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有望な若手の活躍度を計る前に、現在の上位棋士の若手時代を調べた。 羽生世代以降の棋士を対象に 「羽生三冠単独」「タイトル経験者」「A級経験者」「A級経験なし」 の4種類に分けて「 通算対局数毎の勝率 」を折線グラフで描いてみた。 〔グラフ1.〕 「タイトル経験者」は、通算対局数 500局まで勝率.690をキープしている。 大抵、順位戦B級2組に到達している頃である。 800局まで勝率.667をキープ、A級に在籍している。 「A級経験者」は、通算対局数 200局まで勝率.680をキープしている。 400局まで勝率.667である。 「A級経験なし」の棋士は、スタートから通算 900局まで平均勝率.560と横ばいだ。 ところが、1000局を超えると急に平均勝率が.600へ向って跳ね上がる。 このクラスの棋士は、毎年の対局数が少ないのでなかなか900局に達しない。 その中で900局を超える棋士は、ほぼ「A級経験者」に匹敵する実力なのだが、 不運にもA級へ上がれなかった棋士。 よって、900局を超えるとその勝率の高い棋士だけの数値になる。 さて、誰でしょうか? 中田宏樹八段(49歳、1129局、683勝、.605) 中川大輔八段(45歳、1034局、624勝、.604) の2名。 統計をとると、こう云う隠れた棋士を発見できるから、嬉しい。 グラフ1に、時代の異なる中原十六世と谷川九段を加えたのが、次のグラフ2だ。 〔グラフ2.〕 中原は、デビュー4年目の通算158局まで、勝率.800を超えていた。 18年目の通算950局まで、勝率.700を超えていた。当時35歳である。 凄い! 将に彗星のごとく現れた、恐ろしい若者だったのである。 谷川も、グラフを見れば判る通り、前半では一時期「タイトル経験者」の平均以下だったが、 後半、平均を超えている。 だが、中原は谷川だけでなく、羽生世代の「タイトル経験者」も上回っている。 30年に一人の天才である。 しかし、それを更に上回るのが、我らが羽生さんである。 1760局にも達しながら、未だに勝率.722なのである。 一人飛び抜けているのが、一目瞭然だ。 おそらく百年に一人の天才なのだろう。 *----------*----------* 【グラフと統計の説明】 平成2年度〜平成25年度までの24年間の羽生世代(森下卓九段)以降の棋士で、四段後9年以上の棋士(西尾明六段)まで、78名に絞った。(広瀬を特別に加えた。) 棋士別の年度毎通算対局数と通算勝率を1つのサンプルとした。 サンプル数の内訳は、 「羽生三冠単独」 1名、24件 「タイトル経験者」 11名、219件 佐藤康光、森内俊之、屋敷伸之、丸山忠久、郷田真隆、藤井 猛、深浦康市、三浦弘行 久保利明、渡辺 明、広瀬章人 「A級経験者」 8名、143件 森下 卓、阿部 隆、村山 聖、先崎 学、行方尚史、鈴木大介、木村一基、橋本崇載 「A級経験なし」 58名、966件 68名から引退者を除いて、更に私の任意で絞って58名とした。 合計 78名、1,352件である。 *----------*----------* 【若手の勝率と将来性。棋士の対局数と勝率】 |
将棋界の統計
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1月初旬にトリトンさんから「 勝率と若手 」についての記事のご要望を頂いていた。 試行錯誤の結果、漸く固まったので、何回かに分けて発表しようと思う。 実は、「 若手 」の定義に頭を悩ませた。 新人王戦は現在26歳以下の規定になっているが、昔は30歳まで参加していた。 四段になる年齢も、まちまちだ。 16歳の新四段も居れば、27歳の新四段も居る。 思案した挙句、活躍度を計るのは、年齢ではなく「 通算対局数毎の勝率 」が良いと判断した。 若い者は、否、通算対局数の少ない頃は、勝率が高い。(補1.) ベテラン、高段者になると勝率は、落ちる。(補2.) 本題の前に、対局数と勝数について。 通算対局数は、活躍のバロメーターである。(補3.) 現在40歳以上の現役棋士及び引退物故棋士を対象に、通算対局数・通算勝数の統計から 棋士のレベル基準を作ってみた。(表1.) これは、引退時点での生涯通算記録なので、現役の「羽生・谷川時代」の棋士は、 60〜70歳まで続けたと想定して対局数・勝数を加算した。 〔表1.〕 今と昔では、基本の対局数が異なるので、基準を分けた。 対局数と勝数はセットではなく、単独で達成しても、そのレベルに該当する。 「羽生・谷川時代」の棋士は、 生涯通算対局数 2,200局を超えるか、または、勝数 1,300勝を超える棋士は、「スーパースター」である。 将来、該当するであろう棋士は、羽生三冠、谷川九段の2名である。 現在、43歳の羽生さんは、おそらく63歳までA級を維持し、 対局数 2,600局、勝数 1,700勝に達するのではないか、と私は期待している。 現在、51歳の谷川九段は、65歳まで頑張れば、2,400局、1,400勝ではないか、と推測する。 両者とも、2,200局、1,300勝を軽く超えるのだが、他に現れないはずである。 ただ、谷川は、彼の美学があって、来年辺りで、現役を退き会長職に専念するとも限らない。 「大山・中原時代」も「スーパースター」の基準は、同じである。 これに該当する棋士は、大山十五世、中原十六世、加藤一九段の3名である。 「羽生・谷川時代」の棋士で、 1,800局を超えるか、または、1,000勝を超える棋士は、「超一流」である。 将来、該当するであろう棋士は、森内名人・竜王、佐藤康九段を始め、 高橋、南、島、丸山、郷田、深浦、屋敷、森下の10名と予想する。 気が付かれただろうか、藤井、福崎、塚田、中村修、田中寅のタイトル経験者5名が入っていない。 理由の一つは、藤井の場合、振飛車党であることが影響している。(これは後々、書く) 逆に該当して意外なのが、森下九段ではないだろうか。 森下は現在、47歳。通算対局数 1,417局、勝数 858勝。 悠々基準をクリアするだろう。 統計を取って一番嬉しいのは、こう云う意外な棋士を発見したときだ。 森下卓九段は、実は「 無冠の超一流棋士 」だったのである。 「大山・中原時代」の「超一流」は、 1,600局を超えるか、または、800勝を超える棋士である。 該当する棋士は、 米長永世棋聖、内藤九段を始め、有吉、二上、大内、森、桐山の7名。 いずれも、タイトル獲得経験、A級経験者である。 1,000勝以上にハードルを上げると、米長、内藤、有吉の3名のみ。 この3名は、「羽生・谷川時代」の基準に当て嵌めても、「超一流」なのである。 因みに、升田幸三九段は、通算対局数 920局、勝数 544勝。 大山より5つ年長で、兵役があり、記録が残っていない対局もある。 大山時代の棋士は対局数・勝数で優劣を付け切れない。 タイトル獲得数、A級在籍記録などが、比較対象だろう。 そうなると、A級在籍31期の升田は米長、内藤に匹敵する「超一流」である。 *----------*----------* 【表と統計の説明】 平成25年12月31日現在で40歳以上の現役棋士 87名、引退物故棋士 67名、計154名 これを「羽生・谷川時代」の棋士 92名、「大山・中原時代」の棋士 62名に仕分けた。 昭和28年以前生れの棋士を「大山・中原時代」とした。(例:青野照市九段以前) 通算対局数、通算勝数は、平成26年3月31日現在(年度末)のものである。 この表は、引退時点での生涯通算記録なので、78名が現役の「羽生・谷川時代」の棋士は、 60〜70歳まで続けたと想定して対局数・勝数を加算した。 「大山・中原時代」は引退物故の棋士が多く、数値がほぼ確定している。 引退物故棋士の記録が残っているのは昭和39年以降に四段になった棋士のみである。 よって、実際の棋士数よりサンプル数が少ない。 また、若くして現役のまま亡くなった棋士も統計に含めた。(例:森安秀光九段、村山聖九段など) 現在、棋士は約160名居るが、昔は、60〜80名くらいだった。 棋戦も3つくらいだった時期から、今や、7大タイトルと一般棋戦4つ、その他3つと格段に増えた。(補4.) 必然的に対局数・勝数も倍増した。 よって、今と昔では通算対局数・通算勝数が異なってくるのも当然である。 約40年前(昭和45年)以降に四段になった棋士を「羽生・谷川時代」の今。 それ以前を「大山・中原時代」の昔として分類基準を分けた。 表の対局数と勝数はセットではなく、単独で達成しても、そのレベルに該当する。 「羽生・谷川時代」の「スーパースター」は羽生善治三冠、谷川浩司九段の2名となるはず。 現在、1,760局、1,270勝、43歳の羽生は、おそらく2,600局、1,700勝まで達するのではないか。 現在、1,991局、1,235勝、51歳の谷川九段は、65歳まで頑張れば、2,400局、1,400勝ではないかと推測する。 「大山・中原時代」も「スーパースター」の基準は、同じである。 該当する棋士は、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、加藤一二三九段の3名である。 「羽生・谷川時代」の「超一流」クラスに将来、該当するであろう棋士は、 森内俊之名人・竜王、佐藤康光、高橋道雄、南芳一、島朗、丸山忠久、郷田真隆、深浦康市、屋敷伸之、森下卓の10名である。 藤井猛、田中寅彦、福崎文吾、塚田泰明、中村修のタイトル経験者5名は、おそらく入らない。 「大山・中原時代」の「超一流」に該当する棋士は、 米長邦雄永世棋聖、内藤國雄九段を始め、有吉道夫、二上達也、大内延介、森けい二、桐山清澄の7名。 通算対局数、通算勝数共に同じメンバーで、いずれも、タイトル獲得経験、A級経験者である。 1,000勝以上にハードルを上げると、米長、内藤、有吉の3名のみ。 〔表2.〕 表2は、表1の「羽生・谷川時代」の詳細である。 対象全棋士の対局数を合計したものが累計対局数合計である。 すなわち、92名の棋士の生涯対局数の総合計である。 累計勝数合計も同じ。 各クラスの構成比を出す分母とした。 「大山・中原時代」は、ここまで作るサンプルが少なく、私の目分量で決めた。 *----------*----------* 【補足】 補1.通算対局数の少ない頃は、勝率が高い。 理由は、 低段者との対局が多いこと。 大抵が若年であり、恐いもの知らずで勢いがあること。 負けて元々、先輩に胸を借りる心境で十二分に力が発揮できること。 の3つだ。 補2.ベテラン、高段者になると勝率は、落ちる。 理由は、 同じ高段者との対局が多くなること。 多くの経験で、恐いことも沢山知っており、勝負所で二の足を踏んでチャンスを逃してしまうこと。 過去の常識(成功体験)にいつまでも拘って黒星を重ねてしまうこと。 孫のような歳の相手に負けたくない精神的重圧に自滅してしまうこと。 年齢と共に体力、気力、記憶力が衰えたと自己暗示にかかってしまうこと。 の5つだ。 補3.通算対局数は、活躍のバロメーターである。 加藤一二三九段の1000敗が新聞記事になったが、1000敗するには、長年に亘り活躍しないと不可能だ。 実力の無い棋士は、現役年数が短く生涯通算対局数も800局以下で終る。 よって、勝率の高い棋士は対局数も多いという結果となる。 ただ、加藤一九段を見ていると、それだけでなく健康も重要な要素だと知れる。 補4.棋戦の数 〔 7大タイトル 〕 名人、竜王、王位、王将、棋聖、棋王、王座 〔 一般棋戦 〕
NHK杯戦、銀河戦、将棋日本シリーズ(JT杯戦)、朝日オープン戦
〔 その他 〕新人王戦、加古川青流戦、達人戦(非公式) *----------*----------* 【若手の勝率と将来性。棋士の対局数と勝率】 |
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今期の主役は、間違いなく渡辺三冠(竜王、王将、棋王)だった。 最初は。 謂わば、アカデミー主演男優賞の最有力候補だった訳だ。 前期将棋大賞を受賞した渡辺が、棋聖戦の挑戦者になり、愈々七冠制覇に向けてのスタートの年か、 少なくとも羽生時代の終焉、渡辺時代の幕開けが約束されたように見えた。 ところが、棋聖戦は1勝しかできず、敗退。 他のタイトル(名人、王位、王座)では、挑戦者になれず。 それどころか、屋台骨の竜王を森内名人に奪れてしまった。 これは、自分自身、予想外だったろうが、将棋界も狐に摘まれた。 しかし、9年振りに竜王を獲得した森内名人も、パッとしない。 他の5つのタイトルのリーグ及びベスト8に入っているのは、王座戦だけ。 一般棋戦の優勝もない。 羽生三冠も、名人戦で1勝しかできず、王将戦も、あと一歩のところで取り逃した。 結局終ってみれば、タイトルの移動があったのは、竜王だけで、他は全て防衛。 今期の主役は、一体誰だったのか? どうも、甲乙付け難い気がするのだが・・・ 採点をしてみた結果。私の基準では、 当然、反論が出る。 計算なんかしなくたって、二大タイトルを獲得した森内に決っている、と。 大体から、名人と竜王のポイントが低すぎるのではないか、と。 まあ、そうかも知れないが、この基準で、もう4年やって来ているのである。 そして、前期は、この基準で渡辺が羽生を上回ったのである。 どうかご容赦願いたい。 今期の集計結果は、表を見て判る通り、 1位 21点 羽生王位・棋聖・王座 2位 17点 渡辺王将・棋王 3位 11点 森内名人・竜王 4位 10点 郷田九段 5位 9点 佐藤九段 七大タイトルのリーグまたはベスト8に全て入っているのは、羽生、渡辺、佐藤の3人だけ。 その中で、タイトルを保持しているのは、羽生、渡辺の2人だけ。 やはり、この2人が断トツになった。 【表の説明】 平成20年〜平成25年度の6年間を各年度毎に、タイトル獲得及びリーグ入りなどを数値化した。
表は、過去2年間のみ掲載。平成25年度は、2014年3月31日現在までの数値。
タイトル保持:名人・竜王=5(奪取したらタイトル点数、挑戦失敗、失冠したら=3) 王将・王位=4、棋聖・王座・棋王=3 (奪取したらタイトル点数、挑戦失敗、失冠したら=2) A級、竜王1組=2 挑戦者リーグ入り、決勝トーナメントベスト8位以内=1 他一般棋戦(銀河・JT杯・朝日・NHK杯) 優勝=2、準優勝=1 【タイトル戦一般棋戦結果】 第71期 名人戦 七番勝負 森内俊之名人(42歳) 挑戦者 羽生善治三冠(棋聖・王位・王座 42歳) 4勝1敗 森内名人 防衛 第84期 棋聖戦 五番勝負 羽生善治棋聖(王位・王座 42歳) 挑戦者 渡辺明三冠(竜王・王将・棋王 29歳) 3勝1敗 羽生棋聖 防衛 第54期 王位戦 七番勝負 羽生善治王位(棋聖・王座 42歳) 挑戦者 行方尚史八段(39歳) 4勝1敗 羽生王位 防衛 第61期 王座戦 五番勝負 羽生善治王座(王位・棋聖 43歳) 挑戦者 中村太地六段(25歳) 3勝2敗 羽生王座 防衛 第26期 竜王戦 七番勝負 渡辺明竜王(王将・棋王 29歳) 挑戦者 森内俊之名人(43歳) 4勝1敗 森内名人 奪取 第38期 棋王戦 五番勝負 渡辺明棋王(29歳) 挑戦者 三浦弘行九段(40歳) 3勝0敗 渡辺棋王 防衛 第63期 王将戦 七番勝負 渡辺明王将(29歳) 挑戦者 挑戦者 羽生善治三冠(43歳) 4勝3敗 渡辺王将 防衛 第21回 銀河戦 優勝 稲葉陽六段(初優勝) 準優勝 橋本崇載八段 第34回 日本シリーズ(JT杯) 優勝 久保利明九段(2度目) 準優勝 羽生善治三冠 第6回 朝日オープン戦 優勝 羽生善治三冠(3度目) 準優勝 渡辺明二冠 第63回 NHK杯 優勝 郷田真九段(初優勝) 準優勝 丸山忠久九段 *----------*----------* 【参照】 |
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第26期 竜王戦は、森内名人が14歳年下の渡辺を下し、9年振りに奪還して幕を閉じた。 年上が、三度目の正直で、年下からタイトルを奪った。 普通は、逆である。 年下が、三度目の正直で、年上から奪う、だろう。 統計に頼るまでもなく、年齢と共に成績は下がる、ということは周知の事実だ。(注1.) 従って、渡辺が竜王を奪われるとするなら、年上の羽生世代ではなく、年下の世代だろうと、 私だけでなく、棋界の誰もが、ぼんやりとそう考えていたはずだ。 にも拘らず、今回、年上の森内名人が奪還した。 勿論、タイトル保持者などの超一流棋士は、単純に年齢と共に成績が下がったりしない。 別のトレンドを辿る。(注2.) しかし、同じ超一流棋士同士の戦いなら、やはり同じ傾向を示すはずではないか。 今回の奪還劇は、地球に彗星が衝突するほどの衝撃的出来事だ。 と、思い調べてみた。 年上が、年下からタイトルを奪ったタイトル戦は、何度あったか? 七大タイトルの総期数320期を対象として、そのうち僅か19度だ。 5.9%の確率。 2度以上奪取した棋士は、大山、加藤一、中原、谷川、羽生の5人だけ。 やはり、一時代を築いた棋士ばかりだ。 谷川が最高記録で、羽生世代を相手に5度。 一番大きい年齢差は、大山と中原の24歳差。 25歳前後の若手タイトル保持者から、40歳前後の先輩が、タイトルを奪う。 15歳差。これが平均的図式である。 もう忘れていたが、確かに、中原が谷川から2度も名人を奪還している。 谷川23歳と28歳のとき、中原と14歳差だ。 舌に苦いものが蘇ってきた。 なるほど、森内名人が渡辺から竜王を奪っても、それほど驚くに当らないか。 同じ14歳差だ。 地球に彗星が衝突するほどの衝撃的出来事、とは大袈裟だったかも知れない。 【統計 〜年上が年下からタイトルを奪ったタイトル戦〜】 第28期(1978年) 王将戦 中原王将(31歳) vs 加藤一(38歳) 1-4 加藤奪取 7歳差 第29期(1979年) 王将戦 加藤一王将(39歳) vs 大山(56歳) 2-4 大山奪還 17歳差 第28期(1980年) 王座戦 中原王座(33歳) vs 大山(57歳) 0-2 大山奪還 24歳差 第40期(1982年) 名人戦 中原名人(35歳) vs 加藤一(42歳) 3-4 加藤奪取 7歳差 第25期(1984年) 王位戦 高橋王位(24歳) vs 加藤一(44歳) 3-4 加藤奪取 20歳差 第43期(1985年) 名人戦 谷川名人(23歳) vs 中原(38歳) 2-4 中原奪還 15歳差 第29期(1988年) 王位戦 谷川王位(26歳) vs 森 (42歳) 3-4 森奪取 16歳差 第36期(1988年) 王座戦 塚田王座(24歳) vs 中原(41歳) 0-3 中原奪還 17歳差 第39期(1989年) 王将戦 南 王将(25歳) vs 米長(45歳) 3-4 米長奪取 20歳差 第48期(1990年) 名人戦 谷川名人(28歳) vs 中原(43歳) 2-4 中原奪還 15歳差 第09期(1996年) 竜王戦 羽生竜王(26歳) vs 谷川(34歳) 1-4 谷川奪還 8歳差 第55期(1997年) 名人戦 羽生名人(26歳) vs 谷川(35歳) 2-4 谷川奪還 8歳差 第70期(1999年) 棋聖戦 郷田棋聖(28歳) vs 谷川(37歳) 0-3 谷川奪還 8歳差 第43期(2002年) 王位戦 羽生王位(31歳) vs 谷川(40歳) 1-4 谷川奪還 8歳差 第29期(2003年) 棋王戦 丸山棋王(32歳) vs 谷川(40歳) 1-3 谷川奪還 8歳差 第52期(2011年) 王位戦 広瀬王位(24歳) vs 羽生(40歳) 3-4 羽生奪取 16歳差 第61期(2012年) 王将戦 久保王将(36歳) vs 佐藤(42歳) 1-4 佐藤奪取 6歳差 第60期(2012年) 王座戦 渡辺王座(28歳) vs 羽生(42歳) 1-3 羽生奪還 14歳差 第26期(2013年) 竜王戦 渡辺竜王(29歳) vs 森内(43歳) 1-4 森内奪還 14歳差 注)年齢差6歳以上を対象とした。 棋聖戦は前後2期あった第65期以前(1994年以前)を対象外とした。 十段戦は対象外とした。 追記:2013.12.5 kurifumiさんから、久保利明九段と佐藤康光九段は、6歳差で対象ではないかとご指摘があったので、 記録に加えることにしました。有難うございました。 *----------*----------* 【注解】 注1.「年齢と共に成績が下る」 「棋士は、年齢と共に、成績が下降する。 その下がり方は、20歳で勝率7割から始まり、40歳で5割、70歳で2割のトレンド線を辿る。 従って、経験の蓄積では、記憶力を始めとする肉体の衰えをカバーできない。」 注2.タイトル保持者だけの統計。 「タイトル棋士は、18歳で勝率7割から始まり、40歳で5割5分、60歳で4割のトレンド線を辿る。」 |
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将棋界では、渡辺明の竜王防衛が年末の風物詩であった、が、とうとう変った。 渡辺は、今年の3月に王将、棋王と奪取し、自身初の三冠と最優秀棋士賞を受賞した。 30歳を目前に、七冠を目指して飛躍期に入ると誰もが予想した。 今期は、他のタイトル戦の挑戦権をどれだけ得るかが、注目の的であり、竜王10連覇は当然のこととして 誰一人疑わなかった。 ところが、ご存知の通り、森内名人に竜王を奪れてしまったのだ。 年末の風物詩が無くなると同時に将棋界の勢力図は、大きく塗り変った。 そこで、今期の最優秀棋士賞に誰が一番相応しいか、現時点での採点をしてみようと思う。 王将戦挑戦者が羽生三冠に決った、ここまでで、誰が一番活躍しているか。 結果は、次の通りだ。(下記の表を参照) 1位 17点 羽生王位・棋聖・王座 2位 14点 渡辺王将・棋王 3位 11点 森内名人・竜王 4位 7点 佐藤九段 5位 6点 久保九段、郷田九段 七大タイトルのリーグまたはベスト8に全て入っているのは、羽生、渡辺、佐藤の3人だけ。 その中で、タイトルを保持しているのは、羽生、渡辺の2人だけ。 従って、当然、この2人が断トツである。 しかし、ここに来て森内名人が竜王位の5点を加えてトップ争いに参入。 あと残されている棋戦は、棋王、王将、朝日杯、NHK杯である。 渡辺二冠は、NHK杯2回戦で姿を消した。羽生さんも可能性ゼロだ。 森内名人竜王は、王将戦、棋王戦共に圏外。 では、上位3名の最大獲得可能点数を調べると、次のようになる。 羽生三冠 棋王2、王将2、朝日2、NHK0 現在点数に+6点=23点 渡辺二冠 棋王--王将--、朝日2、NHK0 現在点数に+2点=16点 森内名人竜王 棋王0、王将0、朝日2、NHK2 現在点数に+4点=15点 結果、渡辺二冠、森内名人竜王は、最高点を取ったとしても、羽生三冠に及ばない。 よって、最優秀棋士賞は羽生さんに決定! と言いたいところだが、間違いなく異論が出る。 何故なら、10年振りに名人と竜王を同時保持した評価やイメージが大きく、 森内名人竜王に3〜5点が加えられる可能性が高く、微妙な争いになるからだ。 それでは、誰が選ばれても、文句の出ないそれぞれの条件を列記しよう。 森内名人竜王が、年度末に最優秀棋士賞を得る条件は、最低でもNHK杯に優勝しなければならない。 出来れば、朝日杯にも優勝するべきだ。 何と言っても、各リーグ戦、ベスト8に入っていないのが汚点だ。 渡辺二冠は、王将と棋王の防衛は絶対条件。 加えて最低でもNHK杯と朝日杯の両方に優勝しなければ、候補にすら上らないだろう。 羽生三冠が、現時点で候補の最右翼で、王将を奪取すれば、文句なしに賞も獲得だ。 しかし、王将獲得に失敗すると、朝日杯に優勝しても、前述の理由で、ちょっと危ない。 棋王戦も挑戦の望みは未だあるので、頑張って欲しいところだ。 【表の説明】 平成20年〜平成25年度の6年間を各年度毎に、タイトル獲得及びリーグ入りなどを数値化した。
表は、過去2年間のみ掲載。平成25年度は、2013年11月30日現在までの数値。
タイトル保持:名人・竜王=5、王将・王位=4、棋聖・王座・棋王=3(奪取したらタイトル点数、失冠したら=2) 挑戦者=2(但し、奪取したらタイトル点数) A級、竜王1組まはた挑戦者リーグ入り、決勝トーナメントベスト8位以内=1 他一般棋戦(銀河・JT杯・朝日・NHK杯) 優勝=2、準優勝=1 【タイトル戦一般棋戦結果】 第71期 名人位決定 七番勝負 森内俊之名人(42歳) 挑戦者 羽生善治三冠(棋聖・王位・王座 42歳) 4勝1敗 森内名人 防衛 第84期 棋聖位決定 五番勝負 羽生善治棋聖(王位・王座 42歳) 挑戦者 渡辺明三冠(竜王・王将・棋王 29歳) 3勝1敗 羽生棋聖 防衛 第54期 王位戦 七番勝負 羽生善治王位(王座・棋聖 42歳) 挑戦者 行方尚史八段(39歳) 4勝1敗 羽生王位 防衛 第61期 王座戦 五番勝負 羽生善治王座(王位・棋聖 43歳) 挑戦者 中村太地六段(25歳) 3勝2敗 羽生王座 防衛 第21回 銀河戦 優勝 稲葉陽六段(25歳 初優勝) 準優勝 橋本崇載八段(30歳) 第34回 日本シリーズ(JT杯) 優勝 久保利明九段(38歳 2度目) 準優勝 羽生善治三冠(43歳) 第26期 竜王戦 七番勝負 渡辺明竜王(王将・棋王 29歳) 挑戦者 森内俊之名人(43歳) 4勝1敗 森内名人 奪取 *----------*----------* 【参照】 |





