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将棋の茶店「芹沢鴨?」

将棋は大切な日本文化の一つ。将棋界が羽生(はぶ)さんを得たことは、天恵です。

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〜 将棋ソフトの発達と棋士の存在意義 〜

私の浅見と独善による”棋士の存在意義”を発表する。

恐らく最善手であろう、と、自負している。エヘン!

【結論】

名人を上回る将棋ソフトの出現は

棋士の存在意義と将棋の魅力を再確認させてくれた。

それは、

棋士と云う名の天才達が、

日々、切磋琢磨し、凌ぎを削って勝負する世界に、

多くの学べる点が、存在することである。

将棋ソフト同士が何千万局対戦しようが、学ぶ点は指し手だけである。

即ち、棋士の最大の存在意義は、盤上ではなく、棋士自身に在る。

*---------*

将棋四百年の歴史に「紀元前、紀元後」とも呼ぶべき大きな出来事が起った。

名人を超える”将棋ソフト”の出現である。

昨年、佐藤天彦名人と将棋ソフト「ポナンザ(Ponanza)」の二番勝負が行われ、ソフトの2連勝。

人間が将棋ソフトに完敗し、決着した。(註1)

そして、今まで訊ねられることすらなかった”棋士の存在意義”が問われるようになった。

更に拍車をかけたのが、カンニング疑惑で連盟が不祥事を起したことだ。

タイトル戦で何千万円もの賞金を払うだけの値打ちがあるのか?

と、肺腑を抉る論が展開される始末。

では、旧来の”棋士の存在意義”は、何か?
将棋は、スーパーコンピュータでも計算が及ばない神の領域に達する奥深いゲーム。(註2)

その頭脳ゲームで頂点に位置する名人は、神と崇められた。

すなわち、名人の指し手は、深謀遠慮、叡智を超越した神秘的な表現であり、それは金銭に換算できないものである。
であった。(紀元前の定義)

ならば、名人を上回る将棋ソフトの出現は、最大の意義が否定されることなのか?

いや、違う!!

畢竟、この世の中は、人間が支配している。

従って、いくらAI(人工知能)が発達しようが、所詮、人間の道具である。

そして、将棋界は、天才集団である。

その天才達が、日々、切磋琢磨し、凌ぎを削って勝負する。

天才達の努力、研鑽、勇気、苦悩・・・

そして、喜び、賞賛、嫉妬、絶望・・・

様々な感情が交錯する中、天才達は、試行錯誤した上、決断し、前進して行く。

その全てが、我々一般社会の参考となる。

将棋ソフト同士が何千万回対戦しようが、学ぶ点は指し手だけである。

梅田望夫氏が語っている。(註3)

「日本最高の知性は、将棋界の棋士の方々です。」

「将棋界でこれから起こることは、私たちの社会の未来を考えるヒントに満ちています。」

加えて、故・米長邦雄永世棋聖に将棋界史上最高の名言がある。



棋士を一般社会の参考(オピニンリーダー)として採用された例は、故・米長邦雄を嚆矢(こうし)とした。

しかし、親しく大衆に受け入れられたのは、羽生善治が濫觴(らんしょう)である。

よって、

棋士の最大の存在意義は、人間(棋士)同士の戦いにあり、

即(すなわ)ち、棋士自身である。

(紀元後の定義)

ただ、良い棋譜を後世に残すだけではない。

ただ、将棋人口を増やすのが目標ではない。


どう考え、如何に努力し、苦悩し、勇気を振り絞って立ち向かい、そして、敗れたのか。

そして、どう反省し、工夫し、再度、挑戦したのか。

その姿や思考の過程が、新しい”将棋の魅力”となり、しぜんと将棋ファンが増える。

従って、

今後の将棋界は、それを如何に通訳するか、伝えるか。

この伝える技術が、重要な技術の一つとなる。


【追記】

「紀元前、紀元後」を何時(いつ)で区切るか。

私は、将棋ソフト「ボナンザ(Bonanza)」が、平成19年(2007年)3月21日、渡辺明竜王(当時)と対局した日。

あの前日までを「紀元前」、あの日以降を「紀元後」としたい。


翌年、羽生さんの王座就位式での梅田望夫氏の前述の祝辞があった。(註3)


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【語彙】

嚆矢(こうし)

 1.《「嚆」は叫び呼ぶ意》かぶら矢。

 2.《昔、中国で戦いを始めるとき、敵陣に向かって1を射たところから》物事のはじまり。最初。


濫觴(らんしょう)

 《揚子江のような大河も源は觴(さかずき)を濫(うか)べるほどの細流にすぎないという「荀子」子道にみえる孔子の言葉から》

  物事の起こり。始まり。起源。


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【註解】

註1.人間が将棋ソフトに完敗し、決着した。

 一昨年(平成28年)も、叡王戦で優勝した山崎隆之七段(当時)が、同じく「ポナンザ(Ponanza)」に0勝2敗と完敗した。


註2.スーパーコンピュータでも計算が及ばない神の領域に達する奥深いゲーム。

 将棋は、10の220乗通りの指し手の分岐があり、大型コンピュータでも、人間の初心者に全く歯が立たなかった。(昭和50年(1975年)頃)

 1980年代中頃には、パソコン用の将棋ゲームソフトが市場に出回り始めたが、アマチュアの20級程度と言われた。


註3.梅田望夫氏が語っている。

 羽生善治王座の『第56期王座就位式』での梅田望夫氏の祝辞。

 平成20年11月18日(火)、東京都千代田区『帝国ホテル』

 「グーグルに対抗できる日本最高の知性というのは、実は産業界にいるのではなくて、ここいる羽生さんなのでしょう。

 そして羽生さんだけでなく将棋界の棋士の方々の、毎日の切磋琢磨の中で行われている研究と勝負の蓄積が結果として表現しているものは、

 グーグルが挑戦していることと、本質的にまったく一緒なのです。

 将棋界でこれから起こることは、私たちの社会の未来を考えるヒントに満ちています。

 羽生さんが将棋を通して表現しようとしていることの重要なひとつは、まさにこのことだと思います。

 羽生さんはは、そういった現代社会の情報についての最先端の在り方を表現してきた。

 私たちも、そろそろそのことに気づかなければ、羽生さんに申し訳ないのではないか。そう私は強く思うのです」

  典拠:『シリコンバレーから将棋を観る』 梅田望夫著 p.211〜212


イメージ 1

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【決定版シリーズ】



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【参照】


実力制名人戦が創設されて、約80年。

私の浅見と独善による将棋史の冠名(時代区分名)を発表する。

恐らく最善手であろう、と、自負している。エヘン!

約80年間に、一時代を形成したスーパースターは僅か4人!

木村義雄、大山康晴、中原誠、羽生善治の4名。


昭和12年〜26年の15年間を木村時代。

昭和27年〜46年の20年間を大山時代。

昭和47年〜56年の10年間を中原時代。

昭和57年〜平成3年の10年間を戦国時代。

戦国時代は、中原、谷川、米長が主役である。

平成4年〜平成28年の25年間を羽生時代、と定義する。

( 羽生時代は継続中 )

区分けの基は、タイトル占有率である。

1人で50%以上を占めていたら、スーパースターである。

異論を唱えるファンの方も居られようが、詳細を見て頂きたい。


イメージ 1


( 木村時代は、円グラフを割愛した。)


イメージ 2

大山時代の開始年は、名人位を大山が木村から奪取した昭和27年とした。


イメージ 3

中原時代の開始年は、昭和47年とした。
中原が大山から名人位を奪取し、タイトル保持数で大山を逆転した。(註3)


イメージ 4

戦国時代の開始年は、名人位を加藤が中原から奪取した昭和57年とした。


イメージ 5

羽生時代の開始年は、羽生がタイトル保持数で谷川を逆転した平成4年とした。(註4)


如何だろうか。

時代の区分、すなわち、「 冠名 」とその期間にご納得頂けただろうか。(註5)


【追記】

羽生時代は、占有期間が長いだけでなく、棋士人数が多い。
大山時代の2倍である。
ただ人数が増えただけではない。レベルが高くなっている。
(はっきり言って、昭和50年以前に四段になった棋士の大半は、今の三段リーグに上がれていないだろう。
平成10年以前に四段になった棋士の大半は、現在の三段リーグなら、18戦中8勝すら危ういだろう。)
その上、ライバルが犇いていた。
一世代上の谷川(当時32歳)、同世代の佐藤・森内・丸山・藤井・郷田など。そして、一世代下の渡辺。
羽生さんを史上最強の棋士と崇める所以である。

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【註解】

註1.「タイトル総期数」(表の中)

 非タイトル戦だったときの王座戦を含む。

 大山時代 19期、中原時代 10期、戦国時代  1期。

註2: 戦国時代の主役棋士の年齢(表の中)

 中原 35〜44歳、谷川 20〜29歳、米長 39〜48歳。

註3.中原がタイトル保持数で大山を逆転した昭和47年

 昭和46年 大山 三冠(名人、王位、王将)
 昭和46年 中原 二冠(十段、棋聖)

 昭和47年 大山 二冠(王位、王将)
 昭和47年 中原 三冠(名人、十段、棋聖)


註4.羽生がタイトル保持数で谷川を逆転した平成4年

 平成3年度 谷川 四冠(竜王、王位、王将、棋聖)
 平成3年度 羽生 一冠(棋王)

 平成4年度 谷川 二冠(王将、棋聖)
 平成4年度 羽生 三冠(竜王、王座、棋王)

註5.「 冠名 」

 (正しくは「かんむりめい」と湯桶読みだが、しばしば「かんめい」とも読む)

 冠名は、馬主が所有する競走馬の競走名中に含める特定の言葉のこと。

 今回は、時代区分名として用いた。

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