■バリデーション療法とは?
バリデーション療法は、アメリカのソーシャルワーカー:ナオミ・フェイル(72)さんが開発した認知症の方たちとのコミュニケーション術のひとつです。
バリデーションは元々、「確認する、強くする、認める」の意味に用いられますが、フェイルさんによると、認知症の人の「経験や感情を認め、共感し、力づける」意味でバリデーションという言葉を用いているのだそうです。
■バリデーション療法の特徴
バリデーション療法の特徴は、認知症の方が騒いだり、徘徊したりすることにも「意味がある」として捉え、なぜ騒ぐのか、なぜ徘徊するのかをその方が歩んできた人生に照らして考えたり、共に行動したりするというもので、「共感して接すること」に重点を置いた療法です。日本でも現在同様の療法に関心を持ち、取り組む組織や人が増えています。
■バリデーション療法から見る認知症の症状
認知症の行動の特徴を次の4つに分けているそうです。
1.)認知障害(認知の混乱)…認識力はあるが、人生に失望しており、他人に不安や怒りをぶつける。
2).日時、季節の混乱…今がいつかわからなくなる。
3).繰り返し動作…同じ動作を繰り返す。
4).植物状態…ほとんど動けず、しゃべれず、目を閉じている。
■バリデーション療法例・・・「症状から理由を考える」
例)
【症状】認知症患者が、他人を非難したり盗んだと責めたりすることがある。
【理由】過去に押し込めた感情を外に出して解決しようとしている。
【治療】認知の混乱の場合施設に居て「家に帰りたい」と泣き出すのに、「家はもうない」「私が居るから大丈夫」といっても解決しません。
■バリデーション療法・・・具体的にどのように接すればよいか?
具体的な実践方法は?
集中してバリデーション行うのは、一日に五分から十分。
繰り返すうちに問題行動の回数は減っていくと言います。
■具体的なバリテーション療法の例
たとえば、「夜中に部屋にだれかが忍び込んだ」とお年寄りが言い出した時、「部屋にだれかが忍び込んだのね」とお年寄りの言葉を繰り返します。
その人が視覚的な表現が好きなら「どんな服を着ていたの」などと聞きます。
「怖かったのね。人生で一番、怖かったのはなに」と、極端な表現を使うのも有効です。
こうした会話の中で、お年寄りは人生の苦労を語り、失望や不安を吐き出すことができます。
「心の中にとじこめた思いが問題行動となって現れる。でも、だれかがその思いをわかってあげれば問題行動は消える」というのがバリデーションの基本的な考えです。
(平成14年8月25日 読売新聞・やさしい介護学)
■主なバリデーション療法
・真心を込めたアイコンタクトをする
・かがんだり、座ったりして、認知症の人の目を直接見つめる。信頼を築く。
・言ったことを繰り返す(リフレージング)
・認知症の人は、相手が自分の言うことを繰り返して確認すると安心する。
・声の大きさや抑揚も出来るだけ同じようにする。
・極端な表現を使う
・最悪、最善の事態を想像させる。
例えば、「この食事はまずい」と文句を言ったら、「今まで食べた中で最悪ですか」と聞く。それが感情を発散させる手助けになる。
・身体に触れる(タッチング)
・指先で、ほほの上部に軽く円を描くようになでたり、両手で肩と背中をさすったりして、気持ちを静める。
・お年寄りの好きな感覚を用いる
・視覚的な表現が好きな人には視覚的な表現で聞く
・思い出を話す
・はっきりした低い、優しい声で話す
・事実に基づいた言葉を使う
バリデーション(認めるという意味)法では、具体的なコミュニケーションの方法を示しています。
アルツハイマー病の第一ステージである「認知障害」の段階では、「リフレージング(=本人の言葉を繰り返す)」「思い出話をする」「好きな感覚を用いる」「極端な表現を使う」が有効なテクニックだそうです。