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小さなラジオをいただいた。 なんとも素敵なカタチをしている。 何色、と呼んだらいいのだろうか。 くすんだワインレッド? とも違うし、この微妙な色合いがいい。 いただいた瞬間に、懐かしい、と思った。 昔、<ソニー坊や>というキャラクターがソニーにいた。 昭和30年代のことである。 その匂いが、この小さなラジオからする。 これは、テープレコーダーの景品かなにかで作ったものだが、同じ匂いがしませんか デザインには、匂い、がとても大事だと思う。 手にすっぽりおさまる大きさ。 このすっぽり感も、気持ちいい。 上から見ると、 これまた、微妙なラインである。 ボクは赤塚不二夫のキャラクターをどうしても思い出してしまう。 目ン玉つながりのおまわりさん。 ついでに、言うと、 赤塚不二夫は、目ン玉つながりキャラクターをもうひとつ生み出している。 ウナンボ うなぎ犬ほど有名ではないが、このウナンボも可愛い。 ウナギでありながら優秀な警官。水分がないとひからびてしまうという弱点から、 洗面器が手放せない。拳銃の腕はなかなか。 ほんとに、赤塚不二夫はイメージの天才なんだなあ、と改めて思う。 いかん、また話が飛んでしまった。 つまり、上からみた微妙なラインが、ボクには目ン玉つながりのおまわりさん、に見えてくるのだ。 ボクが、この小さなラジオを見た瞬間に可愛い、好きだ、と感じた理由はそこにある。 そこ、とは、イメージの話である。 モノはただあるだけでは、モノに過ぎない。 そのモノが喚起するさまざまなイメージの広がり<物語と言ってもいいかも知れない>が そのモノを輝かせ、モノ以上の何かになる、とボクは思う。 たんなるモノでないから、愛着も生まれてくるのだ。 ボクはこの小さな可愛らしいラジオを若い女性からいただいた。 自分がデザインしたんです、と言う。 驚きである。 素敵である。 すごいことである。 レイモンド・ローウィ、という人がいる。 ラッキー・ストライクのパッケージ・デザインで有名な人だ。 ローウィは、「口紅から機関車までデザインする男」と言われた。 インダストリアル・デザインのパイオニアである。 ローウィが子供のころ描いた絵 後年、彼は機関車のデザインをした。 ローウィは、子供のころに、自分の頭の中にあったイメージを、大人になって実現したのだ。 これも、すごいことだ、とボクは感心してしまう。 ローウィは、なんでもデザインした。 ゴミ箱も 鉛筆けずりも コーヒーカップも 客車のインテリアも ローウィを一言で言うのは難しい、 が、あえて言うなら、 モノのデザインに夢を吹き込んだ人、とボクは思う。 そのローウィは、 「日本から多くのことを学んだ、特に、シンプルさ、と微妙な色合いを学んだ」と言っている たしかに、、ラッキーストライクは、日本の<的>に見えてくる。 最近、年賀状の整理のため、輪ゴムを買った。 このパッケージデザインも、なにかしみじみといい。 デザインは素敵だ。 いま、小さなラジオは、オンザヒルのカウンターの中のグラス置きに ちょこん、といる。 実はボクはラジオを聞くことがない。 料理中に他の音が入ってしまうと、疲れるからだ。 いつも無音で仕事している それでも、この小さなラジオは、ここにいて欲しい。 デザインにはそういうチカラがある。
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