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渡辺教授が、16歳高校生相手に大学院レベルの試験問題を提示した。
第1問と第2問は、教授の予想を超える名解答だった。
しかし、そんなことで動じる渡辺じゃあない。
〔図1. 54手目△6三銀まで〕
図1から
▲7四歩 △同飛
▲7六歩(図2)
〔図2. 57手目▲7六歩まで〕
局後の大盤解説会での感想戦で、自ら絶賛した手。
佐藤天彦名人も「感触の良い手ですよね」と同調していた。
これは数多(あまた)の強敵を倒し、タイトルを手にして来た者だけが得られる感触らしい。
従って、これが渡辺教授の出題した第4問だ。
対して、聡太君は、サラッと△8四飛と戻した。
〔図3. 58手目△8四飛まで〕
「ふ〜ん。そう指すんだ〜」と渡辺が落胆して、会場を沸かせた。
( 渡辺のこの明るさと正直さが良い )
渡辺が予想していたのは、△3一玉、△6四銀、△9五歩だっただろうか。
「銀交換になれば▲7五銀と打って飛車を捕獲できるからなあ」
「(相手が)間違え易そうな局面ですよね」と天彦も応援する。
そんな遠い未来を描きながら駒を進めると、経験上、良いことが起きるらしい。
図3から
▲3八飛 △7五歩
▲3五銀 △同銀
▲同飛 △7六歩
▲8八角 △3四歩(図4)
〔図4. 66手目△3四歩まで〕
この後手△3四歩に対して、渡辺は勿論のこと、解説陣(天彦名人、深浦九段、高見叡王)も含め、誰もが「飛車をどこに引くか」しか考えていなかった。
ところが、ここが勝負の分岐点だった。
恐ろしいことに、局後の大盤解説で聡太君が指摘するまで誰一人気付かなかったのだ。
図4から
▲3九飛 △7五銀(図5)
〔図5. 68手目△7五銀まで〕
これで後手聡太君が優勢。
逆に▲3九飛と引く手で、▲7五銀と先手が先着していれば、先手優勢だった。
渡辺教授、面目丸潰れ。
どっちが教授か分らない。
<続く>
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【ニュース冒頭】
第12回 朝日杯将棋オープン戦
場所:東京都千代田区「有楽町朝日ホール」
日時:平成31年2月16日(日)
持時間:各40分(チェスクロック方式)。切れると1手60秒の秒読み。
本戦 準決勝
開始時刻:10時30分
▲行方尚史 八段(45歳)VS △藤井聡太 七段(16歳)
結果:120手で藤井の勝ち
終局時刻:12時53分
消費時間:共に40分
本戦 決勝戦
開始時刻:14時30分
▲渡辺明 棋王(34歳)VS △藤井聡太 七段(16歳)
結果:128手で藤井の勝ち
終局時刻:16時52分
消費時間:共に40分
主催:朝日新聞
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