|
『大盤解説賞』の創設を提案する。 将棋界には、将棋大賞や名局賞がある。 これは料理人とネタを評価するもの。 しかし、今後は、グルメ雑誌に相当する大盤解説者や聞き手を評価する賞が必要である。 『大盤解説賞』は、解説の名局賞みたいなもの。 さて、どこが名解説だったのか、振返ってみよう。 序盤の35手目、聡太君が▲2二銀不成とした局面。 【図1. 35手目▲2二銀不成まで】 更に、▲1一銀不成〜▲2二銀成とした。 【図2. 39手目▲2二銀成まで】 これは驚愕の手順。 香車を取った1一銀を、放っておいても取られるにも拘らず、1手掛けて▲2二銀成! この一連の手順を評して鈴木九段は、次ぎの様に語った。 「これは、私の常識に無い手ですね。今までの常識では、▲1一銀成から2一の桂馬を取るか、1二に引く。 後手は銀を『取るぞ取るぞ』と脅かしてるのに、逆に『どうぞ取って下さい』って先手は誘ってるんですよね。」 更に進んで、42手目△3三角の局面。 【図3. 42手目△3三角まで】 ここでは、当然、10人の棋士が居れば、10人全員が▲2三飛成とする。 ところが・・・ 聡太君は、▲3五歩。 【図4. 43手目▲3五歩まで】 またまた鈴木九段が、ここでも唸った。 ▲2三飛成とすれば3四金取りになって、先手が引ける。 にも拘らず、▲3五歩で金を逃がそうと云うのだ。その上、歩切れの相手に1歩を渡す。 常識的には、悪手。 「これも今までの発想、常識に無い手です。それでいて、釣合いが取れている。 (過去)才能があると言われる相手に負かされても、自分の常識範囲の手を指されたのなら、 次の対戦では、何とかできる(勝てる)自信がある。 しかし、自分の発想に無い手を指されたら、これは無理だな(永遠に勝てない)と思う。 (これらの手は)一生かかっても(勉強しても)私には思いつかない。 う〜ん、どんな勉強の仕方をしたら、こんな手が発想できるのかなあ。 師匠の杉本七段が溺愛する筈ですよね〜」 どうでしょうか。 素晴しい解説でしょ? 将棋史上最高の名解説だと思いませんか? 天才と言っても、どこがどう天才なのか。 今までの棋士と、どんなところが違うのか。 具体的な指し手で、どう違うのか。 これらの疑問に、見事答えた解説です。 *----------*----------* 【藤井聡太四段 炎の七番勝負〜New Generation Story〜】 師匠の杉本昌隆七段(48歳)は、七番勝負の相手に羽生善治三冠(棋聖・王位・王座 46歳)などトップ棋士がずらりと並ぶが 「全部負けてしまうかもしれないが、逆に全部勝ってもそんなに驚かない」とコメントした。 弟子に取った時から「びっくりするくらいの才能を持っていた」と認める逸材だけに、デビュー以来の好調ぶりも想定内だ。 「最年少四段の記録を打ち立てたわけですから、次は最年少のタイトルを期待しています」と語る。 七番勝負の対戦相手は次の通り。 第1局 増田康宏四段 第2局 永瀬拓矢六段 第3局 斎藤慎太郎七段 ※対局時は六段 第4局 中村太地六段 第5局 深浦康市九段 第6局 佐藤康光九段 第7局 羽生善治三冠 *----------* 【第3局】 放映日時:平成29年3月26日(日)夜7時〜 ▲藤井聡太 四段(14歳) vs △斎藤慎太郎 六段(22歳) 持時間:各1時間 結果:91手で先手藤井の勝ち。 解 説:鈴木大介 八段 聞き手:中村桃子 女流初段 司 会:永田実
|
大盤解説、観戦記
[ リスト ]





