受験勉強と将棋の勉強を両方熟せる頭脳の持ち主でなければ、今の三段リーグを突破できない。

たとえ突破したとしても、大成しない。


羽生三冠が、ラジオ番組に出演して、

「 もし、奨励会がこんなに厳しい世界と知っていたら、入らなかったかも知れない。」

「 私の頃は、情報が無かったから、怖いもの知らずで挑戦できた。」

「 現代は、情報が有り過ぎて、不幸とも言える。」

と悪戯っぽく笑いながら述懐していた。


私の三段リーグの分析は、余分な情報なのかも知れない。

これを読んだ少年は、足が竦むかも知れない。

だが、この程度で竦む様では、三段リーグ突破は覚束ないだろう。

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【統計の解説】

現在、第54回を迎えているので、発足して27年目である。
統計は、第11回(1992年)〜第53回(2013年)までの43期分、約22年分である。
第1回からの統計にしなかった理由は、次の3点である。
1.第1回在籍者の在籍期間が、1期となってしまい数値として不適当になる。
2.第1回は17名、第2回は16名と少なく18戦になったのは第3回以降。
3.構成員が30名を超えるのは第11回以降。
よって、今回、統計をとるに当って第10回以前を除外した。
また、昇段、退会に関する規約が途中変更されている。(注3.)
次点2回者も同等の昇段者として扱い統計に加えた。
なお、編入試験で四段になった瀬川晶司氏は、三段リーグで退会者として扱った。
また、同じく編入試験で三段リーグへ再度参加した、今泉健司氏は、通算した。

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【注解】

注1.四段からプロ棋士

 将棋界では、四段からプロで「棋士」と呼ぶ。三段までは奨励会員である。よって「棋士」=プロであるが、
 特にプロを強調する為に通称で「プロ棋士」と呼ぶ。
 「奨励会(しょうれいかい)」は、正式には「新進棋士奨励会(しんしんきししょうれいかい)」である。
 日本将棋連盟のプロ棋士養成機関である。


注2.三段リーグへ入った者及び在籍者・・・

 発足時の第1回からだと、第53回までで、在籍者は、208人。
 このうち、晴れて四段になった者は、111人。
 退会した者は、64人。
 第53回終了時点での残留者が、33人。
 統計的に大差ない。

注3.昇段、退会に関する規約が途中変更

 1997年以降次点を2度取ったものは、フリークラスの四段に昇段する権利を得る。
 奨励会発足時は年齢制限がなかったが、1968年に「満31歳の誕生日までに四段に昇段できなければ奨励会を退会」
 という規定を 設ける。その後、1982年に満26歳に引き下げられてた。1994年に次の延長規定を追加する等して現在に至る。
 満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となる。
 ただし三段リーグで勝ち越しを続ければ満29歳を迎えるリーグ終了まで延長して在籍できる。
 年齢・勝ち越し条件に関係なく三段リーグに5期(2年半)在籍できる。

注4.入学と卒業

 木村が亜細亜大学へ入学した年月日や、卒業に何年要したかは知らない。
 18歳で入学し22歳で卒業したと仮定して書いた。

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【参照】


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