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終わりました。 大晦日の除夜の鐘を耳にする気分です。 深閑とした真夜中、凍てつく空気の中に響く。 また、一年が過ぎた。 郷田王将は、感想戦を終えて、サッと帰ったそうです。 降級かどうか知らないまま。 いいですねえ。 悲哀があって。 残念ながら、陥落となりましたが・・・ まさか、まさかの、久保九段も陥落です。 終局後、ガックリ肩を落とした久保さんの姿が印象的でした。 しかし、広瀬八段が残留しました。 ヨカッタ、ヨカッタ、おめでとう! それにしても、久保が勝っていたら、森内が陥落だったことに驚きますね。 さて、名人挑戦ですが、見事、天彦が一発で決めました。 A級1期目での挑戦は、なんと20年振り! 新たな歴史の1ページですね。 渡辺竜王は、あらためて、衝撃を受けたことでしょう。 本日のハイライト。 どれも熱戦で、見応えがありましたが、私の注目は2局。 ▲久保 vs △森内戦 最終盤、久保が▲9六銀と打った局面。 【図1.121手目▲9六銀まで】 打った瞬間に、うわーっ!と絶叫してしまいました。 一路違って▲8六銀なら詰めろ逃れの詰めろ。 結果が入替っていたかも知れない。 しかし、この▲9六銀の局面まで持ち堪える力があったればこそA級だった。 残念! 来期復帰することを期待します! 2局目は、▲行方 vs △天彦戦 序盤からずっと天彦優勢で来たが、行方の「と金」を犠牲にしたのが盲点の好手。 逆転で行方やや優勢に。 ところが、今度は、行方の▲7五銀が疑問手。 【図1.85手目▲7五銀まで】 上から押さえて挟撃態勢を築き、しぜんな一手に見えますよね〜 天彦は横に逃げずに縦に逃げた。 △6二飛が好手。 さらに△5四歩が銀取りになり再逆転。 天彦が勝ちました。 この試合と云い、4回戦の渡辺戦と云い、天彦の逆転勝ち。 粘り強い行方と、竜王の渡辺に逆転勝ちするんですから、もう超一流です。 立派な名人挑戦者です。 羽生名人との七番勝負が楽しみですね。 年下世代が挑戦者になるのは、第52期(平成6年)米長名人(当時)vs 羽生四冠以来、22年振り。(注1) まっ!でも、我らが羽生名人の防衛に終わりますけどね・・・フフフ *---------*---------* 【第74期 順位戦 A級 最終9回戦 一斉対局の結果】 対局場所:東京・将棋会館 開始時刻:10時 持時間:各6時間 ▲行方尚史八段(42歳 6勝2敗)vs △佐藤天彦八段(28歳 7勝1敗) 挑戦者争いは、天彦と行方に絞られており、天彦が勝てば挑戦、行方が勝つとプレーオフとなる。 両者の過去の対戦は3回で、全て天彦が制している。 24時59分、110手で後手天彦の勝ち。 この結果、天彦が名人挑戦を決めた。 消費時間:▲行方5時間59分、△佐藤5時間59分 ▲久保利明九段(40歳 2勝6敗)vs △森内俊之九段(45歳 3勝5敗) 残留を懸けた戦い。勝者は残留確定。敗者の残留は他局の結果次第となる。 対戦成績は森内14勝、久保20勝。 24時56分、134手で森内九段が勝ち。 森内九段は残留確定。久保九段は降級が決まりました。 消費時間:▲久保5時間59分、△森内5時間56分 ▲深浦康市九段(44歳 3勝5敗)vs △広瀬章人八段(29歳 2勝6敗) 24時33分、118手で広瀬八段の勝ち。 この結果、広瀬八段が残留を決めました。 消費時間:▲深浦5時間51分、△広瀬5時間56分 ▲屋敷伸之九段(44歳 5勝3敗)vs △郷田真隆王将(44歳 2勝6敗) 郷田が残留するには自身が勝ち、広瀬章人八段が敗れねばならない。 屋敷は降級も挑戦も関係なし。 23時45分、104手で郷田王将の勝ち。 しかし、広瀬が勝った為、郷田の陥落が決定した。 消費時間:▲屋敷5時間51分、△郷田5時間32分 ▲佐藤康光九段(46歳 5勝3敗)vs △渡辺明竜王(31歳 棋王 5勝3敗) 挑戦にも陥落にも関係しないが、この白星は、来期の白星。 必ず、来期、大きな影響を及ぼす。 対戦成績は21勝づつの互角。 22時34分、78手で渡辺竜王の勝ち。 結果、渡辺竜王は、来期順位3位、康光は4位に決まりました。 消費時間:▲佐藤5時間25分、△渡辺4時間57分 *---------*---------* 【注解】 注1.年下世代が挑戦者になるのは・・・ 第52期(平成6年)名人戦 七番勝負 米長邦雄名人(当時 50歳)vs 羽生善治四冠(棋聖 王位 王座 棋王 23歳) 羽生四冠が4勝2敗で初の名人位を奪取。五冠となった。 第68期(平成22年)挑戦者の三浦弘行八段は、羽生世代と見做す。
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2016年02月28日
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『 将棋界の一番長い日 』とは、名人挑戦者とA級から陥落する運命の2名が決まる最終戦のこと。 毎期、最終第9回戦は、A級10名による全5局が一斉に行われ、陥落に絡む棋士が、 瀬戸際の血の滲むような戦いを繰り広げる。 この日は、東西の将棋会館に多くの棋士と関係者、マスコミが集り、タイトル戦並の賑わいを見せる。 陥落と言う悲壮な戦いでありながら、見守る棋士達は、皆、尊敬の念を抱いており、 自分もあの席に座り、注目されたいと願う。 挑戦も陥落も最終戦を待たずに確定してしまうこともあるが、大概は最終戦に決まる。 よって、全5局が終了するまで目が離せない。 語源は、大宅壮一著『日本のいちばん長い日』(文藝春秋社 初版昭和40年)である。 東宝創立35周年記念作品として昭和42年(1967年)に映画化にもなった。 タイトルの「日本のいちばん長い日」とは、昭和天皇や閣僚たちが御前会議において降伏を決定した 昭和20年(1945年)8月14日の正午から、国民に対してラジオ(日本放送協会)の玉音放送を通じて ポツダム宣言の受諾を知らせる8月15日正午までの24時間を指している。 *----------* 【直近の例】 第74期は、名人挑戦が佐藤天彦八段(7勝1敗)と行方尚史八段(6勝2敗)の対局で、 佐藤が勝てば挑戦確定。逆に行方が勝てばプレーオフ再決戦に持ち込める。 と、理想的な直接対決となった。 一方、陥落の方は、久保利明九段、森内俊之九段、広瀬章人八段、郷田真隆王将の中から2名が 勝敗の結果で決まる、と云う状況で最終9回戦を迎えた。 結果は、佐藤天彦が勝ち名人挑戦者。 陥落は、久保と郷田に決った。
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