コロとクロが9歳になった平成13年3月中旬。 この頃からクロの様子に変化が見られる様になった。 当時、最初に買った中古住宅に住んでいた。 1Fは事務所と倉庫・駐車場。2Fが住居。 倉庫脇にあったスペースを改造してコンクリートで2坪ほどのワンスペースを作った。 どこの部屋のリフォーム代より、ここが一番高くついたなぁ・・・ しっかりと門も作ったので、この中にいる時はリードをつけず自由に動けた。 ほんとにわずかなスペースだったけど、前の借家ではよく二人のリードが絡まってしまって動けなく なったりしていたので、コロとクロにとっては少しは快適になったと思う。 最初『あれ?おかしいな・・・』と思ったのは『クロ』と呼ぶとこっちは見るものの、 私の目とクロの目が合わなくなった事。 『この子、もしかして目が見えていない?』 でも、散歩に行くとしっかり歩いていた。 気のせいかな・・・と思っていた何日か後、今度は急にガクっと座りこんだ。 これは普通じゃないと思い、すぐに動物病院に連れて行った。 診断の結果。 『腎臓の機能が低下し、うちの検査機では図りきれない程の数値になっています。 血液も極端に薄い。とりあえず何日間か入院させ、点滴をして様子を見ましょう。』と言われた。 それから3日間、入院し毎日点滴を受けた。 4日目の朝、病院から連絡が入り『だいぶよくなったので迎えに来ますか?』と電話が入る。 『はい。すぐに行きます。』と返事した。 私は勘違いをしていた。 もう大丈夫なんだと。 喜び勇んで病院に行くと、元気になったクロが私の顔を見ると喜んで走って来た。 そして私の顔を何度も何度も舐めてくれた。 元気になったクロとの再会を喜んでいた私に先生は静かな声でこう言った。 『入院中も再度、検査をしましたがはっきり言ってクロちゃんはもう持たないでしょう。 点滴で一時は元気を取り戻していますが手術や治療もできない程、病状は悪化しています。』 元気に私の顔を舐めているクロを見て、 『・・・はい?おっしゃっている事がよくわからないんですけど・・・』と私が言うと、 先生は『多分、もって1ケ月くらいだと思います。』と言った。 ********************************************** 病院からクロとどうやって帰って来たか覚えていない。 先生の言葉だけが頭の中で繰り返されていた。 家に帰ってただ涙を流しながらボーっとクロの横にいた私は先生の言葉を思い出す。 『急に座り込んでしまうのは血液が薄くなり過ぎている為、貧血を起こしているからだと思います。 食事はレバーなどを多くしてあげてください。』 そして大量のレバー缶を買って来た。 それから数日、元気なクロを見て私は『大丈夫!レバーいっぱい食べさせていればきっと大丈夫!』と 自分に言い聞かせていた。 でも・・・お医者様って凄いね。 ちゃんと分かっているんだね。 1週間もしないうちに今度はゴロっと横に倒れたかと思ったら失禁する様になってしまった。 そしてほとんど私と目が合わなくなってくる。 ただ、それ以外はほんとに普通だった。 毎日散歩もした。 私は毎朝晩、コロとクロの散歩は家の前を流れる川沿いを一周していた。 家の前からは猛ダッシュ! 暫くしないとゆっくり歩いてくれない。 こんな感じで川の周りを1周すると50分くらいかかる。 【当時の家の前の光景・向こう側に見えるのは水元公園】 今では綺麗に草も刈られ歩道も作られているが、この時はまだ草も伸び放題で川と道路の境目に ガードレールが設置されているだけだった。 50分程度で帰って来ていたこのコースが1時間かかるようになり、1時間以上かかるようになり。。。 もう最初の猛ダッシュはできなくなっていた。 最初は走りたがったコロも何日目かにはクロの状態を分かったのか一緒にゆっくり歩いてくれるように なった。 それでもクロは『散歩に行くよ』と門を開けると喜んでいた。 ある日。 こんな夢を見る。 夢って自分の家でも、よく行っている場所でも変な光景に変化したりするもんだが、 この日の夢はリアルで光景も何もかもが現実と全く変わっていなかった。 家事を終わらせた私は散歩に行こうと下に降りて行く。 私の姿を見たコロがワンワン鳴きながら尻尾を振って駆け寄って来る。 ハウスに寝ていたクロがそれに気付き尻尾を振って門に歩み寄って来た。 二人にリードを付け、いつもの散歩コースへと歩き出す。 暖かくて天気がよくて絶好の散歩日和。 二人はいつもの様にクンクンと草の匂いを嗅ぎながらゆっくり歩いていた。 家の前から数えて5本目のガードレールにクロがゴンと頭をぶつけた。 それから座り込んでしまい動かなくなる。 『クロ!どうした!大丈夫!?』しゃがみ込んでクロの様子を見る。 その横でコロが心配そうにクロを舐めている。 『今日はこれで帰ろう。クロ歩ける?』とリードを少し引いた。 でもクロは立とうとしない。 ダメだ。。。 抱っこして行こう。 と、抱き上げたがクロはかなり重かった。 コロのリードも待たなければならない。 クロの重さに何度も抱き変え、わずかな距離を四苦八苦してやっと帰り、ハウスにあった毛布を綺麗に 引き直し寝かせてあげた。 頭の上に水を置き『クロ、お水飲みな』と言うとクロは顔だけ起こし水を飲んだ。 ここまでで目が覚めた。 なんてリアルな夢だったんだろう・・・と思いながらも忙しい朝を向え夢の事は忘れていた。 暖かくていいお天気。 パパ・子供達を送り出し、家事も終わらせ「さぁ散歩行くか」と下に降りて行く時、 昨日の夢が蘇ってきた。 正夢にならなきゃいいな。。。 まず、私の姿を見たコロがワンワン鳴きながら尻尾を振って駆け寄って来る。 ふとクロを見る。 クロはハウスにいた。 そして私に気付き、ゆっくりと尻尾を振って歩いて来た。 嫌だな。夢と全く同じじゃない。。。 でも、まさかね。 私はガードレールを数えながら歩いていた。 そして5本目のガードレールでクロは頭をぶつけ座り込んだ。 そこからは全く夢と同じだった。 心配そうにクロを舐めるコロ。 そして動かなくなったクロを抱きかかえ家まで帰り、ハウスに毛布を引き直し水を持って行った。 なんなの・・・? 嫌だな。。。 その日、仕事をしながら何度もクロの様子を見に行った。 クロはずっとハウスに寝ていた。私が行くと顔だけ私に向ける。 ほんとに忘れもしない午後4時。 パパが材料を買いにD2に行くから一緒に行こうと帰って来た。 クロのレバー缶も買いたかったので一緒に行く事にした。 散歩の話をするとパパはクロの傍に行って暫くクロの頭を撫でていた。 『早く行って早く帰って来よう』と買い物に出掛けた。 4時40分に帰宅。 車を車庫に入れるとパパはすぐにクロのハウスへ行った。 私も後に続く。 と、パパが後も向かずに言った。 『ママ。クロ、逝っちゃったよ・・・』 『嘘!クロ!』 クロをさわるとまだ生きてるように温かかった。 私達は暫くクロの傍で泣いていた。 この時、私はクロと約束したんだ。 『ごめんね。クロ。一人で逝かせてごめんね。寂しい思いさせてごめんね。でもコロがいてくれた だけでもよかった。クロがいなくなったらコロはほんとに一人ぼっち。コロの時は絶対傍にいるから。 クロと約束するから。ほんとにごめんね。』って。 だからコロの最期は私が看取らないとダメなんだ。 ほんとに安らかで綺麗な顔をしていた。 口からはほんの少しの液、少しのおしっこ。 遺体を引取りに来てくれた葬儀社の人も『ほんとに綺麗で穏やかな最期でしたね』と言った。 そしてコロは次の日から午後4時半になると決まって遠吠えするようになった。 私達夫婦はクロが逝った時間だと思っている。 【元気だった頃のコロとクロ・・・ まだ借家住まいだった頃の写真】 動物を家族に迎えた以上、必ずやってくるこの時。 本当に悲しくて苦しくて切なくて胸が痛くなる。 亡くなってから7年経った今でも、この時の事を思い出すと涙がわいてくる。 どの子達にもたくさんの癒しや愛情をもらっている。 だから生きている今、出来る限り可愛がってあげたい。 どの子にも『ママと一緒に過ごせてよかったよ』って思ってもらえるように。。。 |

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