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佐藤康光の封じ手の駆引き・・・一晩の長考 第7期 竜王戦 第6局 挑戦者▲羽生名人(当時五冠 24歳)vs △佐藤竜王(当時 25歳) 1日目、午後5時過ぎ。 43手目、羽生が▲5五歩と突いた局面で、佐藤が長考。(図1.) 【図1. 43手目▲5五歩まで】 約1時間考えて、次の一手を封じた。 この局面は、第3局で後手を持って佐藤が迎えた局面とほぼ同じ。 普通、△5五同歩の一手なのだが、佐藤は違う手の可能性もあると、第3局のときに考えていた。 そして期待通り、その局面を迎えた。 佐藤は、次の一手を既に決めていた。 指そうと思えば、ノータイムで指せた。 しかし、態と指さず、封じ手時刻まで持ち時間を割いた。 なぜ、そんなことをしたのか? 翌朝の佐藤の封じ手は、意表をつく△6四歩であった。 【図2. 44手目△6四歩まで】 これに対する先手の応手は、▲5四歩が最善。 ならば・・・ 44手目を封じ手にすれば、46手目以降を明日の朝まで考えることが出来る。 これが、封じ手側のメリット、「 一晩の長考 」である。 佐藤は、夕方の会食が終った後、控室へ顔を出し、世間話をして、羽生と入替わる様に自室へ引上げた。 恐らく夜9時頃。 従って、ここから2時間近く46手目以降の変化を検討した。 もしかしたら、もっと時間を費やしたかも知れない。 *----------*----------* 【解説】 開始日時:平成6(1994)年12月7-8日 棋戦:第7期 竜王戦 第6局 戦型:相矢倉▲3七銀 場所:山形県天童市「滝の湯ホテル」 先手:羽生善治 名人(当時 王位・棋聖・棋王・王座 24歳) 後手:佐藤康光 竜王(当時 25歳) 121手で羽生が勝ち、4勝2敗で竜王奪還。 *----------*----------* 【シリーズ「封じ手の駆引き」】 |
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