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15.羽生名人を理解する7つのポイント (2)野球に喩えると、通算打率0.350の打者(続続)追記
〜 イチローが日本野球界に留まって達成するであろう打率に匹敵する 〜
<前回の続き>前回、驚きの結果を得た。 現在45歳の羽生さんと同時期の故・大山十五世と比較してみると、 なんと、驚いたことに、大山45歳時点の通算勝率が0.711! 羽生さんが0.719で、ほぼ同じだった! これでは、羽生さんの史上最強説が揺らぐ。 2015年度末時点で羽生さんは45歳。通算対局数1862局1339勝勝率0.719 今後20年間を、故・大山十五世と同じ勝率と仮定してシュミレーションしてみた。 大山十五世の46歳以降の勝率は、0.610〜0.630 これで20年間を計算した。(対局数は年間約40局とした。) <結果>羽生さんは、10年後の55歳の時点でも、通算勝率 0.700を切らない。さらに、65歳の時点でも、通算勝率 0.680を上回る。と、予想される。故・大山十五世が55歳の時の勝率0.677、65歳の時の勝率0.656だった。羽生さんの勝ちである。 では、逆に、大山の生涯勝率0.647に並ぶまで下降するには、46歳以降、羽生さんはどんな成績になるのか? 答えは、勝率0.480である。(注1) こんな成績、羽生さんに有り得ない!! フフフ、どうでしょうか? *----------*----------* 【羽生善治の46歳〜65歳の20年間のシュミレーション】 *----------*----------* 【注解】 注1.答えは、勝率0.480である。 通算勝率0.647 =(y+1339)÷(810+1862) y+1339=0.647(810+1862) y=1728−1339=389 大山に並ぶ46歳〜65歳の20年間の勝率=389÷810=0.480 注:yは勝数 *----------*----------* 【関連記事】 *----------*----------* 【参考】 「はじめに」 4つの戦略 (1)はじめに 第1の戦略『 早指し戦略 』とは。パート1 第2の戦略『 新感覚戦略 』とは。パート1 『 ポセイドンの一手 』 『 ヘラクレスの一手 』 第3の戦略『 大山戦略 』とは。実戦例1 第4の戦略『 中原戦略 』とは。実戦例1 中終盤の技術『カオスの一手』 |
棋士の分析
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15.羽生名人を理解する7つのポイント (2)野球に喩えると、通算打率0.350の打者(続続)
〜 イチローが日本野球界に留まって達成するであろう打率に匹敵する 〜
ブログ読者 AISHさんから、通算勝率が時代を超えた比較対象可能な数値であることは分ったが、それなら対局数を揃えて比較すべきではないか、とのご指摘を頂いた。 有難うございます。 なるほど、全く考慮に欠けていた。 早速、調べてみた。 前期末、羽生さんは、1862局 通算勝率0.719 である。(2016年3月31日現在) 大山康晴 1983年(S.58年)60歳 1893局 1267勝 626敗 勝率0.669 中原 誠 1999年(H.11年)52歳 1869局 1213勝 656敗 勝率0.649 年度末で調べたのでピッタリ同数ではないが、大差ないだろう。 もう一つ、年齢と共に衰えるのではないか、と云う観点から比較してみる。 すなわち、現在、羽生さんが45歳。 大山康晴 1968年(S.43年)45歳 983局 699勝 284敗 勝率0.711 中原 誠 1992年(H.04年)45歳 1542局 1034勝 508敗 勝率0.671 しかし、ほんの僅かとは云え、羽生さんが上回っているので、 で、今のところ、納得して貰えまいか。フフフ *----------*----------* 【プロフィール】 羽生 善治(はぶ よしはる) 1970年(昭和45年)9月27日生。現役 タイトル獲得 97期(歴代1位) 一般棋戦優勝 44回(歴代1位タイ) 通算 1355勝(歴代2位) 名人在位通算 9期(歴代3位) 順位戦A級在籍・名人在位 連続24期(歴代9位タイ) 十九世名人、永世王位、永世棋聖、永世王将、永世王座、永世棋王の6つの永世称号を保持。 通算成績 1891局(持将棋2局を含む) 1355勝 534敗 勝率0.717 大山 康晴(おおやま やすはる) 1923年(大正12年)3月13日生、1992年(平成4年)7月26日没。 タイトル獲得 80期(歴代2位) 一般棋戦優勝 44回(歴代1位タイ) 通算 1433勝(歴代1位) 名人在位通算 18期(歴代1位) 順位戦A級在籍・名人在位 連続45年44期(歴代1位) 十五世名人、永世十段(現・竜王)、永世王位、永世棋聖、永世王将の5つの永世称号を保持。 生涯成績 2214局 1433勝 781敗 勝率0.647 中原 誠(なかはら まこと) 1947年(昭和22年)9月2日生、2009年(平成21年)3月引退。 通算タイトル獲得数 64期(歴代3位) 一般棋戦優勝通算 28回(歴代3位) 通算 1308勝(歴代4位) 名人在位通算 15期(歴代2位) 順位戦A級・名人在位 連続30年29期(歴代5位) 十六世名人、永世十段(現・竜王)、永世王位、名誉王座、永世棋聖の5つの永世称号を保持。 生涯成績 2093局(持将棋3局を含む)1308勝 782敗 勝率0.6258 *----------*----------* 【史上三強の比較】 注:大山、中原の数値は、年度末のものである。 大山康晴 1968年S.43年 45歳 983局 699勝 284敗 勝率0.711 大山康晴 1977年S.52年 54歳 1457局 1000勝 455敗 勝率0.686 大山康晴 1983年S.58年 60歳 1893局 1267勝 626敗 勝率0.669 大山康晴 1988年S.63年 65歳 2095局 1375勝 720敗 勝率0.656 中原 誠 1992年H.04年 45歳 1542局 1034勝 508敗 勝率0.671 中原 誠 1999年H.11年 52歳 1869局 1213勝 656敗 勝率0.649 羽生善治 2001年H.13年 31歳 1000局 745勝 254敗 勝率0.745 羽生善治 2009年H.21年 39歳 1510局 1090勝 419敗 勝率0.722 *----------*----------* 【関連記事】 *----------*----------* 【参考】 「はじめに」 4つの戦略 (1)はじめに 第1の戦略『 早指し戦略 』とは。パート1 第2の戦略『 新感覚戦略 』とは。パート1 『 ポセイドンの一手 』 『 ヘラクレスの一手 』 第3の戦略『 大山戦略 』とは。実戦例1 第4の戦略『 中原戦略 』とは。実戦例1 中終盤の技術『カオスの一手』 |
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15.羽生名人を理解する7つのポイント (2)野球に喩えると、通算打率0.350の打者(続)
〜 イチローが日本野球界に留まって達成するであろう打率に匹敵する 〜
将棋史上最強の棋士は誰か?の問いに、一昔前は「 大山康晴 」の答えが多かっただろう。 今はどうだろうか? 羽生さんは、タイトル獲得期数95期、史上初の七冠制覇、史上最年少1300勝などなど、 大山を凌駕した記録を列挙することができる。 では、羽生さんが、史上最強棋士か? しかし、もし、同時代に大山、中原と戦えば、どうだったか? と、昔のファンは反論します。 昔の王者と今の王者が戦えば? これは、どんな世界でも永遠の議論です。 MLBで、1940年以前は4割打者が何人も存在しました。(レギュラーシーズンの打率) しかし、もし、彼らが、現在に蘇っても、4割は無理です。(注1) 打率0.370を超えたら大喝采です。 ピート・ローズが現MLBでプレーすれば、 通算4256安打、打率0.303は到底達成できない。 通算3900安打が精一杯でしょう。 だが、恐らく、オールドファンは、顔を真っ赤に反論するに違いない。 将棋界も同じです。 大山時代、最初はタイトルが3つしかなかった。(注2) 中原時代で6つでしょうか。 現在は7つ。 よって、対局数は大山時代に比べれば倍に増えた。 棋士の数も50名程度から150名にまで増えた。 条件が違う。 勝数、獲得タイトル期数なんて、やはり比較できない。 羽生さんの通算勝率は、0.717 である。(2016年9月30日現在) 大山 0.647 中原 0.626 羽生さんの通算対局数は、1800局。 前回も書いたが、野球に喩えれば8000打席に匹敵する。 それで打率0.350を超えているのとおなじなのだ。 因みに、 大山の勝率を野球に喩えれば、打率0.320 に匹敵する。 中原の勝率を野球に喩えれば、打率0.310 に匹敵する。 羽生さんの打率0.350は断トツである。 *----------*----------* 【歴代の主だった棋士の通算勝率】 *----------*----------* 【羽生善治の記録】 2016年9月30日現在:1891局 1355勝 534敗 勝率 0.7173(800勝以上の棋士中、歴代1位) 1300勝達成時:1798局 1300勝 498敗 勝率 0.7230、2014年11月20日 第64期 王将戦リーグ 5回戦 三浦弘行九段 1000勝達成時:1373局 1000勝 373敗 勝率 0.7283、2007年12月20日 第66期 順位戦A級 6回戦 久保利明八段
800勝達成時:1083局 800勝 283敗 勝率 0.7387、2003年2月23日 第36回早指し将棋選手権本戦トーナメント決勝 藤井猛九段
<通算タイトル獲得期数 95期 歴代1位>600勝達成時: 809局 600勝 209敗 勝率 0.7417、1999年2月9日 第48期 王将戦 七番将棋 第4局 森下卓八段 名人 9期 竜王 6期 王位 17期 王将 12期 棋聖 15期 王座 23期 棋王 13期 合計 95期 <一般棋戦優勝回数 44回 歴代同数1位> <最優秀棋士賞受賞 21回 歴代1位> <全タイトル七冠同時制覇 平成8年(1996年)2月14日> 第45期 王将戦 七番勝負 第4局に勝ち、七冠目の王将を谷川浩司から奪い、七冠同時制覇を達成した。 *----------*----------* 【注解】 注1.彼らが、現在のMLBに蘇っても、4割は無理 2000年以降シーズン打率0.380を超えた選手はいません。 打率 0.372 が最高です。 2004年 鈴木 一朗(シアトル・マリナーズ) 打率 0.372 2000年 ガルシアパーラ(ボストン・レッドソックス) 打率 0.372 2000年 トッド・ヘルトン(コロラド・ロッキーズ) 打率 0.372 2010年以降シーズンでは、打率0.359が最高です。 2010年 ジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャーズ)打率0.359 打率が下った原因は、投手の球種が増え、守備シフトが研究され、投高打低になったからです。 注2.大山十五世時代は、タイトルが3つしかなかった。 大山十五世時代は、タイトルが名人、王将、十段の3つ。 昭和35年(1960年)王位がタイトル戦に加わる。 昭和37年(1962年)棋聖が加わり5つとなった。 大山は昭和37年(1962年)に全五冠同時制覇した。 昭和50年(1975年)棋王がタイトル戦に加わり、全6冠となる。 中原は昭和52年(1977年)五冠同時制覇したが、全冠制覇ではなかった。 昭和58年(1983年)王座戦が一般棋戦からタイトル戦へ昇格、全7冠となる。 羽生は、平成7年(1995年)名人、王将、十段、王位、棋聖、棋王、王座の全7冠を同時制覇した。 大山は全冠制覇で、羽生と同等じゃあないか、と昔のファンは、主張するでしょう。 *----------*----------* 【関連記事】 *----------*----------* 【参考】 「はじめに」 4つの戦略 (1)はじめに 第1の戦略『 早指し戦略 』とは。パート1 第2の戦略『 新感覚戦略 』とは。パート1 『 ポセイドンの一手 』 『 ヘラクレスの一手 』 第3の戦略『 大山戦略 』とは。実戦例1 第4の戦略『 中原戦略 』とは。実戦例1 中終盤の技術『カオスの一手』 |
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15.羽生名人を理解する7つのポイント (2)野球に喩えると、通算打率0.350の打者
〜 イチローが日本野球界に留まって達成するであろう打率に匹敵する 〜
羽生さんを紹介するときタイトル獲得期数、故・大山十五世の80期を超えて、95期。 史上初の七冠制覇。史上最年少1300勝。 などなど、記録を列挙する。 しかし、将棋界をあまり知らない人には、ピンとこないだろうと思う。 羽生さんの通算勝率は、0.7173 である。 将棋の通算勝率7割は、野球に喩えると、通算打率0.350を超えることである。 日本の歴代最高通算打率は、レロン・リーの 0.320 です。(注1) MLBの場合どうか。 1960年(昭和35年)以前の記録を外すと、 歴代最高通算打率は、トニー・グウィンの 0.338 である。(注2) 因みにイチローの日本プロ野球時代の通算打率は、0.353 である。 ( 4000打席に満たないので記録の対象とされない。) これが、羽生さんの通算勝率に匹敵する。 それも、通算対局数1800局を超えているのだから、文句のつけようがない。 野球なら8000打席に相当するだろう。 投手に喩えると、毎年30試合に登板し20勝以上、15年間続けているようなものだ。(注3) *----------*----------* 【 追記 】 通算ではなく、シーズン(年間)記録ではどうか。 日本プロ野球のシーズン最高打率は、バーズの 0.389 である。 MLBの場合、1960年(昭和35年)以前の記録を外すと、 シーズン最高打率も同じくトニー・グウィンで、0.394 である。 野球のシーズン打率4割は、将棋に当て嵌めると年間勝率9割である。 将棋で年間勝率9割を超えた棋士は、未だいない。8割を超えた棋士は過去 8名いる。 勿論、羽生さんは、入っており、2度超えている。 2度超えたのは、羽生さんと中原十六世名人だけである。 【将棋 年間勝率ベスト10】 *----------*----------* 【日本プロ野球 歴代通算打率ベスト10】 【日本プロ野球 歴代シーズン打率ベスト5】
2015年度シーズン終了 現在
*----------*----------*【羽生善治の記録】 2016年8月26日現在:1884局 1350勝 532敗 勝率 0.7173(800勝以上の棋士中、歴代1位) 1300勝達成時:1798局 1300勝 498敗 勝率 0.7230、2014年11月20日 第64期 王将戦リーグ 5回戦 三浦弘行九段 1000勝達成時:1373局 1000勝 373敗 勝率 0.7283、2007年12月20日 第66期 順位戦A級 6回戦 久保利明八段
800勝達成時:1083局 800勝 283敗 勝率 0.7387、2003年2月23日 第36回早指し将棋選手権本戦トーナメント決勝 藤井猛九段
<通算タイトル獲得期数 95期 歴代1位>600勝達成時: 809局 600勝 209敗 勝率 0.7417、1999年2月9日 第48期 王将戦 七番将棋 第4局 森下卓八段 名人 9期 竜王 6期 王位 17期 王将 12期 棋聖 15期 王座 23期 棋王 13期 合計 95期 <一般棋戦優勝回数 44回 歴代同数1位> <最優秀棋士賞受賞 21回 歴代1位> <全タイトル七冠同時制覇 平成8年(1996年)2月14日> 第45期 王将戦 七番勝負 第4局に勝ち、七冠目の王将を谷川浩司から奪い、七冠同時制覇を達成した。 *----------*----------* 【注解】 注1.レロン・リー(Leron Lee、1948年3月4日生、68歳) アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の元プロ野球選手。外野手。 日本プロ野球ロッテオリオンズに1977年〜1987年の11年間在籍した。 同時期に活躍したレオン・リーは実弟。 甥(レオンの息子)はプロ野球選手のデレク・リー。 注2.アンソニー・キース・グウィン(Anthony Keith "Tony" Gwynn, 1960年5月9日-2014年6月16日、54歳没) アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身の元プロ野球選手。外野手。 1982年〜2001年の20年間、サンディエゴ・パドレスのみに在籍した。 注3.20勝以上、15年間続けている
野球選手の現役年数は、棋士の約半分かと思う。
*----------*----------*よって、羽生さんは棋士(四段)になって30年なので、野球選手なら15年とした。 【関連記事】 *----------*----------* 【参考】 「はじめに」 4つの戦略 (1)はじめに 第1の戦略『 早指し戦略 』とは。パート1 第2の戦略『 新感覚戦略 』とは。パート1 『 ポセイドンの一手 』 『 ヘラクレスの一手 』 第3の戦略『 大山戦略 』とは。実戦例1 第4の戦略『 中原戦略 』とは。実戦例1 中終盤の技術『カオスの一手』 |
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21.番外編 〜 平成28年度の羽生さんを予想する 〜 今期、周囲の予想を覆して、意外にも、羽生さんが叡王戦に出場を決めた。(注1) 将棋関係者は驚いたことだろう。 前期、羽生名人と渡辺竜王は、エントリーしなかった。 タイトル戦と日程が重なると云うのが理由だった。 確かに名人戦は完全に重なる。 しかし、羽生さんは名人位を失冠した。 これで憂いがなくなった。 だが、おかしい。 羽生さんは、名人戦が始る前に、既に参戦を決断していた。 アルファ碁の出現に触発されたのか?(注2) それもあるだろう。 それ以上に大きいのは、NHKの人工知能番組の取材を任され、色々と触発されたに違いない。 海外の人は、日本の将棋界の事情なんて知らない。 既に羽生さんは将棋ソフトと対戦しているだろう前提で、素朴に質問する。 デミス・ハサビス氏などは、きっと、人間側が事前研究すれば、まだまだ人工知能は及ばない点がある、 と語ったに違いない。 *----------*----------* 【NHKスペシャル 「人工知能 天使か悪魔か」撮影秘話】 1年前、この番組に羽生さんが協力をしてくれることになり、初めて会ったとき、 「コンピューター将棋をどう思うか?」とたずねたところ、羽生さんは、 「棋譜を見れば、コンピューターが指しているのか、人が指しているのかわかる。 将棋の美しさでいうと、人間に分がある」 と語りました。 { あまり人工知能との対局に興味を持っている様子はありませんでした。 ところが、先日行われた第1期電王戦後の感想は、少しニュアンスが変わっていました。 「序盤からおもしろい将棋を指している。興味深い」 今、人類最後の砦として羽生さんが人工知能と戦うのではないかと憶測を呼んでいますが、 羽生さんは、この番組の取材を通じて、人工知能の進化を、身を持って体感しています。 その進化のひとつが、強引なまでの計算力という段階を超え、 「人間らしさ」を獲得する段階に近づいているということです。 「人間らしさ」、つまり直感や創造性を獲得しつつある人工知能。 人類最強の頭脳・羽生さんが人工知能と戦ったら・・・怖いけれど、ワクワクしますよね。 *----------*----------* 【NHKスペシャル 「人工知能 天使か悪魔か」羽生さんの語り部分】 私が印象に残ったのは、李九段の「人工知能が私が経験をしたこともない手を繰出してきた」と言う言葉です。 百戦錬磨の天才棋士でも思いつかない手筋を打ってきたのは画期的なことです。 圧倒的な計算速度で勝負してきた従来のソフトとは、次元が違います。 どうしてアルファ碁が急激な進化を遂げたのか、その秘密を知りたくなった。 *----------*----------* 【注解】 注1.羽生さんが叡王戦に出場を決めた。 平成28年5月22日、山崎隆之叡王 vs ポナンザ(Ponanza)の第2局終局後、発表された。 第74期 名人戦 第3局と第4局の間である。 すなわち、羽生名人は、名人戦が始る前の3月末までに、既に決断していたのではないか。 注2.アルファ碁の出現 米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー「ディープマインド」(英国)の囲碁ソフト 『 アルファ碁(AlphaGo) 』は、 世界トップクラスの韓国人プロ棋士、李世乭(イ・セドル)九段 と韓国ソウルで、2016年3月9日〜15日に、5戦し、アルファ碁が4勝1敗で制した。 それまで、コンピュータ囲碁ソフトがプロ棋士に勝つには、まだ10年先、と言われており、 李九段に対して、1勝できるかどうかが焦点だと予想されていたが、アルファ碁は予想を覆した。 *----------*----------* 【関連記事】 4つの戦略 (1)はじめに 第1の戦略『 早指し戦略 』とは。パート1 第2の戦略『 新感覚戦略 』とは。パート1 『 ポセイドンの一手 』 『 ヘラクレスの一手 』 第3の戦略『 大山戦略 』とは。実戦例1 第4の戦略『 中原戦略 』とは。実戦例1 中終盤の技術『カオスの一手』 |





