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京都市中は、祇園囃子が鳴り響いている頃である。 祇園祭一色といっても、あながち過言ではない。 祇園囃子に心浮かれるのは、京都に生まれた者なるが故の、 一種の遺伝子がそのようにさせるのでは・・・と思ったりもする。 最近、京都の夏を思う時、ふと、昨夏のことを思い出したりする。 昨夏、新聞社に勤めていた私は、 月末になると無理を言っては、翌月の休暇編成に手心を加えて貰っていた。 10月に開催される博多での声明公演の習礼(しゅらい・リハーサル)の回数が夏頃から増えだし、 老師僧の御指導の下、練習会場を転々としながら、いろんな場所で行った。 そんな会場の中で、数回にわたってあてがわれたのが、大原・勝林院の本堂なのだった。 「証拠の阿弥陀」と呼ばれる、元祖法然にゆかりのある本尊が安置される本堂で、 我々は『如法念仏』を唱えたのであるが、 宗派の異なる者が声明の聖地である大原・魚山で、 作法を行えるというのは、本当にこの上ない悦びなのだった・・・。 あの頃、来年の今頃はどのような生き様をしているのだろう・・・、 そんなようなことに思いを馳せつつ、声明にいそしんだりしたものであるが、 あれからもう1年以上が経過したのかと思うと、本当に毎日が早く感ずる・・・。 先日、蓮華寺へ行った折、久しく大原へも立ち寄ったが、 時間的にも夕方に近かったので、魚山上之房(かみのぼう)だけ参詣した。 上之房へは、三千院の南側を流れる、呂川(ろせん)沿いを上がると行き着く。 途中、三千院の塀越しに咲く紫陽花が印象的だった。 上之房・来迎院の古仏に参詣し、 声明の祖たる良忍上人の廟所に詣でて大原を後にした・・・。 祇園祭の喧噪する忘れさせる風情が、そこにはあった。 観光シーズンの谷間になるこの時期、 大原はその本来の姿を垣間見せてくれるような気がした・・・。 ■湖畔の紫陽花。(昨夏の紫陽花・・・) ■写真■
【上】 上之房へ行く途中、三千院の塀越しに咲く紫陽花・・・。 【下】 来迎院・本堂にて。 藤原時代の釈迦・阿弥陀・薬師の三尊仏が安置されてある・・・。 聖応大師良忍の廟所は本堂の裏手にある。 以上、2007年6月28日、京都市左京区大原にて撮影。 |
魚山周辺と洛北大原
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